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IPO2019年2月21日

☆新規上場紹介 カオナビ 3月15日 マザーズ 人材情報をクラウドで管理

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カオナビ(4435)が3月15日、マザーズ市場に新規上場(IPO)する。

企業の人材情報をクラウド上で一元管理する「カオナビ」の提供を通じた事業展開を行っている。

「カオナビ」は社員の顔や名前、経験、評価、スキルなどの人材情報を一元管理して可視化することで、最適な人材配置や抜擢(ばってき)といった人材マネジメントをサポートするシステム。企業の経営陣や管理職が抱える「社員の顔と名前が一致しない」というシンプルな課題を解決するために生まれたサービス。主な機能には、人材データベース、社員リスト、配置バランス図、組織ツリー図、社員アンケート、評価ワークフロー、社員データグラフ、写真情報ソートなどがある。

人材情報の一元管理による業務効率化、適材適所の人事配置による生産性向上、適正評価に基づく人材開発、適切な人事戦略の立案による経営基盤の強化にような効果が期待される。顔と名前の一致により社内でのコミュニケーションが活性化され、社員の離職防止につながるという効果も期待される。

同社ではいち早くHRテクノロジー(人事領域におけるテクノロジーの活用)の重要性に着目し、2012年に「カオナビ」をリリースした。「カオナビ」の利用企業数は17年3月末の445社が18年3月末に854社、18年末には1,194社に増加。民間の調査機関の調べによると、出荷社数シェアで33.3%、売上金額シェアで29.3%と、国内クラウド人材マネジメントシステム市場でトップシェアとなっている。

「カオナビ」の収益構造は、顧客に対してクラウド上で提供するサービスの対価を、使用期間に応じて受領するサブスクリプション(月額課金)モデル。月額料金は登録人数に応じた料金体系となっており、人材情報の一元管理を図るデータベースプラン(月額3万9,800円から)、人事評価業務の効率化を図るパフォーマンスプラン(同5万9,700円から)、さらに高度な戦略人事を図るストラテジープラン(同7万9,600円から)の中からニーズに応じたプランを選べる。

こうした基本サービスに加えて、新規に「カオナビ」を導入する顧客などに対するユーザー支援サービスや、「カオナビ」と連携して外部サービスを利用するオプションサービスなども提供している。

利用企業数は順調に増加しているものの、「カオナビ」の認知拡大のためのマーケティング活動を行っている。2019年3月期は事業拡大に伴う社員および外注費の増加、オフィス移転による費用増加から、売上高16億4,500万円(前期比72・7%増)、経常損失1億4,700万円(前期は2億5,000万円の損失)を予想している。

概 要
事業内容クラウド人材マネジメントシステム「カオナビ」の提供
本社東京都港区元赤坂1―2―7
代表者柳橋仁機
設立2008年5月
上場前資本金4億4,140万円
発行済株式数528万8,000株(上場時)
筆頭株主柳橋仁機(上場前42.36%)
公募株式数50万株
売出株式数37万株(このほかオーバーアロットメントで13万500株)
ブックビル仮条件1,780円~1,980円(2月26日)
ブックビル期間2月28日から3月6日まで
公開価格1,980円(3月7日)
引受証券大和(主幹事)、みずほ、東海東京、マネックス、SBI、エース
初値3,970円(2.0倍)
 
業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2017/3454百万円▼213百万円▼51.77円―円
2018/3952百万円▼250百万円▼65.91円―円
2019/3(予想)1,645百万円▼147百万円▼31.65円75円

[本紙2月22日付2面]

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