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IPO2026年11月2日

【速報版】IPO社長会見 トグルHD 流動していない、潜在的な開発用地を掘り起こし

トグルホールディングス(652A・G)が10月30日、東証グロースに新規上場した。初値は公開価格を6.9%下回る3,760円。独自のAI技術を活用して、不動産市場に流通していない土地の中から再開発可能土地を創出する「Land Creation」が主力。上場当日の記者会見で伊藤嘉盛代表取締役(写真)が語った内容のポイントは次の通り。

高成長をけん引する「Land Creation」

2026年9月期第3四半期(10~6月)の売上高は約132億円、うち96%(127億円)は私たちの主力のビジネスである「Land Creation」、残りが「Agetic Platform」となっている。23年9月期から27年9月期予想までの売上高CAGR(年平均成長率)は70.4%、粗利CAGR86.0%、営業利益CAGR94.8%。成長率が高いこともそうだが、売上高、粗利、営業利益の順に伸び順が大きくなっている。

不動産業者でも見えない土地情報

東京都には約230万件の土地があり、このうち売りに出るものは年間約2.4万件と全体の1%程度。これは不動産業界の人であれば誰でも得ることができる情報であり、私たちはオンマーケットと呼んでいる。デベロッパーも買い取り再販もこの位置を取り合っている状況であり、それ故に価格競争が発生している。一方で、私たちが見ているのは氷山の下にある残り99%、そもそも誰も売ろうとしていない、売るつもりもない土地だ。ただ、この99%をやみくもに回っているということではない。単独では普通の土地に見えても、隣の土地と組み合わせると建てられる床面積が増えて、開発用地として価値が大きくなる土地がある。これは登記簿にも地図にもレインズ(不動産流通標準情報システム)にも、不動産業界の皆さまの頭の中にもない。取り合う対象が情報として存在していない、競争がほぼ発生していないことが特徴だ。

高回転・低リスクのビジネスフロー

この99%の土地を解析して、パズルを解けば価値が上がる土地を洗い出し、地権者に提案をする。ある程度話がまとまってきたら、仕入れる前にデベロッパーにヒアリング(10~15社)をして需要の強さと価格の目線を確認する。その上でデベロッパーの目線に反映した価格をわれわれが地権者に最終価格として提示させていただく。合意を得られたら仕入れをし、ここで初めてバランスシートに乗る。一連の流れに要する期間は平均1年。その後、権利調整、立ち退き、解体、開発・企画を全て自分たちでやり切って、最後の売却で売り上げとして計上される。仕入れから販売までの在庫回転期間は平均6~7カ月。高回転で在庫がないことが少ないというのが強みだ。もう一つは、需要と価格を確認してから買っているので、良くも悪くも価格のリスクがあまりない。土地の値上がり益を取りに行っているのではなく、単なる土地を“開発できる土地”に変えることで対価をいただいている。

模倣しにくい参入障壁

私たちが手掛けるのは100億円未満の小さな土地で、大手からすると複雑かつ手間がかかる割に小単価で交渉コストが高い。この点でまずすみ分けができている。また、テクノロジーと営業員による現場実行力を両立することで、再現性の高い、仕組み化されたビジネスを実現している。まず日本にはなかなか正確な地図がない。歯抜けになっていたり形が合わなかったり、建築の計算や不動産の業務には使えないものばかりだ。私たちはさまざまなデータを集めて正確な地図を作り、その上に建築の計算に必要なデータを大量に重ねている。その上で、建築基準法に基づいて天空率、地域性、鉄道要件、斜線制限など、これらを決定論的なアルゴリズムで、ちゃんと実務で使えるレベルで出力するということをやっている。これらを全てカバーした上で、完全自動で出力するというのは私たちが日本で唯一の存在だ。

自動化による営業のスケーリング

人を増やせば売り上げが伸びるという線形の関係になるところまで磨き込んできた。従来、再開発は不動産や金融の知識、法律交渉、営業全てが必要でベテランしかできなかったが、これらの大部分をソフトウェアが担うことで、不動産の経験がなくても営業ができれば成果を上げることができる仕組みを作った。実際、営業員の8割は不動産未経験者だ。未経験でも活躍できるため、採用の間口が広く、採用が事業上のボトルネックにならない。今後採用は売上高成長率と同等の増加率で伸ばしていく予定。今期は100名を超える営業社員の採用をもくろんでおり、28年9月期についても100名プラスαの人員の採用を見込んでいる。

エージェンティック・プラットフォームが第2の成長ドライバー

よく「AIをかぶった不動産会社ではないか」と言われるが、私たちの自己認識は逆であり、「不動産の皮をかぶったAIの会社」である。私たちは音声チャット、画面操作、営業活動などあらゆるデータを全て独自の基盤(エージェンティック・プラットフォーム)に保存している。これらの観測データから業務の型を抽出し、個人が持つ属人知を組織が保有する事業資産へと変化し、誰もが使えるようにした。このプラットフォーム上に不動産開発というものを乗せたものが「Land Creation」となっている。将来的にはエージェンティック・プラットフォームを活用し、建築や金融、不動産の周辺産業への横展開、さらにM&Aで業績を伸ばしていく。(SS)

※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。

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