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コラム2020年7月17日

【本日のマーケット】7月17日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月17日(金)のマーケット                                                                   

前日のNY市場では、中国株の下落に加え、米国の週間の新規失業保険申請件数が130万件と前週の131万件からあまり改善せず、市場予想の125万件を上回ったことがネガティブ視されました。NYダウは5日ぶりに反落、ナスダック指数は3日ぶりに反落。本日の東京市場は小幅反発でのスタートとなりましたが、週末要因から積極的に上値を買って行く雰囲気にはならず、また、都内の新規感染者数が連日高水準となっていることも嫌気されました。しかしながら下値は底堅く、大引けは73円安の2万2696円。

新興市場も共に軟調。JASDAQ指数は小幅続落。不二精機が反落。直近新規公開のSpeeeは大幅安。対して、テラは買われ、大日光エンジは中国で車載向けの事業拡大を目指し合弁会社を設立することを材料にストップ高。マザーズ指数も小幅に反落。Aimingが新作ゲームの初動に失望され急落。リボミックも売られました。一方、BASEが大和証券の新規レーティングを好感して上昇です。

チャート上では本日の下落でわずかに5日移動平均線(2万2756円)を下回りました。ボリンジャーバンドの+1σ(2万2723円)もわずかに下回る水準。今週は、15日の大幅上昇で2万3000円に急接近し、6月初旬以降膠着状態となっていた三角保ち合いを上放れの兆候も見られました。6月9日のザラバ高値2万3185円と、6月15日のザラ場安値2万1529円を起点とする上下の短期トレンドラインを明確に突破し、ボリンジャーバンドの+2σ(2万2956円)突破も目前となりましたが週末は一服となりました。

先週、週足では昨年10月以来の13週移動平均線と26週移動平均線のGC(ゴールデンクロス)が示現しましたが、今週は一目均衡表の抵抗帯の上限近辺に位置しています。「雲抜け」は来週に期待です。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週も世界の町々で新型コロナウイルスによる感染者の話題でもちきりでした。ウイルスの勢いは衰えるどころかますます強まっているように見えます。

テレビをつけても経済誌を読んでも、あらゆるメディアの特集がコロナ禍の話題で埋め尽くされています。それ以外のニュースはまるで存在しないかのように、あっても紙面の片隅に小さく掲載されているだけとなってしまいました。

それでも今週はそのような片隅の記事の中に、キラリと光る重要なものが多かったように思います。それらのニュースはいずれ、世の中の大きなトレンドに成長して、世論を引っ張っていくのではないかと思います。

アマゾン・ドットコムは自動運転のスタートアップ企業「ズークス」を買収しました。買収額ははっきりとはしていませんが、FT誌によれば12億ドル(1300億円)を超えるのだそうです。

ズークスはスタンフォード大学の卒業生らが設立した、人工知能に関するベンチャー企業です。自動運転技術への応用を狙って、トヨタ自動車とタイアップして、自社で開発した自走システムを中心に公道走行実験を続けてきました。

アマゾンは明確にはしておりませんが、将来はズークスの自動運転ノウハウを活かした物流網を築いてゆくようです。2030年ごろをめどに自社の配送センターと企業の生産拠点、さらに消費者の自宅をピンポイントで結ぶと見られています。自動運転はまずB2Bの分野から広がってゆくことになります。

そこには膨大な潜在市場があるとにらんでのことです。コロナウイルスの感染拡大は脅威に違いありませんが、それと並行して産業界では次なる成長市場が着実に広がりつつあるようです。

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注目記事 Pick up
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「外国人5週ぶり買い越し」の先を読む マクロ系ファンド、買い戻しでポジション中立に
日本証券新聞7月20日(月)紙面1面TOP記事掲載 

8月は10年連続売り越し中 “ロビンフッターズ”も要マークに

内外での新型コロナウイルス感染者増加が警戒されながらも底堅さをキープする東京市場。需給面で見る限り、これまで日銀のETF(上場投信)買い入れに“おんぶに抱っこ”状態だったわけだが、16日発表の7月第2週(6~10日)投資主体別需給で、外国人は5週ぶり買い越しに転じた。1月から続いてきた売り越し基調は止まるのか。その行方を探った。

6月以降の外国人の週次売買動向は表①の通り。先物との合算でも同じく5週ぶりの買い越しだ。ここはやはり海外ヘッジファンドなどの動きに詳しい野村証券の高田将成クロスアセット・ストラテジスト(写真)に聞いてみたいところ。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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7月17日(金)☆[概況/大引け] 

休日を買い持ちしにくく小幅続落。空運株と鉄鋼株と不動産株が反落し、日本電産と日立は高い

大引けの日経平均は22,696.42円の73.94円安、TOPIXは1,573.85ポイントの5.21ポイント安。東証1部の値上がり銘柄数は827、値下がり銘柄数は1,272。出来高は9億9,971万株、売買代金は1兆8,023億円。
日経平均は朝方反発したものの、高水準な新型コロナ感染者数が続いているため土日の間を買い持ちしにくい様子で、小幅続落となった。

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