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コラム2020年6月5日

【本日のマーケット】6月5日(金)

6月5日(金)のマーケット                                                                   

本日の東京市場で日経平均は続伸となり、今週は負けなしの5連騰。本日は週末要因と今晩発表となる米5月雇用統計を控え、様子見姿勢のスタートで一時は132円安とマイナス圏での推移。後場からNYダウ先物が時間外取引で上昇幅を広げると日経平均も上昇に転じて、大引けは167円高とほぼ高値引け。今週は5日間で985円の上昇。過熱感はあるものの、来週12日のメジャーSQまで買戻し需要から先高観も。バリュー株とグロース株の循環物色がうまく噛み合っていることから、銘柄選びを間違わなければ期待感も継続です。未だ評価されていない割負け実力株の修正局面となりそうです。

新興市場では、JASDAQ平均が反発。テラが年初来高値を更新です。ズームは「米国Zoom社とは一切無関係」と発表するも大幅続伸です。メイコーはベトナムで人工呼吸器の量産を材料視。チエル、東洋合成は下落。マザーズ指数も反発。サイバーセキュリティクラウドは5日連続の急騰。PSSはテレビ番組で取り上げられたことを材料視して上昇。一方、アンジェスやFRONTEO、オンコリスバイオファーマ、シャノンは下落です。

チャート上ではほぼ丸坊主の高値引け。今週、週足の一目均衡表の雲の上限を突破し、「雲抜け」を達成。相場の変化を強烈に印象付けるこうした動きは来週以降、TOPIXやJPX日経インデックス400でも確認されると、ますます上昇トレンドは明確になっていくと見ます。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週の変化は為替市場です。ドル高・円安という「リスク・オン」の状態に向かいつつあります。

円は週後半には対ドルで2か月ぶりに109円台まで下落しました。メキシコや南アフリカなどの新興国通貨はさらに上昇しています。

国際決済銀行は、新興国のドル建て債務はいまや3兆7800億ドルに達すると報告しています。目下のところ、新興国にとって通貨価値の下落は致命傷となりかねません。反対に新興国の通貨が上昇すれば、新興国政府や企業にとってドル建て債務の負担がぐっと軽くなります。

世界中がコロナ・ショックに対する景気対策として、政府債務を増大させている最中です。新興国通貨の上昇が投資家のセンチメント(投資意欲)をさらにリスクオンの方向に向かわせています。

これほどの市場ムードを変化は、ひとつには自動車販売が世界中で回復傾向を示していることによってもたらされています。

6月2日に中国汽車工業協会より発表された5月の中国の新車販売台数は213万6000台で、前年同月比+11.7%の増加となりました。前年の実績を上回るのは2か月連続です。しかも2けたの伸びは2年ぶりとのことです(2018年4月以来)。都市封鎖の影響もあって2月には▲80%も減少していましたが、それが急速に回復しています。

自動車以外にも今週は景況感の改善が随所に見られました。5月31日(日)に発表された中国の5月・製造業PMIは50.6、前月比▲0.2ptとなりました。低下となりましたが、分岐点とされる「50」の水準を3か月連続で上回っています。

5月の米国ISM・製造業景況感指数は43.1、前月+1.6ptでした。分岐点の「50」を3か月連続で下回っていますが、市場では予想以上の健闘だったと評価しています。集計対象の企業の多くが5月はまだ本格的な活動再開には至っておらず、6月以降の集計結果が待たれるところです。

いずれにしても世界は徐々に、コロナ・ショックによる「新常態」下での経済再開を少しずつ模索している様子がうかがえます。情報の伝播のスピードは格段に速まっているために、この趨勢は日本にもいずれ伝わってくることになるでしょう。景気敏感株の出番が近づいているように感じます。

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【今週の展望 日本株、高値警戒も勝機つづく】
日本証券新聞6月8日(月)紙面1面TOP記事掲載  

波乱待ちに波乱なし 花より団子 追撃“割り負け個別株”

高値警戒ムードが広がっている。5日の東京株式市場は朝方、一時132円安の2万2,563円まで下落したあと、後場に入ってプラスゾーンへ切り返し、大引けは167円高の2万2,863円。5日連続高となった。5月下旬以降の記録的な騰勢で、「実態から遊離した展開」とみる相場過熱論がマーケットに急拡大。戻り売りや利食い売りを急ぐ空気が上値抑制の一因になっているが、相場は強い。メジャーSQ(特別清算指数)を12日に控える今週(8~12日)は神経質な地合いになる可能性はあるものの、個別株中心に勝機は続くだろう。前週同様、機敏なスタンスで臨みたい。

「買われ過ぎ」「買い疲れ」「株価は伸びきった危うい水準」。こうした過熱警戒論がマーケットのあちこちで幅を利かせている。このまま突き進むと、相場は地雷を踏みかねない、というわけだ。

そうした見方が広がるのも無理はない。「緊急事態宣言」を政府が解除した5月25日からは上げに弾みがつき、6月4日には一時2万3,000円まで、あと93円に迫った。ザラバベースでは3月19日の安値からざっと6,500円上昇(上昇率は40%)。厳しいファンダメンタルズから見て「2万円超は持続不能」とする弱気派のストラテジストやマーケット・アナリストも、ついにギブアップするほどの猛烈な上げっぷりだ。ただ、それだけに足元の騰落レシオ、RSI(相対力指数)などポピュラーなオシレーター系指標は短期的な警戒ゾーン入りを示唆している。

では、このまま突き進むと、株価は危険地帯に入るのだろうか。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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6月5日(金)☆[概況/大引け] 

時間外取引でNYダウ先物が上昇したため連れ高。アメリカン航空の7月増便を受けて日航とANAに連想買い

大引けの日経平均は22,863.73円の167.99円高、TOPIXは1,612.48ポイントの8.66ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,154、値下がり銘柄数は943。出来高は13億9,217万株、売買代金は2兆4,542億円。
今晩の米国で発表される5月の雇用統計を控え、前場の日経平均は小幅安で推移した。だが、時間外取引でNYダウ先物が上昇したことを受けて、後場は値上がりに転じた。
今夜の雇用統計を通過すると次は雇用増加だという目線になると期待されている。

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