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コラム2025年6月13日

【本日のマーケット】6月13日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

6月13日(金)のマーケット                                                                   

6月12日の米国市場で主要3指数は揃って上昇。NYダウは前日比101ドル(0.24%)高の42,967ドル。NASDAQ総合指数は前日比46ポイント(0.23%)高の19,662。S&P500指数は前日比23ポイント(0.38%)高の6,045。

地政学的リスクの高まりを受け、日経平均株価は大幅続落。イスラエルがイランを攻撃したことが嫌気され、一時600円超の下落。前日にトランプ大統領が自動車関税の引き上げを示唆したことも嫌気された。円高も進行、ハイテクや自動車の主力株が売られた。一方、前日に続いて防衛、石油関連などが買われた。上方修正のビジョナルが急伸、アクティビストの保有が明らかになったスクエニも高い。gumi、ネクソンなどのゲーム関連も買われた。

スタンダード指数は6日ぶり反落。マクビーは好決算も目先材料出尽くし感先行した。一方、カドスは決算好感買い継続。石川製作所、細谷火工など防衛関連、名村造船、ジャパンエンジンなど造船関連が上昇。暗号資産への投資発表のマックハウスはストップ高。

グロース指数は5日ぶり反落。軟地合い下、好決算への反応はまちまち。スマレジは目先材料出尽くしで売られたが、タイミー、Heartseedは大幅高、さくらさくは1月高値更新。航空・宇宙関連もまちまち。ブルーイノベ、QPSは物色人気継続。

日足チャート上では、長めの下ヒゲを伴う陰線。200日移動平均線(3万7915円)を下抜けたが、大引けでは下げ幅を縮めて25日移動平均線(3万7760円)上に浮上した。パラボリックが陰転を示現しており、上値の重さを感じさせる。週足では上下にヒゲを伴う陰線。26週移動平均線(3万7662円)上に位置しているが、わずかに一目均衡表の雲抜けには至らず。来週以降に持ち越しとなった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。イスラエルがイランの核施設を砲撃したとのニュースが飛び込んできました。米中貿易交渉が平和裡に決着したこの週末、安堵する暇もなく、今度は中東情勢の緊迫化です。

中東地域の2大強国、イスラエルとイランはこれまで代理戦争はあっても直接ぶつかるということはありませんでした。今回の事態がどこまで深刻なものになるのかは、イランの報復がどのような範囲に広がるかにかかっています。

イランも、アメリカがバックについているイスラエルを相手に真正面からの戦争に突入するとは考えにくいことです。そうであれば原油価格の上昇は限られるはずです。

株式市場の影響は比較的軽微なものに限定されると思います(そう思いたいものです)。ニュース報道に釘付けの週末になりそうです。グロース市場をはじめ小型・内需成長株の有利が続きそうです。

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注目記事 Pick up
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【株主提案 経緯と着目点は!?
日本証券新聞6月16日(月)紙面1面TOP記事掲載 

アセンダー・キャピタル ジャン=シャルル・ティセランパートナー兼共同CIOに聞く

3月期決算企業の株主総会がこれから本格化してくる。東証集計によると、17日に31社で2ケタ乗せとなり、20日には192社と3ケタに達する。そして注目されるのが、急増してきた「株主提案」だ。これらのうち19日開催のアルゴグラフィックス(7595・P)と20日のクレスコ(4674・P)に株主提案を行っている香港アセンダー・キャピタルに質問状を送付し、同社のジャン=シャルル・ティセラン パートナー兼共同CIO=最高投資責任者=(写真)から書面での詳細な回答を得た。一問一答式で以下のようにまとめた。

――そもそもアセンダー・キャピタルとは。

「2012年設立の香港拠点の独立系投資会社だ。アジアの優良企業への投資に特化している」

――投資先企業を選定する際の基準などは。

「顧客との深い関係によって得られる価格決定力などの競争優位性を持ち、長期的な利益率向上が見込める企業を投資対象としており、①利益を高い割合で安定的にフリーキャッシュフローに転換できる②資産を多く抱えない“資産軽量型”事業モデルを採用――といった点を重視する。アジアの上場企業のなかからROIC(投下資本利益率)が高い企業を特定する独自のスクリーニングも実施している。システムインテグレーターやソフトウエア企業にはこうした特性が多く見られる。このセクターの強固なファンダメンタルズに魅力を感じている。企業のデジタル化需要拡大や深刻なIT人材不足という構造的な追い風から直近10年間で業界の営業利益率が急向上している」

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今日の市況概況
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6月13日(金)☆[概況/大引け] 

中東地政学リスクの高まりでリスクオフ 630円安からは下げ幅を縮める

大引けの日経平均は338円(0.8%)安の3万7,834円、TOPIXは26ポイント(0.9%)安の2,756ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は291、下落銘柄数は1,308。出来高は20億7,968万株、売買代金は5兆1,899億円。

前日の米国市況ではNYダウ、NASDAQ総合指数、SP500の主要3指数が上昇していたが、朝方にイスラエルによるイラン空爆の一報が入り東京市場は大幅下落でのスタートとなった。中東での地政学リスクの高まりから、リスクオフの動きが加速。イスラエルによる空爆では核関連施設への攻撃が伝えられており、イラン側からイスラエルへの報復攻撃も想定される。

一連の動きを受けてエネルギー需給の不安から原油価格が急騰しており、WTI原油は一時9%超の上昇。時間外のNYダウ先物は700ドル超の急落となる時間帯も見られた。

日経平均株価は再び200日移動平均線を下抜けたが、大引けでは下げ幅を縮めて25日移動平均線上に浮上。

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