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インタビュー2026年10月26日

よくわかる!! トビラシステムズ(4441・東証スタンダード)~ アナリストが明田社長に聞く23の質問 ~

本テキストは、トビラシステムズの明田社長への インタビューの内容 を書き起こしたものです。明田社長には、多くの投資家が抱く「23の質問」にお答えいただきました。

【会社名】トビラシステムズ(4441)
【実施日】2026/09/29
【回答者】代表取締役社長 明田 篤 氏
【会社概要】

2004年4月創業。特殊詐欺やフィッシング詐欺への対策サービスを提供するセキュリティ事業と、法人向け電話DXサービスを提供するソリューション事業を展開する。2025年10月期の売上高は28億5百万円、営業利益は8億98百万円(非連結)。セキュリティ事業の売上高は19億5百万円、ソリューション事業は8億99百万円。中期経営計画2028では、ソリューション事業(トビラフォン Biz・Cloud)の販売加速、通信キャリア向け販売の拡充、新規事業の創出、メンバーの拡大・成長に取り組む。

Q1
投資家に向けて一言で説明すると、トビラシステムズはどのような会社でしょうか。

テクノロジーを活用して、社会課題を解決し、人々の役に立つ製品をつくるメーカーだと考えています。

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【出所】トビラシステムズ 2026年10月期第3四半期決算説明資料 p.38 (2026/9/10)

Q2
創業当初の事業内容と、トビラフォンを開発したきっかけを教えてください。

創業当初は、ソフトウェアの受託開発を中心に事業を展開していました。その後リーマンショックを機に、受託開発に依存しない事業基盤を構築するため自社製品の開発に注力するようになりました。

そんな中、私の祖父が原野商法の詐欺被害に遭ったことをきっかけに、迷惑電話による被害を防ぐ仕組みを作れないかと考え、2011年に迷惑電話防止機器「トビラフォン」を開発しました。これが現在のセキュリティ事業の原点となっています。

Q3
優れた人材、安定した財務基盤、三大通信キャリアとのパートナー関係といった豊富な経営資源は、どのように競争優位性につながっていますか。

当社の競争力は、人材、技術、データベース、販売パートナーが相互につながることで生まれていると考えています。

技術者がよいものをつくったとしても、それだけでは多くの方に知っていただき、使っていただくことはできません。当社には販売パートナーを通じて製品やサービスを広く届けられる仕組みがあり、サービスを通じて蓄積されるデータやお客様から得られるフィードバックを製品の改善や新たな製品開発につなげています。さらに、安定した財務基盤があることで中長期的な視点で研究開発や新たな事業にも挑戦できます。

こうした経営資源を組み合わせ、継続的によりよい製品を生み出していけることが当社の競争優位性につながっていると考えています。

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【出所】トビラシステムズ 2026年10月期第3四半期決算説明資料 p.38 (2026/9/10)

Q4
独自に集めた情報や外部機関から提供される情報は、どのように競争力につながっていますか。

長年蓄積してきた電話番号に関する情報と、それを評価・運用するノウハウの両方が当社の競争力につながっていると考えています。情報は集めるだけで価値が生まれるものではありません。その情報が信頼できるか、有効なものなのかを見極め、常に更新し続けることが重要です。こうした長年の取り組みによって培ってきたノウハウが当社の迷惑情報データベースの品質を支えており、他社との差別化につながっていると考えています。

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【出所】トビラシステムズ 2026年10月期第3四半期決算説明資料 p.30 (2026/9/10)

Q5
データの蓄積と活用をさらに成長につなげるため、どのような取り組みを重視していますか。

今後、特に重視している取り組みはサービスの普及率をさらに高めていくことです。国内の携帯電話契約数は2億件を超えていますが、当社サービスの月間利用者数は約1,500万人であり、まだまだ普及の余地があると考えています。利用者が増えることで、より多くの情報が蓄積され、データベースの精度が高まり、サービスの価値も向上していきます。

