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コラム2020年6月19日

【本日のマーケット】6月19日(金)

6月19日(金)のマーケット                                                                   

本日の東京市場は反発。東京エレクトロンがアナリスト予想を上回る収益見通しを掲げたことを好感され買いが集まり7%超の急騰。日経平均の上昇寄与度も約60円となり、本日の上昇の約半分は東京エレクトロンが担う形に。前日引け後に発表された業績予想で、4月30日の決算発表時に未定としていた今3月期収益を13.5%増収、15.8%営業増益と発表。市場予想では11~12%程度と読まれていただけにポジティブサプライズとなった。また、今上期についても21.9%増収、23.9%営業増益と、より高い伸び率を想定していることから着地には上振れ期待も高まります。波及効果は5G関連にも及び、アンリツも買われる展開に。

新興市場は共に小幅続伸。JASDAQ平均は4日続伸。テラがストップ高。GFAは次世代型レーシングゲームアプリの共同開発着手でストップ高。日本マクドナルドホールディングスは高値引け。対してイマジニアとチエルは反落です。マザーズ指数も4日続伸で年初高値更新。オンコリスバイオファーマが新型コロナウイルス治療薬の開発を材料にストップ高。サイバーセキュリティクラウドは急反発です。ITbookは官民による水陸両用無人運転技術の開発プロジェクトで買われました。反してJMDCは野村の格下げもあり続落です。

チャート上では5日移動平均線がサポートとなった。下ヒゲを引き実体線がほとんどなく上値の重さも伺わせますが、下値を徐々に切り上げながら底堅く煮詰まった形状になって来ています。3ヵ月ぶりに25日移動平均線が200日移動平均線を上抜き、75日移動平均線も上向き方向になっていることから、来週は2万3000円台へのチャレンジとなりそうです。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。パウエル議長は先週のFOMC後の記者会見に続いて、今週も上下両院での議会証言を行いました。そこでコロナ危機による経済の落ち込みは4ー6月期に記録的なものに達する、との見通しがあらためて語られました。

その上で、経済活動が完全に修復するにはコロナウイルスを完全に封じ込めたことが確信されるまで、とも指摘されました。経済の停滞はかなりの長期にわたることになりそうです。

すでに米国は300兆円を上回る経済対策を実施しています。欧州は90兆円の財政支援策を準備しました。

日本も2度の補正予算を編成し、金額としては200兆円を越える超大型の景気対策となります。ただしそれらは金額の拡充を急ぐあまりに、1月に成立した1次補正予算を少し肉付けしたものにとどまるケースが目立っています。迫力不足であることは否めません。

世界的に急がれるワクチンと治療薬の開発も、たとえそれに成功したとしても、ここからの世界はコロナウイルスが消滅してしまうわけではなく、今後も長く新型ウイルスと共存すざるを得ない状況が続くはずです。そこでは消費活動ひとつをとっても、コロナ以前の状態に戻ってくる消費と戻らない消費が分かれることになるはずです。

株式市場ではその選別が早くも始まっています。アフターコロナのビジョンをいち早く描き切れたところに資金が集まります。それにはやはり身軽な新興企業が優位性を持っています。

アフターコロナ、ウイズコロナの秘策などはありません。消滅してしまったままの需要をどのように盛り立ててゆくのか、知恵の見せどころです。既存ビジネスのあらゆる領域において、デジタルで置き換えが可能な部分はデジタル技術で処理してゆく知恵が求められます。

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注目記事 Pick up
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【東京エレク、予想開示で上放れ鮮明】
日本証券新聞6月22日(月)紙面1面TOP記事掲載 

連想及ぶ次なる人気化候補は?

東京エレクトロン(8035・日足)

東京エレクトロン(8035)が一時7.4%高。8日の戻り高値を払って、2月21日以来の高値水準に買われた。売買代金もソフトバンクグループに次ぐ2位に浮上。一方、JPモルガン証券格上げ(アンダーウエート→オーバーウエート)で買われたアドバンテスト(6857)とともに半導体2銘柄で80円強の日経平均押し上げ要因となった。

東エレク人気の発端は18日引け後の業績予想発表。4月30日決算発表時に未定としていた今3月期収益を「13.5%増収、15.8%営業増益」とした。11~12%程度とされた市場の増益率予想を上回った。なお、上期については「21.9%増収、23.9%営業増益」と、より高い伸び率を示しているため、最終的な上乗せ余地にも期待が広がるところか。

テレワークの広がりや5G普及本格化などから半導体メモリー大手の設備投資拡充が見込まれ、同社を取り巻く事業環境は好転の一途。アナリストからは早速、「ポジティブな印象。弱気ムードを払拭」(SMBC日興証券)との声が上がり、野村証券は目標株価を2万7,814円から3万2,191円に引き上げてきた。2月最高値(2万5,875円)を大幅に上回る水準であり、18日終値からなら38.7%の上値余地を残す。

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今日の市況概況
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6月19日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均は反発し、東京エレクの今期見通しを好感。ただし、TOPIXはもみ合い。移動自粛全面解除で空運が高い

大引けの日経平均は22,478.79円の123.33円高、TOPIXは1,582.80ポイントの0.29ポイント安。東証1部の値上がり銘柄数は1,043、値下がり銘柄数は1,033。出来高は15億5,593万株、売買代金は2兆8,398億円。
東京エレクトロン(8035)が今期の営業利益見通しを前期比16%増益の2,750億円と掲げ、アナリスト予想平均の11%増益の2,623億円を上回ったため、日経平均の上昇にも貢献した。

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