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IPO2024年3月28日

IPO社長会見 L is B 現場にこだわったチャットツールでDX支援

L is B(145A)が3月26日、東証グロースに新規上場した。建設などの現場で使うビジネスチャット「diret」を提供して、DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援している。初値は公開価格を30.7%上回る1,553円。上場当日の会見で、横井太輔代表取締役社長CEO=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

ジャストシステムのDNA……社名は「LIFE IS BEAUTIFUL」(人生は美しい)が語源。東京の秋葉原が本社で、徳島、福岡、大阪の4拠点。徳島に拠点があるのは私を含めて創業メンバーがジャストシステム(4686・P)から独立したから。お客さまの声を聞きながらモノづくりをすることを非常に大事にするジャストシステムのモノづくりのDNAをもった会社と思っている。

導入企業は4,000社超……事業は「diret」というビジネスチャットを行っている。デスクワーカーがパソコンで行う競合製品と一線を画し、現場で立って働く人、モバイルを中心に展開。チャットをベースに各社の業務に合わせたいろいろなソリューションを自社開発している。優秀な開発陣を抱えており、現場に最適なものはどういう機能なのか、顧客とコミュニケーションをとりながら手掛けている。現在導入企業は4,000社を超え、中でも建設業が6割を超えている。ゼネコンの売上高ランキング上位20社中16社が採用している。ただ、全社で採用は6社だけで、一部しか採用していないところにしっかりと売っていくのが最優先事項。他方4割が建設業以外。JR西日本(9021・P)は全駅で導入。羽田空港の第2ターミナル、テレビ朝日系列の報道など幅広く、こういったところも攻めていきたい。

先行者利益が強み……現場にこだわりたいと思っており、現場の生産性を上げることが日本の活性化につながる。人手不足や高齢化など課題を私たちが解決していきたい。オフィスワーカーのDXソリューションはたくさんあるが、就労人口の半分は現場で働いている人。PCの時代は情報化されていなかったが、タブレット、スマホの登場で、どんどん取り込まれてきた。それに合わせたソリューションがなかったので参入した。その後、他社も参入してきたが、先行者利益がだいぶあり、多くの企業で採用されているのが強み。ゼネコンはある程度押さえており、今後サブコンなどに広げていく。物流など2024年問題が起きている企業も顧客におり、他業種にも広げたい。また、日本のゼネコンの海外展開に伴い、世界65カ国で利用できる。外国人作業員も使っている。海外に事業所を設けるかはこれから議論する。

社長自らラジオ番組のレギュラー……前々期はテレビCMなどマーケティングコストに注力して赤字になったが、前12月期に黒字転換。今後も黒字にこだわりたい。私たちはBtoBで現場がお客様。展示会やクチコミで広がっており、マス広告をただちに打たなくても伸びている。また、私は文化放送で毎週月曜日、「現場DX研究所」というラジオ番組を持っており、広告の代わりになっている。開発投資も、現場に当社の社員が行って顧客の声をしっかり聞き、作ったものが使われる環境が整っており、膨大なコストをかけずに新商品ができている。

他社との提携で成長加速……IIJ(3774・P)と資本業務提携しており、一緒に営業できたことが大手企業に導入してもらうきっかけとなった。JR西日本に提供している「direct」はIIJのプライベートクラウドで動いている。また、スパイダープラス(4192・G)とも業務提携している。スパイダープラスはアプリケーション、当社はコミュニケーションレイヤーなので共存共栄できる。ほかにも建設DXのソリューション企業はいろいろあり、全方位的にお付き合いしている。(HS)

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