TOP  NSJアップデート  IPO  IPO社長会見 コーチ・エィ コーチングで組織開発を支援
IPO2023年1月27日

IPO社長会見 コーチ・エィ コーチングで組織開発を支援

コーチ・エィ(9339)が2022年12月22日、スタンダードに新規上場した。法人向けコーチング事業を展開する。個人の能力を高めるだけでなく、周囲とどう関わっていくかという関係性まで扱う「システミック・コーチング」による組織開発ビジネスが主力。初値は公開価格を35%上回る2,500円。上場当日の記者会見で鈴木義幸代表取締役社長執行役員=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

社員の8割がコーチ……当社は1997年に前身の有限会社を設立。以来、25年間にわたってコーチングで組織開発を支援するという仕事に取り組んでいる。2022年10月末時点で148人の社員がおり、このうち116人が正社員でコーチをしている。東京のほか海外にもニューヨーク、上海、香港、バンコクに拠点があり、事業を営んでいる。

対話を通じ可能性を最大化……コーチングとは対話を通して目標達成に向けた能力、リソース、可能性を最大化するプロセスだ。互いの共通性に焦点を当てて安心感を醸し出すことを主な目的とする会話とは異なり、対話は互いの違いにフォーカスする。対話をすることでそれぞれが培ってきた経験や価値観をもとに情報交換し、お互いの違いを顕在化させていきながら、物事に対する新たな洞察を一緒につくりだしていく。コーチとコーチングを受けるクライアントは、対話により物事の新たな意味付けを共創し、クライアントの主体化、行動変容を促していく。われわれは対話によって企業も組織も変わりうると信じて、この事業を行っている。

システミック・コーチングを提供……コーチングの会社は国内にほかにもある。その多くは個人のスキル、能力を高めようとしている。一方でわれわれは組織の中にどういう行動が生まれたらいいか、組織全体を変化させたいと常に思ってコーチングをしている。従来のコーチングはコーチとクライアントの二者の関係を通じて、クライアント個人の理想的な能力と現実とのギャップを示し行動変容を促すことで目標の達成を支援する。これに対して当社が提供するコーチングはシステミック・コーチングと呼んでいる。組織の中では様々な領域、階層で異なる意見や価値観を持ち寄り互いに影響し合うことで多彩なアイデアが生まれていく。特定の個人を強固なリーダーとすべく能力を開発しても、その能力が発揮できるか否かは周囲との関わり次第となる。当社ではリーダー開発と組織開発は不可分なもので同時に開発されていくことが自然であるととらえ、組織全体を変えるシステミック・コーチングを提供している。

主体化した社員が新風を……システミック・コーチングでは対話をすることを通して、組織の中の人たちを主体化することを支援する。具体的にはコーチングに部下や他部門との関係などのテーマを多く扱うことによって、組織全体に新たな対話を起こす。対話によって主体化した社員から新しいアイデアや部門間の協力が生まれ、組織全体のパフォーマンスが向上していく。これがわれわれの考える組織開発だ。

階層ごとのプログラム……システミック・コーチングのプログラムは大きく四つある。取締役などのトップマネジメント層に向けては、当社の経験豊富なエグゼクティブコーチとの1対1のコーチングを提供する。経営チームに向けては、より効果的な対話を起こすためのワークショップスタイルのプログラムを提供する。管理職などミドルマネジメント層に向けては、1対1のコーチングセッションと、複数の参加者によるオンラインクラス形式のコーチング学習がある。ほかに、全社員向けに、最大24人の参加者を無作為に2人から3人組に分け、すぐに実践できる3分間の様々なコーチングエクササイズを提供している。参加者同士がコミュニケーションを交わすことで、考え方や関係性の変化を生み出していく。この四つのプログラムを組み合わせることで、主体化した人を組織の中に増やしていく。

より高いブランド力を……上場の大きな目的はより高く強い社会的信頼を得ること。もちろん資金調達の面もあるが、より高いブランド力を付けたい。もっと多くのコーチを採用し、育成したいと考えている。上場にあたってスタンダード市場を選んだのは、グロース市場は年に2~3割と非常に大きな成長を希求する会社が属そうとする市場ではないかと考えたからだ。われわれは急に4~5割業績が上がる会社ではないが、毎年着実に10%でも15%でも成長を続けていくことによって投資家から信頼を得てリターンを返せる。そういう会社でありたいと思っていて市場としてはスタンダードが適していると判断した。

高まる人材開発への投資……われわれが持つデータによると、日本の企業が人材開発に投資している金額はだいたい5,000億円で、GDP比では0.1%ほど。米国ではGDP比2.1%くらいが企業の人材開発に使われている。1ドル=140円で換算すると14兆円くらいだ。このうちコーチングに投資されている金額は、あるリサーチでは1兆7,000億円程度と算定している。日本とは非常に大きな開きがある中で、人的資本への投資の開示が盛んに言われている。これが経営者にとって健全なプレッシャーとなり、「もっと人に投資を、組織開発に投資しよう」というムーブメントがこの先起こるのではないか。当社にとって追い風ではないかと思っている。(YY)

関連記事