「自分は大丈夫」と思っている方も含め、当社のサービスが酸素のように当たり前の存在となり、意識することなく自然に守られている。そうした社会を実現していきたいと考えています。

Q6
三大通信キャリアとの関係を長年維持できている背景を教えてください。

品質と安定性を維持しながら、変化する詐欺の手口に継続的に対応してきたことが、大きな要因だと考えています。

三大キャリアには非常に多くの利用者がいるため、それに見合った高い品質と安定性が求められます。また、世の中が便利になる一方で、詐欺の手口も次々と変化し巧妙化しています。

そうした変化に常に対応し、サービスの品質を高めながら継続的に価値を提供してきたことが、通信キャリアとの信頼関係の構築に繋がっていると考えています。

Q7
生成AIによる詐欺の巧妙化は、新たな需要になると考えていますか。

生成AIによって詐欺の手口が巧妙化する中で、人々を詐欺から守るサービスの重要性は、今後さらに高まっていくと考えています。ただし、それがそのまま当社の業績成長に直結するとは限りません。

以前であれば不自然な日本語のメールなどから詐欺だと気づけるケースもありましたが、生成AIの登場によってそうした違和感から詐欺を見抜くことが難しくなっています。また、自動で電話をかけるサービスや、社長など特定の人物の声を模倣する技術など、詐欺に悪用され得る技術も進化しています。こうした変化に対応し、人々が安心して生活できる環境を支えていくことが当社の役割であり、事業機会にも繋がっていくと考えています。

Q8
ソリューション事業は、第二の収益の柱に至るまでのどの段階にあると考えていますか。

ソリューション事業は足元で大きく成長しており、すでに当社の第二の収益の柱になりつつあると考えています。

Q9
新規事業は、どの事業区分に含まれるのでしょうか。

現在、当社の事業は「セキュリティ事業」と「ソリューション事業」の2つのセグメントに区分しています。新規事業についても、事業内容に応じていずれかのセグメントに含めています。例えば、2025年10月に提供を開始した詐欺メール・SMS訓練サービス「サギトレ」は、セキュリティ事業に含まれています。

Q10
トビラフォン Bizの販売好調の背景と、今後の成長に向けた施策を教えてください。

2026年10月1日より、改正労働施策総合推進法に基づき、中小企業を含むすべての事業主にカスタマーハラスメント対策が義務付けられる[憲金1.1]ことも追い風となり、足元では販売台数が大きく伸びています。

今後さらに成長させていくためには、販売パートナーがお客様に当社製品の価値を伝え、継続的に販売できる体制を広げていくことが重要だと考えています。同じ販売チャネルの中でも、拠点によって販売状況に差があるため、既存の販売拠点の販売力を底上げすることで、さらなる販売拡大につなげていきたいと考えています。

Q11
トビラフォン Bizは、どのような点で競争力があると考えていますか。

トビラフォン Bizの競争力は、複数の機能を一つの製品で提供できる点にあると考えています。機能ごとに見れば競合製品はありますが、迷惑電話対策や通話録音、電話業務の効率化など、さまざまな機能を一つの製品で提供できる製品は、現時点ではトビラフォン Bizしかありません。

また、2027年以降は既存のお客様のリプレイス需要も見込まれるため、新規販売に加えて、こうした更新需要もしっかり取り組み、事業の成長につなげていきたいと考えています。

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【出所】トビラシステムズ 2026年10月期第3四半期決算説明資料 p.34 (2026/09/10)

Q12
トビラフォン Bizの収益構造を教えてください。

トビラフォン Bizの収益は、端末代金とライセンス費用(サービス利用料)で構成されています。端末代金と5〜7年分のライセンス費用を一括でいただく契約形態が販売の主流です。端末代金は販売時に売上として計上しますが、ライセンス費用は契約期間に応じて毎月按分して計上しています。

そのため、販売時にまとまったキャッシュが入る一方で、ライセンス費用は将来にわたって継続的に売上として計上される仕組みとなっています。また、先に受け取った資金を成長投資に活用できることも、当社の強みだと考えています。

