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IPO2023年7月3日

IPO社長会見 ジーデップ・アドバンス AIで売り上げ拡大、ハイブリッドクラウドでストック収益基盤を強化

ジーデップ・アドバンス(5885)が6月30日、スタンダードに新規上場した。初値は公開価格4,510円に対し2.3倍の1万680円と大幅高でスタート。その後はストップ高の1万3,680円まで買い進まれた。研究者や開発者向けに最先端技術を用いたAIサーバーなどのハードウエアを独自のソリューションで提供するビジネスを展開している。飯野匡道代表取締役社長=写真=上場当日の会見で今後の成長戦略などについて語った。

シスステムインキュベーション事業……当社の事業の中心はAIのディープラーニングシステムなどを提供するAIソリューション、XR(クロスリアリティ)やメタバースを含めた視覚化・可視化の技術であるビジュアライズソリューションなどのDX(デジタルトランスフォーメーション)サービス、これらの保守、運用支援業務だ。シスステムインキュベーション事業と称している。業界のなかで当社は代理店ではなく、認定パートナーという立ち位置だ。例えばエヌビディアのような半導体メーカーの製品を国内に輸入したり流通を担当するのが代理店。認定パートナーは製品に対する技術的な知見をもってユーザーに最適な提案や運用支援をというのが役割だ。エヌビディアの製品は2007年に取り扱いを開始した。

高い競争優位性……エヌビディア、インテル、AMD(アドバンストマイクロデバイセズ)、ザイリンクスという世界的な大手4社から認められた高い技術力とグローバルベンダーとの連携から生まれる企画力、製品調達力が強みの源泉だ。4社からは12タイプの認定を受け、エヌビディアに関しては国内ナンバーワンパートナー(認定ライセンス数、AIサーバーDXG販売実績など)だ。多様なハードとソフトの組み合わせによって、いかに使える形でシステムを提供できるがポイントだ。最新テクノロジーの組み合わせに独自のギミックを加え、顧客の課題に応じたオリジナルモデルの設計・提供ができる。

成長戦略……独自のAI学習環境の提供、ビジネスメタバース市場への注力によりトップラインを拡大しつつ、ハイブリッドクラウドの促進などでストック収益向上を図る。国内のメタバース市場は26年に1兆円を超えるという予測がある。AIとメタバースは親和性が高く、同一ターゲットにアプローチが可能だ。また、オンプレミス(コンピューターシステムを利用者側で保有・運用すること)とクラウドのハイブリッド化により、ストック収益の拡大を狙う。「DXサービスの導入」→「運用支援」→「次回提案」という正のスパイラル創出で安定的な成長基盤を構築する。 KPIとしては売上高営業利益率を用い、最低のターゲットは10%とし、ここからどんどん伸ばしていきたい。(M)

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