TOP  NSJアップデート  IPO  IPO社長会見 クオリプス 早ければ27年3月期に黒字化へ
IPO2023年6月28日

IPO社長会見 クオリプス 早ければ27年3月期に黒字化へ

クオリプス(4894)が6月27日、グロースに新規上場した。同社はヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの開発・事業化、CDMO事業を行う。初値は公開価格を7%上回る1,680円。上場当日の記者会見で、草薙尊之代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

iPS細胞由来の心筋細胞シートはメリット大……大阪大学の心臓外科の教授だった澤芳樹先生の技術を商用化、事業化するため2017年3月に設立された。iPS心筋シートは心臓移植に至る前の重症心不全治療での利用を想定。このシートにより①心臓手術時間が短くなり患者負担が軽減②心臓移植待機者問題などの解消③症状悪化を防ぐことによる医療費削減――などの効果が期待される。自家ではなく他家のためタイムリーに常温で出荷・輸送でき場合によっては輸出もできる。

早ければ25年に承認取得……iPS心筋細胞シートのうち、虚血性心疾患向けは医師主導の治験を進めており、今年9月にも結果がまとまる。早ければ25年の承認取得を目指して努力している。拡張型心疾患向けは年内に阪大で医師主導の治験が始まる予定。既に自前の製造施設を持ち、がん化要因となる未分化細胞、非心筋細胞の除去技術を含め、商用化を見据えた製造体制を整備済み。海外展開に向け現地法人の設立準備も進めており、ゆくゆくは米国のパートナーを探したい。

iPS心筋シート以外の開発候補品も多数……より軽症の心不全患者を対象にカテーテルによる細胞治療を提供する新しい治療法を朝日インテック(7747・P)と共同開発している。来年後半には治験にもっていきたい。iPS心筋細胞シートとこのカテーテルができれば、かなりの心不全患者にソリューションを提供できる。このほか心臓以外への臓器適用に向け、体内再生因子誘導剤(YS)について大学や企業と研究開発を始めた。YSは生物が持つ自然治癒力の増強により組織・臓器の再生を誘導する低分子製剤のため期待感は大きい。また、主にバイオベンチャー向けに再生医療等製品の製造受託を行うなど、当社はiPS心筋細胞シートに限定されない成長ポテンシャルも持つ。阪大の心臓外科のエキスパートである澤先生のネットワークや知見が成長の大きなドライバーになっている。澤先生は世界的にも有名で海外展開においても大きな力を発揮しよう。

IRも強化……推定患者数は心筋シートは年5,000人、カテーテルは年2万人。黒字化は28年3月期を想定しているが、承認後の立ち上がりをできるだけ早めて、できれば27年3月期にしたい。研究開発を進めやるべきことをやると同時にIRを強化して個人投資家にわかりやすく説明し、徐々に時価総額を上げていきたい。

<記者の目>

早期承認制度が前提ながら上市が近いiPS関連株。公開価格での時価総額は117億円でかなり抑制された印象。承認取得の暁には時価総額300億円超えが有望。(Q)

関連記事