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IPO2026年7月31日

IPO社長会見 ビーエイブル 原発廃炉・再稼働、再エネで右肩上がり成長へ

ビーエイブル(604A)が7月29日、東証スタンダード市場に上場。公開価格を45.1%上回る1,016円で初値を付けた。同社は福島県双葉郡に本社を置き、原子力発電所の廃炉作業・メンテナンスを主力とするエンジニアリング会社。再生可能エネルギー事業の開発・運営なども行う。上場当日の記者会見で佐藤順英代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

3.11がターニングポイント

ティッピングポイントは3.11の東日本大震災。当時、現場で社員が働いていたが、奇跡的に全員が無事で家族もみんな助かった。みんなでこの命を何に使おうか考え、「われわれは原子力のことをよく知っているから、福島第一の沈静化に向かおう」と全員が一丸となり、沈静化に当たった。冷温停止宣言(2011年12月16日)以降は廃炉作業に移行した。

利他の心

「人として最高の行為は世のため人のために尽くすこと」という私の価値観から、「利他」を社是としている。また、「人として正しいことを正しいままに貫く」という考え方を大切にし、自分や会社にとっての損得ではなく、人として正しいかどうかを行動の基準にしている。人類として正しいことを考えると、再生可能エネルギーの確保やCO2削減も重要。このため震災後、CO2を排出しないバイオマス発電所(国内最大の112メガワット)を関西電力の協力を得ながら地元に建設した。福島第一原発の沈静化に取り組む中、国が定めた被ばく線量を超えて働けなくなった方の雇用の場を創出する目的もあった。当時の再エネブームに乗る趣旨でなく、「福島第一原発を早期に沈静化させて、放射能から日本を守ろう、東北、関東を守ろう」といった思いで来た結果、東京電力からの元請け工事が増えた。こうした中でコンプライアンスやガバナンスがきちんとした会社であるべきだという思いから上場し、信頼できる会社が重要な仕事に当たっていること示そうと考え、本日に至った。これによりさらに地域のため、福島のため、日本のために頑張っていけると感謝している。

強み

廃炉・復興は国・東京電力が全責任を持つとおっしゃっており、その流れに乗り、少しでもお役に立てればと考えている。ホルムズ海峡問題によるエネルギー価格高騰もあり原発再稼働の動きが急速に進んでいる。中で弊社は他のプラント再稼働に向けた準備工事や、再稼働した島根原発や柏崎刈羽原発6号機などで得意とする原子炉周辺の特殊な部分の点検業務などに注力。これは車検のように定期検査を毎年行う必要があるため、今後も継続するストックビジネスになっていく。他社と比較して優位な点は、福島第一原発の廃炉において各種ロボット開発や特殊工法開発を行っていること。「現場を科学する」と呼んでいるが、現場作業のロボット化など、技術と現場力を組み合わせて進めている。高難度で他社が忌避するような作業も社内でアイデアを出しながらチャレンジ。こうした姿勢が優位性となって他の電力会社からも相談を受けている。

将来展開

廃炉作業を通じて開発した新技術を廃炉以外の分野にも展開したい。既にさまざまな企業から「こんなことを自動化でできないか」など、未来に向けた注文も来ている。JRからは新幹線の清掃についてお話がある。現在、福島県双葉町に建設中の研究開発センターで、ロボット開発やフィジカルAIの研究開発を進めていく。また、小型原子炉であるSMRの関する事業も視野。出資いただいたIHIに社員が出向き、IHIが製造するSMRの自動検査機器の共同開発を進めている。

原発再稼働

原子炉はPWRとBWRの2種類あり、当社はBWRを主としてメンテナンスを行う。福島第一の原子炉はBWRで事故を起こしたタイプ。このためBWRは長らく再稼働せず、再稼働してきたのは関西電力などのPWRだったが、BWRも再稼働が始まった。当社はBWRのしかも特殊なコアの機器を非常に得意としている。BWRは長らく動いていなかったため同業の多くが撤退したが、当社はメンバーが残っており、再稼働すると特命のような形で注文が来るとみている。

再エネ事業

バイオマス発電所も水平展開を進め、発電所の開発・運用・保守を行っていく。112メガワットのバイオマス発電所は持ち分法適用会社が運営し、数年後から配当が入る見込み。これはより安定した企業経営に寄与しよう。ほか、7メガワット規模のバイオマス発電所を建設中。こちらは東京メトロが再エネとして購入することが決まっている。2、3年後に発電所が完成し、保守も行う予定。また、国と県が主体となって福島の阿武隈山系に造った風力発電所で、現在GE系からの特命でメンテナンスを手掛ける。国内には数千基の陸上風力発電設備が稼働しており、メンテナンスエリアを拡大していく。波力発電装置も開発中。今年2月に海上試験を行い、発電する確証を得た。今後数年かけて実用化を目指す。まだ誰も手掛けていない波力発電も今後大きなエンジンになっていこう。

配当政策

26年7月期に創業来、初の配当を予定。最低で20円は死守する考え。今後は利益が出れば利益連動的に配当を増やしたいと考えているが、一度増やすと落ちた時になかなか下げられないので、例えば記念配当といった形で少しでも出た分は還元していきたい。(Q)

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