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コラム2021年3月26日

【本日のマーケット】3月26日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

3月26日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場は主要3指数全て上昇。パウエルFRB議長の「目標に向かってさらに大きく前進すれば、徐々に米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の購入額を縮小していくだろう」との発言を受け、一時NYダウは348ドル安まで下落。しかし、バイデン大統領のワクチン接種目標倍増を好感し、経済正常化への期待から切り返し。NYダウは前日比199ドル高(0.62%高)の32,619ドル。ナスダック総合指数は前日比15ポイント高(0.12%高)の12,977ポイント。

本日の東京市場は、米国市場の上昇を受けて大きくギャップアップでのスタート。510円高の2万9240円まで買われる場面も見られた。来週の月曜日、29日が権利付き最終日となっており、機関投資家による配当再投資の先物買いが見込まれることから、終日しっかりとした展開となった。配当額が高まるとその規模も拡大し、今年は日経平均先物に1,000億円強、TOPIX先物に6,500億円程度の買いが試算されている。大引けの日経平均は446円高の2万9,176円。売買代金は2兆8093億円。TOPIXは28ポイント高の1,984ポイント。

新興市場は共に上昇。JASDAQは小幅続伸。SpeeeはSBI証券が新規に「買い」と発表したことで急騰。オプトエレクトロニクスはハンディスキャナが米国で新型コロナ検査装置の付属機器に採用されたことで第1四半期が黒字回復となり、ストップ高。対して、五洋インテックスやリリカラは下落。マザーズ指数は6日ぶりに反発。フリーは公募売り出し価格が決定したことでアク抜け感から急反発。調整が続いていたBASEも反発。

チャート上では、75日移動平均線(2万8452円)をサポートにリバウンドでギャップアップとなり、5日移動平均(2万8896円)の上方に浮上。一目均衡表の雲の下限でなんとか下げ止まった形。Wトップのネックラインの下抜けは取り敢えずは回避となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。お花見シーズン真っ盛りの今週、マーケットでは注目すべき動きがありました。家電大手の船井電機(6839)が秀和システムによるTOBを受け入れ、完全子会社化、非上場化による事業再構築を目指すと発表した一件です。

創業から70年、事業会社の立ち上げから60年、家電メーカーの一角として船井電機は現在でも米国では確固たる地位を築いています。しかし近年はアジア勢との競争が激しく、業績の上で苦戦を強いられていました。

売上げじり貧からの脱却を目指し、株式市場からいったん退出する方向を選択しました。コロナ禍による事業の縮小が船井電機の決断を促した点は否定できません。

船井電機ばかりではありません。このまま進むのか、それともここで見切りをつけるのか。企業家にとって現在の状況は大きな分岐点に差しかかっています。3月決算期が近づくことで、同じような決断を下す事例が相次ぐ可能性があります。

退くばかりでなく、M&Aなどを駆使して事業拡張に打って出る企業もあるはずです。ここからが正念場です。日経平均が3万円の大台を定着するのはその先に訪れるように思えてなりません。今後の展開を畏怖するとともに、希望も見い出せる光景が広がりつつあるように見えます。

※【動画】NSJヘッドラインに特別ゲスト出演。2021年の展望を伺いました。是非ご覧ください!

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注目記事 Pick up
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【今週の展望 年度末挟む“特殊需給週”の対処法は!?】
日本証券新聞3月29日(月)紙面1面TOP記事掲載 

配当再投資、権利落ち、月末リバランス…

26日の日経平均は一時510.86円高となった。バイデン大統領が25日にコロナのワクチン接種目標倍増を表明。朝方348.65ドル安まで売られていたニューヨークダウが終値で199.42ドル高に引き戻した流れを引き継いだ。とはいえ、ついこの間まで欧州変異ウイルス懸念で売られていて、一転「経済正常化期待」ではいささか節操がない。要は日米ともに、押し目買い機運と高値警戒感のせめぎ合いが続いているということ。特に東京市場では、これに期末事情が加わる。

年度末も押し詰まったが、29日から始まる3月第5週は“極めて興味深い日並び”となる。週明けいきなり「権利付き最終日」を迎え、翌30日が「配当落ち(権利落ち)日」。さらに「月末」「月初」と続くためだ。これが何を意味するのか…。まずは表①から。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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3月26日(金)☆[概況/大引け] 

米大統領のワクチン接種目標倍増を好感し、全面高。海運や電鉄が高い。新疆ウイグル自治区問題で良品計画は下落

大引けの日経平均は29,176.70円の446.82円高、TOPIXは1,984.16ポイントの28.61ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,781、値下がり銘柄数は350。出来高は12億8,270万株、売買代金は2兆8,093億円。
バイデン大統領が新型コロナウイルスワクチンの接種目標について、就任100日後となる4月末までに1億回を達成したため、2億回に倍増させたことが好感された。

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