大手を狙った不正アクセス・情報漏えい相次ぐ
重大なサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の運用が10月1日から始まったが、これをあざ笑うかのように企業や組織を標的としたサイバー攻撃が相次いでいる。MrMaxHD(8203・P)は6日午前11時、最大173万人の会員情報が流出した可能性があると発表した。
5日正午には大和証券グループ本社(8601・P)傘下の大和証券が、外部委託先であるスカラコミュニケーションズのサーバーが不正アクセスを受け、顧客情報が不正取得された可能性があると発表。個人を特定できない問い合わせなども含めると、対象は約22万件に上る。
さらに同日は、物語コーポレーション(3097・P)が運営する「焼肉きんぐ」の公式アプリに登録されている個人情報約1,080万件のほか、回転寿司運営の大起水産の公式アプリから約17万5,000件、ホワイトニング専門歯科「ホワイトエッセンス」から約105万アカウントの情報漏えいが公表された。
国内では9月末ごろからこうしたサイバー攻撃・不正アクセス事案が頻発している。一社当たりの被害の規模も大きく、パーク24(4666・P)の「タイムズカー」では運転免許証画像を含む約660万件の個人情報が流出するといった重大インシデントが発生。集団訴訟に発展する事態となっている。
サイバーセキュリティ需要が一段と高まるとの見方から、株式市場では関連銘柄が人気化。6日は秘密分散技術のZenmuTech(338A・G)がストップ高(700円高の4,985円)となったほか、Webサイト防御製品(WAF)首位のサイバーセキュリティクラウド(4493・G)もストップ高(500円高の2,618円)。ランサムウエア攻撃検知サービスなどを手掛けるセキュアヴェイル(3042・S)、足元で国家安全保障関連に力を入れるFFRIセキュリティ(3692・G)、メール・セキュリティーメーカーのサイバーソリューションズ(436A・G)なども大幅高となった。
セキュリティ対策の新常識「ゼロトラスト」
これまでのサイバーセキュリティ対策は、外部からの不正なアクセスを遮断する「境界型防御」が主流だったが、近年はテレワーク環境の普及やAIの高度化などを踏まえ、社内外のネットワークを問わず全てのアクセスを信頼せずに検証する「ゼロトラスト」に基づく設計が求められている。国も政府共通の業務環境で既にゼロトラストを実装・運用しており、現在はこれを地方ネットワークに拡大している。
関連株は、データ無意味化で被害を最小限に抑えるZenmuTechをはじめ、昨年に同領域への進出を表明したデジタルアーツ(2326・P)、脱VPNとゼロトラストに注力するHENNGE(4475・G)、中堅・中小企業向けゼロトラストサービスを展開する網屋(4258・G)など。(SS)

