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IPO2019年2月12日

☆新規上場紹介 日本国土開発 3月5日 東証1部 土木工事に強い総合建設

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日本国土開発(1887)が3月5日、東証1部に新規上場(IPO)する。1999年に上場廃止になっており、20年を経ての再上場となる。

1951年(昭和26年)に、当時の吉田茂首相の応援などにより、土木工事の機械施工を開拓・普及する目的で設立された。その後、土木工事請負業、建築工事業を始め、昭和40年代には土木工事に強みを持つ総合建設会社として認識されるに至った。しかし、バブル経済の破たんとその後の経済低迷に伴う受注の大幅な減少、工事採算の悪化で、98年に会社更生法適用を申し立て。2003年には会社更生手続終結が決定した。

土木事業は国内と東南アジアを拠点に、総合建設会社として、ダム、河川、橋梁(きょうりょう)、トンネル、道路、上下水道、造成工事などの社会基盤および震災関連復興工事から太陽光発電所建設工事まで、幅広い工事の施工管理を行っている。建設材料のリサイクルを実現する「ツイスター工法」、自然材料を利用した新しい処分場履土技術「キャピラリーバリア」など同社が独自に開発して実用化を図っている。また、国土交通省が推進するi―Construction(ICT=情報通信技術=を導入した建設産業の生産性向上)に積極的に取り組んでいる。

建築事業は庁舎、公共施設、競技場などの大型施設、ビル・マンションの建造物など多岐にわたる実績を持つ。

グループでは東北地方において東日本大震災直後から現在にかけて被災地域での除染作業やがれきの廃棄物処理および収集運搬、減容化処理施設の建設・解体などの震災復興関連工事を数多く手掛けている。ただ、震災から年月が経ち、復興事業は縮減傾向にある。震災復興関連工事への依存度を引き下げつつ業績の維持伸長を図る方針。

こうした状況の中で、土木事業では東京五輪開催に伴うインフラ整備事業、大型土木プロジェクトへの継続的な取り組み、建築事業では生産性向上による競争力強化の柱となる超高層建築工事の第一弾の引渡を完了し、ほかに4件を施工している。関連事業では、保有土地に50メガワットの太陽光発電所や共同事業による大型物流施設を21年5月期から稼働する計画で準備を進めている。

概 要
事業内容土木・建築工事の施工管理および建築設計業務を中心とした総合建設業
本社東京都港区赤坂4―9―9
代表者朝倉健夫代表取締役社長
設立1951年4月
上場前資本金50億1,275万円
発行済株式数98,255,000株(上場時)
筆頭株主日本国土開発持株会(上場前16.44%)
公募株式数12,080,000株(自己株式の処分)
売出株式数1,376,000株(このほかオーバーアロットメントで2,018,400株)
ブックビル仮条件490円~510円(2月13日)
ブックビル期間2月15~21日
公開価格510円(2月22日)
引受証券三菱UFJモルガン・スタンレー(主幹事)、みずほ、大和、極東、マネックス
初値624円(22.3%高)
 
業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2017/5109,117百万円7,224百万円41.40円7.5円
2018/5117,579百万円15,330百万円137.94円15.0円
2019/5(予想)124,110百万円11,675百万円119.40円27.5円

[本紙2月13日付2面]

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