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IPO2023年9月27日

IPO社長会見 オートサーバー 売買仲介が成長ドライバー

オートサーバー(5589・S)が9月26日、東証スタンダードに新規上場した。同社は中古車流通プラットフォーム「ASNET(エーエスネット)」を運営。初値は公開価格を14.6%下回る2,280円だった。上場当日の記者会見で高田典明代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

会員数×多種多様な顧客層……「ASNET」には主にオークション代行、ASワンプラの2つのサービスがある。そのほか陸送手配やパーツ販売など、様々な付帯サービスや各種アプリの提供も行っている。2023年6月末時点の会員数は7万6,018人。多種多様な会員層が特徴であり、特に整備板金業者、ガソリンスタンド事業者や、月1~2台程度の中古車を販売している小規模販売業者といった客を多数確保している。また、落札台数ごとのユーザー割合では、月間取引台数が2台以下のライトユーザーが約80%を占めている。そのため、特定のユーザーの利用状況に過度な影響を受けることなく、安定的に業績を伸ばせる。

中古車情報のカバー率95%……オークション代行は国内141の中古車オークション会場とデータ連携し、ASNETの会員になれば各オークション会場の会員にならなくてもその会場の取り引きに参加できる。国内のオークション会場へ出品された中古車情報のカバー率は21年で約95%。オークション代行サービスを利用することで、ASNET会員は国内のオークションに出品されているほぼすべての車両に入札できることとなる。

会員間の売買を仲介……ASワンプラは、中古車事業者(ASNET会員)が保有している在庫の売買をASNET上にて当社が仲介するサービス。売り手側にとっても店頭で小売りと業販の併売が可能なので、販路の拡大が見込め、在庫回転率が上がるというメリットがある。このような点が売り手・買い手の双方から評価され、22年の取引実績は07年の約22倍にまで成長するなど利用する会員が増えている。当社では多数の出品会員を集め、23年6月時点で18万8,000以上の掲載台数を確保するなど、欲しい車が見つかりやすいマーケット作りに注力している。

近年急成長中……12年以降、ASワンプラサービスにおける取引台数の増加が著しく、これが当社の成長ドライバーとなっている。また、当社は市場環境に対する業績を図るためのベンチマークとして中古車流通台数の前年比を用いており、ASNETにおける取引台数との比較を行っている。これまで当社は新規ユーザーの獲得やASNETの改良等に営業資力を投下してきた。その結果、多くの期間において業績がベンチマークを上回る状況を達成できている。

今期計画は保守的……オークション代行とASワンプラの前年比の実績を示したグラフを見ると、2つのサービスは出品タイミングや相場の関係上、逆相関の関係にあり、様々な中古車の流通状況にもいずれかのサービスを利用していただき、結果として安定的な業績を得られる状況にある。今期の計画は、計画策定時点では新車供給不足に伴う中古車流通マーケットの先行きが不透明であったことから、売上高52億円、経常利益18億円と保守的な計画を立てている。ただし上半期は売上高29億円、経常利益10億6,700万円という実績を達成し、順調な進捗状況であると考えている。

成長戦略……取引台数の拡大と手数料単価のアップによる成長を計画している。現在のASNETにおける取引台数は20万台強となっているが、新規ユーザー獲得や他事業者との提携等によってプラットフォーム上での取引台数を増加させていく。同時に、手数料単価の高い当社独自のサービスであるASワンプラサービスをさらに成長させることで、平均手数料単価を上げていきたい。将来的には新取引サービスの開発や海外展開も検討。ユーザー獲得の余地はまだまだ大きいとみており、今後は営業戦略や代理店戦略の活用により、年間4,500ユーザーの獲得、8,000台の取り引き増加を目指す。既存のターゲット業種以外にも中古車販売と親和性の高い新たな業種の会員獲得も行っていく。また、ASNETにはASワンプラ出品情報など、貴重な中古車流通データが蓄積されている。これを活用し、提供することで新たな取引サービスの展開を狙う。

ビッグモーター問題の影響……当社はあくまで流通業であり、さほど影響を受ける業態ではない。とは言え、我々は流通量×単価で売り上げが決まってくる。ビッグモーターが在庫を処分し、流通量が増えることになればプラスとなる。中古車業界は買う方の需要が減れば価格はどんどん下がり、下がってきたときにはまた需要が増えてくるという需給のバランスになっている。そういった意味でいうと一概にネガティブな状況ばかりではないと認識している。(SS)

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