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コラム2022年9月30日

【本日のマーケット】9月30日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

9月30日(金)のマーケット                                                                   

9月29日の米国株式市場は反落。イングランド銀行の国債買い入れ発表で低下した英国債利回りも効果が続かず、29日は上昇したため、ロンドン株は大幅反落となり、FTSE100指数は年初来安値を更新。英国株式市場では金融株と不動産株が売られた。米国債利回りも上昇し、米国株式市場ではハイテク株中心に売られた。米国では週間の新規失業保険申請件数が前週比1万6千件減の19万3千件で、市場予想の21万5千件を下回ったため、賃金上昇によるインフレが続き、FRBの金融引き締めも続くという見方が取られたことも影響した。ナイキは第1四半期(6~8月)決算が20%減益となり売られた。北米市場で過剰在庫に向けた大幅値引きやコスト増が影響。NYダウは458ドル(1.54%)安の29,225ドル。ナスダックではアップルが続落となり、テスラやAMD、エムビディアが売られ、バイオジェンも利食い売りが出て反落した。NASDAQ総合指数は前日比314ポイント(2.84%)安の10,737。S&P500指数は前日比78ポイント(2.11%)安の3,640。

英中銀の国債介入効果が1日で剥落したため英米株が売られ、日経平均は2万6000円割れ。プライム市場では、米中古車販売のカーマックスが大幅減益で急落した影響を受け、マツダやSUBARU、三菱自動車の下げが目立った。米ハイテク株安を受け、電機株も安い。M&AキャピタルはBofA証券による新規「アンダーパフォーム」で下落。一方、海外情勢が混乱しているため、消去法的に内需株が買われ、不動産株は小幅高となった。DCMは株式還元強化で急騰した。

スタンダード市場では、フェローテックやAbalance、トミタ電機、クルーズが売られ、三ッ星はストップ安。ネオマーケティングは最終赤字予想に下方修正し急落した。一方、新生銀行は買われ、共同PRは株式分割を好感。アルメディオはカーボンナノファイバー量産工場で高い。

グロース市場では、ANYCOLORとミンカブが反落し、アミタが続落。マクアケが安値更新。一方、HOUSEIは中国越境EC貨物発送向けSaaSのサービス開始で急騰した。ラバブルマーケティングは新拠点開設で2日連続をストップ高。メンタルヘルスが大幅高となった。

日足チャート上では、長い下ヒゲを伴う陰線。下値を切り下げて下値模索の展開。昨日の反発も1日で帳消しとなってしまい、7月1日以来、3ヵ月ぶりに終値での2万6000円割れ。週足では大陰線を引き、一目均衡表の雲の下限を下抜けた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週は欧州市場に厳しい状況が続きました。

イギリスではイングランド銀行の利上げ決定に対して、発足直後のトラス政権が決定した法人増税の凍結を含む財政支出の拡大、それが市場では明確に否定的に受け止められました。直後からポンド安と債券安、そして株価の下落が大きく進行し、トリプル安が世界中にショックを広げました。

ロシアからのパイプライン「ノルドストリーム」は原因不明の大規模なガス漏れが見つかり、故意に破壊された可能性もあります。ただでさえガス供給が不足している現状で、この冬の欧州エネルギー危機が現実のものになりかねない情勢です。

OECD(経済協力開発機構)は今週初めに今年と来年の経済見通しを発表しました。それによれば来年の世界全体の成長率は、6月時点の2.8%から2.2%に▲0.6ポイントも下方修正されます。

米国は1.2%から0.5%へ、ユーロ圏全体も1.6%から0.3%に大幅に引き下げられましたが、最も厳しいのはドイツです。それまでの1.7%成長から▲0.7%と2.4ポイントも下がりマイナス成長となる見通しです。

目の前に迫っているインフレの影響はやはり大きいものがあり、ここから始まる企業業績の行方が気になるところです。マーケットは下値模索の時間帯に入っており、個々の銘柄ごとの選別色が一段と強まってゆく状況です。決算発表を待って力強さの維持できる企業を確かめる時期に来ています。

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注目記事 Pick up
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【市場再編から半年 “暫定プライム”銘柄は!?
日本証券新聞10月3日(月)紙面1面TOP記事掲載 

最低33社が基準クリア 次は「PBR1倍割れ」も議論か

JPX(8697・P)傘下の東証が4月に実施した市場再編から半年が経過する。9月29日開催のJPX定例記者会見で清田瞭CEO(写真)は、市場再編について「持続的に企業価値向上に取り組んでいただくことを期待。(新市場区分の上場維持基準の適合に向けた)適合計画書を開示した企業からご自身の試算により未達項目の達成を発表したところも出ている」と述べた。

具体的には、適合計画を開示した549社中、7月1日時点で既に57社が自社の試算ベースで適合した旨を公表。市場別では、プライムが適合計画開示295社中33社(11.1%)、スタンダードは209社中18社(8.6%)、グロースでは45社中6社(13.3%)となる。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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9月30日(金)☆[概況/大引け] 

英中銀の国債介入効果が1日で剥落、日経平均は2万6,000円割れ。米カーマックスの急落で自動車株の下げが目立った

大引けの日経平均は484円安の2万5,937円、TOPIXは32ポイント安の1,835ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は248、下落銘柄数は1,551。出来高は15億2,029万株、売買代金は3兆8,586億円。
イングランド銀行の英国債への介入効果が1日で剥落したため英米株が売られ、日経平均は2万6,000円割れとなった。

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