アイ・グリッド・ソリューションズ(603A・G)が7月29日、東証グロースに新規上場した。初値は公開価格を23.7%上回る953円。商業施設の屋根上を活用した太陽光発電開発や太陽光由来の電力販売などを展開。上場当日の記者会見で秋田智一代表取締役社長(=写真=)が語った内容のポイントは次の通り。
脱炭素と経済性の両立……電気を使う側のお客さまのニーズとして、エネルギーコストというものが第一にある。一方で、昨今では環境負荷の低減に加え、BCP(事業継続計画)、非常災害時用のバックアップなど、エネルギーに求められるニーズが変化してきており、その中でサービスを多角化展開してきた。ポイントは脱炭素(環境負荷の低減)と経済性(コスト)の両立。再エネの中でも太陽光は低コストで経済性を伴うエネルギーであり、今後の主力電源として期待されている。しかし、メガソーラーと言われる従来の地面設置型のものについては、開発に適した土地が少なくなってきていることや、一定の規制が掛かったりということもあり、開発ペースは減少してきている。われわれが取り組んでいる分散型、未利用スペースの屋根・駐車場に関しては環境的な負荷が少なく、規制等々も多くない。
「つくる場所」「送り方」に特徴……主軸となるGX(グリーントランスフォーメーション)ソリューション事業の中にはPPA(電力購入契約)サービス、アライアンス、インテグレーションの3つのサービスがある。特徴としては、屋根上・駐車場などの未利用スペースを活用して太陽光発電パネルを設置する。この発電設備はわれわれがアセットとして保有し、お客さまは初期投資費用なく、メンテナンスコストもかからず、この発電設備から生み出された電気料金をお支払いいただくことで利用できる。われわれはこのPPAサービスの日本における先駆け。さらに、使いきれない余剰電力をエネジートレーディング事業で他の施設に送配電網を通じて循環利用する余剰循環スキームを構築している。
国内トップの中小型開発実績……再エネの分散型の発電所を1,400施設以上保有しており、その開発スピード(年間100メガワット)が大きな強み。細かいものを積み上げてつくっていくイメージだが、これは大きく1カ所で10メガワットの設備をつくるのと、分散で10メガワットをつくるのでは全然開発の労力、スピードが違う。施設の使用量に合わせるのではなく、余剰を出すということを前提に、屋根の最大スペースを活用して発電設備をつくる形になるので、1スペース当たりの発電量が大きい。
アライアンス先にもメリット……もう一つは、発電所の建設はわれわれが自ら行っていくので、どうしても資金制約の課題が出てくる。投資が先行するのでバランスシートも重たくなってくるし、負債が先行し、成長局面においてはそれが成長の制約になってきてしまう。われわれは開発した発電設備を売却し、アライアンスパートナーにアセットとして保有してもらうことで、アセットライトに資金制約なく成長していけるモデルを構築した。売却によって資本効率を上げていくというモデルを組むことができたことが大きく成長につながっている。アライアンス側からすると、われわれと組むことで一定規模の発電所をアセットとして取得できる。また、余剰循環スキームがあるので、1施設当たりの発電量が大きくなることによって今まで開発ができなかったような施設に対しても余剰を気にせず開発を行うことができる。
追加収益創出ポテンシャル……顧客とは20年間の契約が基本であり、その間、長期的な形で電気を供給する。一方で太陽光は夜間や雨の日の発電はできないので、電気の使用量を平均化すると販売量は25%程度となっており、残りの75%は追加的な販売機会を持てている状況にある。例えば都内の高層ビルなど物理的な制約があって太陽光を置けないというお客さまがいた時に、郊外の施設に発電設備をつくって余剰電力を東京のビルで使いたいといった、企業グループ内での循環利用のニーズもある。こうしたところに対して、余剰循環のスキームを活用しながら供給を拡大していく。また、蓄電池を導入することによって施設内での再エネの自給率を上げていくことも可能。施設の面的拡大に合わせて、アップセル・クロスセルにより1施設当たりの収益機会を上げていくことによって、両数的な成長を図っていく。
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