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IPO2023年10月25日

IPO社長会見 ジャパンM&Aソリューション 中小企業向けは圧倒的強さ

ジャパンM&Aソリューション(9236)が10月24日、グロースに新規上場した。主に中小企業を対象としたM&Aアドバイザリーサービスを提供する。初値は公開価格を67.9%上回る2,250円。上場当日の記者会見で、三橋透代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

相談されたら断らない……私どもの特徴は中小企業の案件が多いことと、地域金融機関などからの紹介案件が多い点。経営方針は「相談されたら断らない」と「顧客主義」。規模が小さい、赤字だからといって断ることはなく、基本的に全ての案件を受けていく。業界では大きな案件を好む会社が多いが、私どもは1件でも多くM&Aをやっていく。顧客主義は特に売り主のお客様のために良いM&Aをしようということ。対象企業の従業員や取引先を考えて、できるだけ良い先を紹介する。譲渡後も10年、20年維持、発展できる良いM&Aをやることで、従業員、取引先、地域にとって良いM&Aを行う。

市場の拡大余地大きく……大企業のM&Aは成約手数料2,000万円以上など高額案件だが、証券会社、銀行、大手のM&A仲介会社で競争が激化している。一方、小さすぎる案件はマッチングサイトを利用するが、中小企業が望んでいるM&Aは難しい。私どもは大手がやらない、マッチングサイトでは事業承継できない中小企業のM&Aを手掛ける。後継者未定の企業は127万社で、日本の企業の3分の1に当たる。このうち黒字企業は60万社。このため、中小企業庁は今後10年間で毎年6万社の事業承継を目標としているが、現実は1万件もいっておらず、拡大余地は大きい。対象が多くても中小企業のM&Aをしっかりやっている会社は少ない。私どもは地域金融機関や税理士・会計士といった士業からの信頼を得ている上、多くの数を成約しているので買い手のデータもたまっており、中小企業には圧倒的に強い。金融機関との提携は簡単ではなく、参入障壁となる。

紹介案件でコスト、時間も節約……私どもは地域金融機関や士業からの紹介案件がほとんどになっている。安定的に案件の獲得ができる上、効率的に進められる。競合の多くは優秀な方をたくさん雇って、企業の経営者に電話やDM(ダイレクトメール)で案件を獲得しているため、コストや時間がかかる。私どもはそれをかけずに、効率的に推進できる。また、成約報酬のほかには、着手金はとらずに月額報酬をいただいている。これにより、安定した報酬を得られる。月額報酬を払うことで顧客も早く成約したいと、さらに効率的にM&Aを推進できる。

人材育成も優位……多くのM&A会社では分業体制をとっているが、私どもは基本的に2人1組の体制で、案件を取るところから成約まで同じチームがやっていく。これにより、顧客や紹介主の満足度が高くなり、人材教育にも寄与する。競合は経験者を多く採用しているが、私どもは未経験者も採用し、経験者と組み合わせることで半年から1年程度で戦力化している。上場後は人員を安定して増やし、提携金融機関数も加速したい。成約組数も順調に増やすとともに、金融機関からの紹介案件を意図的に増やしている。

首都圏から全国展開へ……中小企業のM&Aニーズは高いので、成長戦略としてまずは人材の採用、育成を行っていき、経営基盤を強化する。また、金融機関を中心にした提携先を増やし、エリアも首都圏から全国に展開していくことで拡大していく。さらに、M&A前にきちんと会社を整えることや、実行後に手伝いをするなど、付随するサービスもしっかり拡充していく。(HS)

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