こうした収益構造により、契約負債の残高などから将来計上される売上の一部を見通すことができ、安定的な収益基盤につながっています。こうした収益の安定性やキャッシュフローの特徴は、投資家の皆さんにも評価いただいている点だと考えています。

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【出所】トビラシステムズ 新規投資家向け資料 p.16 (2026/01/29)

Q13
トビラフォン Cloudは課金ID数が過去最高となり、月次平均解約率も1%未満です。中期経営計画では売上高18億円と高い目標を掲げていますが、目標達成に向けた成長戦略を教えてください。

これまでトビラフォン Cloudは、自社での直接販売を中心に成長してきました。足元でも売上高は伸びていますが、今後は自社の販売力に加えて、販売パートナーの強みを活用することで、さらに成長を加速させていきたいと考えています。

2026年7月に発表した株式会社プロディライトとの資本業務提携も、その取り組みの一つです。両社が持つ販売チャネルや顧客基盤、技術・ノウハウなどを相互に活用することで、販売機会の拡大やサービスの価値向上につなげ、中期経営計画の目標達成を目指していきます。

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【出所】トビラシステムズ 「中期経営計画2028」 p.13 (2024/12/10)

Q14
新規事業を継続的に生み出す仕組みと、開発やM&Aで重視する判断軸を教えてください。

新規事業の開発やM&Aでは、当社がこれまで培ってきた技術やノウハウなどの強みを生かせるかどうかを重視しています。既存の経営資源を活用することで、新たな事業の成功可能性を高められると考えています。

直近で開発した「サギトレ」は、社内の新規事業コンテストで社員から生まれたアイデアを具体化したサービスです。今後も、社員の自由な発想を大切にしながら、資本業務提携先との連携やM&Aも活用し、新たな製品やサービスを継続的に生み出していきたいと考えています。

Q15
重点施策に掲げるメンバーの拡大・成長を、製品開発や事業の成果にどのようにつなげていきますか。

人材への投資は、製品や事業を成長させる源泉だと考えています。社会の中にある課題を見つけ、テクノロジーで解決し、それをお客様に届けるまでのすべてを担うのは人だからです。

そのため、単に採用人数を増やすだけでなく、一人ひとりが成長し、それぞれの力を発揮できる環境を整えることが重要だと考えています。また、お客様の課題やニーズを営業、企画、開発などの部門を超えて共有し、製品の改善や新たな機能・サービスの開発につなげていく。こうした連携を強化することで、組織全体の力を高め、事業の更なる成長につなげていきたいと考えています。

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【出所】トビラシステムズ 「サステナビリティレポート」 p.11 (2026/1/28)

Q16
売上高60億円、営業利益17億円を目指す中期経営計画の進捗を、どのように評価していますか。

現時点では、おおむね計画どおりに進捗していると考えています。ただし、2028年10月期の目標達成に向けては、今後も高い売上高成長率を維持していく必要があり、決して余裕のある状況ではありません。

現在は、中期経営計画の後半2年間を見据え、来期の事業計画や予算を策定しているところです。引き続き、各事業の成長に向けた施策を着実に実行し、中期経営計画の達成を目指していきたいと考えています。

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【出所】トビラシステムズ 2026年10月期第3四半期決算説明資料 p.32 (2026/9/10)

Q17
中計の残り2年間では、どのような分野への成長投資を優先していく方針でしょうか。

最も優先順位が高いのは、既存事業のさらなる成長に向けた人材の採用・育成や、販売体制への投資です。新たな製品やサービスについては、開発から収益貢献までに一定の時間を要するため、中期経営計画の残り2年間で目標を達成するためには、まずは既存事業の成長を加速させることが重要だと考えています。

そのうえで、既存事業との相乗効果が期待できる資本業務提携や、場合によってはM&Aについても、引き続き検討していきたいと考えています。

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【出所】トビラシステムズ 「中期経営計画2028」 p.22 (2024/12/10)

