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コラム2020年7月10日

【本日のマーケット】7月10日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月10日(金)のマーケット                                                                   

本日の東京市場は反落。上海株が9日ぶりに反落したことや、都内の新規感染者数が243人となり最多を更新したと報じられため、後場の日経平均は下げ幅を拡大。また、ファーストリテイリングが通期業績予想の下方修正で売られたことで、日経平均を約75円下押し要因となりました。大引けは238円安の2万2290円。

新興市場はまちまちの展開。JASDAQ指数は小幅続落。アプライドやチエル、ナガオカが下落。対して、TOBを受けている大戸屋は大幅続伸。東洋合成、テクノホライゾン、ドーンが上昇。本日IPOのSpeeは公開価格2880円に対して78%高の5150円で初値形成。マザーズ指数は小幅反発。アンジェス、メルカリが買われ、ロコガイド、BASEも上昇。新日本製薬は新規にレーティング「A」の格付けで注目されました。一方、居酒屋の海帆は上場廃止の猶予期間入りでストップ安。また、ユーザーベースは海外増資発表で大幅安。

チャート上では本日の下落で坊主の陰線を引いており、5日移動平均線(2万2517円)、25日移動平均線(2万2542円)を割り込んでおり、日足一目均衡表の基準線も下回っている。週足のチャートでは13週移動平均線と26週移動平均線のGC(ゴールデンクロス)が示現。これは昨年10月以来のことですが、これが「ダマシ」にならないことを願いたいところです。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。梅雨の終盤の雨は強く降るものとされていますが、今年の雨は度を越えています。ニュースの映像が伝える九州地方の様子には言葉を失います。被害に遭遇された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

天候と感染症との板挟みという厳しい状況が続く中で、今週も各省庁からマクロ経済統計が盛んに発表されました。予想されたとおりに消費活動はかなりの落ち込みとなりましたが、そこには変化の兆しも見てとれるようになりつつあります。

まずは家計調査です。7月7日に総務省から発表された5月の家計調査では、家計の支出が前年比▲16.2%の減少となりました。落ち込み幅としては過去最大です。

日銀が四半期ごとに行っている「生活意識に関するアンケート調査」の6月分でも、景況感判断指数(「良くなった」―「悪くなった」を指数化)が▲71.2というびっくりするほどの低水準となりました。下落幅は過去最大。リーマン危機から1年後の2009年9月以来の低水準にあります。

個人消費のマインドは歴史的にもボトム圏にあると言えそうです。このような歴史的低水準にある統計値は、逆にこれ以上悪化することもなさそうで、今の状況はそうそう長くは続かないとと見ることもできます。

日経平均をはじめNYダウ、S&P500、FTSE100、DAX、CAC40など、主要国の株価指数は1か月以上にわたって狭いレンジ相場を続けていますが、ここに動き出てくる可能性も十分にあります。

上値はコロナウイルスで抑えられ、下値は財政・金融政策で支えられ、それほどまでにギリギリのところでせめぎ合いを続けるマーケットにも、そろそろ決着の時が近づいていると見られます。

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注目記事 Pick up
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「上海指数」高連動銘柄に高値相次ぐ
日本証券新聞7月13日(月)紙面1面TOP記事掲載 

SBG、アドテスト、安川電のその次は…

ニューヨークダウ361ドル安に“敬意”を表した10日の日経平均238円安。ただし、ファーストリテの下落寄与分(74円)も考慮すれば、底堅さが浮かび上がる。

個別では、ソフトバンクグループ(SBG、9984)アドバンテスト(6857)レーザーテック(6920)が連日で高値を追う動きが見られた。あと、年初来ではないが、3日連続で1月以来の戻り高値更新に弾んでいるのが、引け後に3~5月期決算発表を控えた安川電機(6506)。そして、この4銘柄には共通項がある。「中国株との連動性の高さ」だ。

大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト(写真)は10日付レポートで、「中国株高は国策に」として「上海総合指数に対するベータ値の高い日本株」30銘柄をピックアップしている。大統領選も絡んだ米中摩擦激化から、「ADR(米国預託証券)発行企業が米国株式市場から締め出されかねない情勢」にあり、「中国市場への退避的な上場が喫緊の課題」「それを消化するためには、中国株式市場が活況でないとならない」との発想だ。実際、上海指数はチャートの通り、9日までの8連騰で計16.5%高。さすがに反落した10日も1%程度の下げにとどまる。

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今日の市況概況
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7月10日(金)☆[概況/大引け] 

上海株が9日ぶりの反落と都内の新規感染者数が過去最多の243人と報じられ、後場は下げ幅を拡大

大引けの日経平均は22,290.81円の238.48円安、TOPIXは1,535.20ポイントの22.04ポイント安。東証1部の値上がり銘柄数は193、値下がり銘柄数は1,935。出来高は13億3,791万株、売買代金は2兆4,589億円。
上海株が9日ぶりに反落したことや、都内の新規感染者数が243人で最多を更新したと報じられため、後場の日経平均は下げ幅を拡大した。

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