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コラム2018年6月29日

☆竹中三佳の株Catch one’s eye Part.237 企業主導の子育て支援

これまで待機児童のニュースを目にしても、未婚の私にはあまりピンと来ていなかったのですが、最近立て続けに保育園が決まらず復職できないという友人の切実な悩みを聞き、これは本当に大変な問題なのだと実感しました。中には産休育休期間を越えてしまい、このままだと退職しなくてはいけなくなるため、取りあえず給与と同額の金額をかけて無認可保育園に預けているという友人もいました。

そんな中、GMO(9449)で働く友人は福利厚生のひとつである社内託児所「キッズルーム GMO Bears」を利用しており、休憩時間に子供の様子を見に行けたり、仕事で遅くなった際にも柔軟な対応をしてもらえたりという、現在の恵まれた環境にとても感謝しているそう。仕事に専念できる分、利益としてしっかり会社に還元していきたいと話していました。

先日ヤフー(4689)でも、働き方改革の一環として、7月より、社員の産休・育休後の復職支援・継続就業支援を目的とし、本社ビル内に企業内保育所を開設するとの発表がありました。待機児童問題が顕在化して久しいものの、国からの決定的な対策がなかなか講じられていない中で、各企業が多様な働き方を支援し、働きやすい職場づくりに注力することで、眠っていた労働力の再確保や、社員の労働意欲の向上など、企業にとってよいシナジーを生み出すのではないか、いち働く女性としても企業主導の保育事業とその効果に注目しています。

【編集記者のコメント】
「事業所内保育施設」を設ける企業が年々増加しています。代表例にはリクルートホールディングス(6098)資生堂(4911)花王(4452)などが挙げられますが、最近ではトヨタ(7203)が今年4月に国内最大規模の事業所内託児所を本社工場近くに開業し話題となりました。働き方改革を背景に、株式市場でも「なでしこ銘柄」や「えるぼし」などのように女性活躍のための環境整備に積極的な企業への注目度が高まっています。こうした動きが業績に好影響を与えそうなのが、育児用品で国内トップのピジョン(7956)。グループのピジョンハーツでは法人向けに事業内保育所の運営受託サービスを展開しており、日本郵船(9101)JR東日本(9020)など数多くの大手企業に導入実績があります。

竹中三佳さんのプロフィール
タレント、リポーター、モデル。ホリプロアナウンス室所属。明るく誠実でファッショナブルなキャラクターでTVやラジオ、CMなどで活躍。

[本紙7月2日付14面]

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