Q18
成長投資を積極的に進める中で、ROE22%という目標をどのように実現していく考えですか。

現在は積極的に成長投資を進めているため一時的に費用が先行している状況ですが、今後はその投資成果を着実に収益につなげていくことが重要だと考えています。

既存事業の収益力を維持・向上させながら、成長領域であるソリューション事業や新規事業の利益を拡大することで、全社の収益力を高めていきます。そのうえで、成長に必要な資金と株主還元のバランスを取りながら、資本効率の向上を図り、ROEについても高めることを目指していきたいと考えています。

Q19
成長投資と株主還元のバランスについて、今後の基本的な方針を教えてください。

株主還元については、配当性向35%を目安とし、年間配当の下限を20円とする方針を掲げています。今期は、普通配当20円に加えて、設立20周年を記念した記念配当20円を実施し、年間配当は1株当たり40円を予想しています。

当社は比較的潤沢な資金を保有していますが、まずは将来の成長に必要な投資を着実に進めることが重要だと考えています。そのうえで、財務の健全性を維持しながら、資金余力を株主の皆様への還元に繋げていく方針です。

株主還元については配当だけでなく、自社株買いも選択肢の一つと考えています。過去にも実施しており、今後も成長投資とのバランスや資本効率などを踏まえながら、機動的に検討していきたいと考えています。

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【出所】トビラシステムズ 2026年10月期第3四半期決算説明資料 p.6 (2026/9/10)

Q20
自社サービスを提供する株主優待には、どのような思いを込めていますか。

当社の株主になっていただいている以上、株主の皆様には一人も詐欺被害に遭ってほしくないという思いがあります。そうした思いから、昨年より、当社の迷惑電話・迷惑SMS対策アプリ「トビラフォンモバイル」を1年間無料でお使いいただける株主優待制度を導入しました。

株主の皆様には、配当や株価の成長に期待していただくだけでなく、当社のサービスを実際に使っていただくことで、詐欺被害の防止に役立てていただきたいと考えています。また、サービスを通じて当社の事業への理解を深めていただき、長期的に応援していただけるとうれしく思います。

Q21
中長期的に、投資家からどのような企業として見られたいですか。

特殊詐欺対策や電話のDXにとどまらず、さまざまな社会課題の解決に挑戦し続けるメーカーとして見ていただきたいです。

現在は、特殊詐欺対策会社や電話のDXの会社というイメージが強いかと思いますが、世の中にはそれ以外にも数多くの社会課題があります。そうした課題に対して、テクノロジーを活用し、人々の役に立つ製品を次々と生み出していくことを目指しており、その考え方は社内でも常に共有しています。

将来的には、国内で培った技術やノウハウを海外にも展開し、世界の様々な社会課題の解決に貢献できるような企業へと成長していきたいと考えております。

Q22
事業づくりで大切にしている考え方を教えてください。

世の中にある課題をどうやって技術で解決するかを考えるだけでなく、しっかりと利益を生み出せる事業にすることが重要だと思っています。社会課題の解決はもちろん大切ですが、ボランティアや補助金だけに頼っていては、持続的に事業を成長させていくことは難しいと考えています。

適切な利益を生み出し、それを次の製品開発や新たな挑戦に投資していく。そうした循環をつくることで、社会課題の解決と企業としての成長を両立させていきたいと考えています。

Q23
既存事業の延長線上にとどまらない新しい挑戦を、投資家にはどのように見てほしいですか。

新しい製品の開発に挑戦し続け、その中から次の成長を担う製品を生み出していく会社として見ていただきたいです。

当然ながら、例えば10個開発した製品が10個すべてうまくいくわけではないため、新規事業の成長を正確に予測することは難しい部分もあります。一方で、これまでにもトビラフォン Bizやトビラフォン Cloudのように、新たな収益の柱へと成長する製品を生み出してきました。

今後も挑戦を続け、そうした成功事例を積み重ねていくことで、非連続な成長を実現できる企業を目指していきたいと考えています。

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