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コラム2020年6月26日

【本日のマーケット】6月26日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

6月26日(金)のマーケット                                                                   

本日の東京市場は3日ぶりの反発。前日のNY市場の上昇を受けて買い先行のスタート。米国金融当局が金融機関の投資に規制を設けた「ボルカー・ルール」の一部緩和を承認したことから、米国では金融株が上昇。これを受けて銀行株と証券株が買われました。「5G」関連の主力株を中心に堅調展開で、富士通が2月高値を更新し19年ぶりの高値水準に。昨日、1月高値を更新したNECも続伸、東京エレクトロンは上場来高値更新と「勝ち組」は値を飛ばす展開に。また、IT分野への投資加速見込みから、NRIや大塚商会が上場来高値を更新です。ソフトバンクグループは自社株買い(5月発表分との合計では1兆円)を発表し一時3.8%高。この日の日経平均上昇寄与度は35円強となり、東京エレクトロンも30円強の上昇寄与。日経平均は一時300円超まで上げ幅を広げるも、大引けは252円高で2万2500円をクリアして今週の取引を終えました。

今週は2ヶ月半ぶりにIPOが再開。全て公開価格から上昇と順調なスタート。人気を集めたフィーチャは上場3日目で初値形成となり、公開価格の9倍超となるなど過熱感も伺えます。本日上場で、EC(電子商取引)のプラットフォーム事業を展開しているコマースOneも買い気配を切り上げ値付かずで、初値は来週に持ち越し。来週も2社、7月にもIPOが続きますので今後の動向も注目です。(※【動画】IPO情報局で配信中)

新興市場は共に続落。JASDAQでは、SAMURAIやANAPが買われ、ニッパンレンタルはストップ高。対して出前館は投資負担で営業赤字となり売られ、グッドライフは大幅反落。マザーズ指数も反落。AIinsideやアジャイルメディアが売られた。アンジェスは大商いで一時、年初来高値更新です。

チャート上では5日移動平均線(2万2458円)をサポートとして推移。25日移動平均線も右肩上がりで上昇傾向継続。ボリンジャーバンドの+1σを割り込んだのが6月12日(2週間前)でここから上抜け出来ずに、バンドは収束に向かっています。週足では、一目均衡表の抵抗帯(雲)の中。この位置を上抜けて来ると視界も変わって来ると思われます。そのためには次の材料待ちと言った展開。商いの増加と共に期待されるところです。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。3月末に底入れした世界の主要株式市場は、4月から5月にかけて一斉に大きな戻り歩調に入りました。日経平均は16,500円まで急落したのちに、わずか2か月半で23,000円を超えるまで値を戻しました。

下げのスピードは歴史的なものでしたが、その後のリバウンドのペースも華々しい上昇カーブを描きました。現在はその調整過程にあると見られます。

調整期に入った株式市場に対して、IMF(国際通貨基金)からは横やりが入っています。IMF独自の収益モデルでは日本と米国は相当な割高ゾーンに入っていることになります。日米にとどまらず、IMFによれば中国とユーロ圏も割高感が強いようです。

もっとも、これほどの過熱感が生じるまで株価が上昇したのは、元を正せば2月にIMFが「(コロナ危機によって)大恐慌以来の経済の落ち込みが避けられない」との見遠しを明らかにしたことが一因でもあるのです。

コロナウイルスがもたらす経済の落ち込みは、1930年代の大恐慌に匹敵するほど激しいものであるという予想がIMFによって打ち出され、それを避けるために先進各国は空前の財政政策と金融緩和をごく短期的に決定し、それが株価を押し上げました。現在の割高な株高はその結果でもあるのです。

コロナ危機によって社会のあらゆる領域が変革を迫られています。今週は株主総会が集中するタイミングで、例年であれば上場企業はこの時期から新たな事業戦略を打ち出し、あるいは戦略を組み直してくるはずです。

来週以降もそのような新しい動きが活発に表面化してくると見られます。個々の企業に目を凝らしてゆくことがさらに求められるようになりそうです。

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注目記事 Pick up
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“電電ファミリー”高値競演
日本証券新聞6月29日(月)紙面1面TOP記事掲載 

富士通、一気に上放れ 19年ぶりの高値水準

主力ハイテク株の相次ぐ上放れが注目を集めた。25日にNEC(6701)が1月14日高値を払い、26日は富士通(6702)も2月20日高値更新(一時6.3%高)。19年ぶりの高値圏。NECは26日も続伸歩調だ。

NECはNTT(9432)との資本業務提携、富士通はアナリスト推奨と直接の手掛かりは違えど、5G、テレワーク、DX(デジタルトランスフォーメーション)と、最近のキーワードがすべて追い風に作用する業態であることに変わりはない。先の高値から4~5カ月を経た新鮮さもポイント。5G関連の中核銘柄では、8日に昨春高値を上抜いたアンリツ(6754)が、目先調整を挟んでここ再び上値追いを鮮明にしてきている。

富士通(6702・日足)

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今日の市況概況
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6月26日(金)☆[概況/大引け] 

反発。ソフトバンクGや東京エレク、富士通が買われ、循環物色で倉庫や建設や不動産株も高い

大引けの日経平均は22,512.08円の252.29円高、TOPIXは1,577.37ポイントの15.52ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,614、値下がり銘柄数は496。出来高は11億3,795万株、売買代金は2兆386億円。
米国株反発を受けて、日経平均も反発した。そして、トランプ大統領が「経済はシャットダウンされないだろう」と述べたことで堅調度合いを増した場面もあった。

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