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コラム2021年4月9日

【本日のマーケット】4月9日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

4月9日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で主要3指数は上昇。NYダウは続伸となり、S&P500は連日の最高値更新。パウエルFRB議長が国際通貨基金(IMF)のセミナーで、「価格への上昇圧力が物価上昇という形で消費者に転嫁される可能性はあるが、一時的となるだろう」、「インフレ率、とりわけインフレ期待が予想に反し、不快とされる水準に持続的かつ大幅に上昇するようであれば、FRBは対応する」と述べたことが好感された。 NYダウは前日比57ドル高(0.17%高)の33,503ドル。ナスダックは3日ぶりに反発。アップルやマイクロソフト、テスラが高い。ナスダック総合指数は前日比140ポイント高(1.03%高)の13,829ポイント。S&P500指数は前日比17ポイント高(0.42%高)の4,097。

本日の東京市場は米国市場の上昇を受け、大きく反発でのスタート。本日のオプションSQ値は市場推計で2万9,909円。寄り後には一時、355円高の3万64円まで上昇を見せたが、週末要因もあり3万円超えの水準では上値を抑えられた。ファーストリテイリングは高寄りしたが、業績上方修正した通期の営業利益予想がアナリストコンセンサスには届かなかったため下落に転じ、日経平均のマイナス寄与は111円分となった。大引けの日経平均は59円高の2万9768円。売買代金は2兆7555億円。TOPIXは7ポイント高の1959ポイント。

新興市場も共に上昇。JASDAQは反発。サン電子はイスラエル子会社がNASDAQ上場目的に合併すると発表し買われた。ウエストHDは反発。対して、テクノホライゾンや東洋合成は下落。マザーズ指数の反発が目立った。BASEが急反発。AIinsideは東海東京調査センターが新規に強気判断で買われた。Chatworkはクレディ・スイスが新規に強気判断で上昇。一方でオキサイドやKudanは下落。

日足チャート上では、3万円の大台に乗せるも、上値は抑えられ僅かに5日移動平均線(2万9798円)を割り込んだ。上昇を見せる25日移動平均線(2万9442円)がサポートとなっている。週足では、3万円の大台を回復したものの維持できず、陰線を引く形。13週移動平均線上でのトレンドは継続。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。経済の情勢が一段と拡大しています。米国ではISM景況感指数で、製造業が37年ぶりの高い水準に上昇しました。

非製造業は1997年の調査開始以来、最高値に達しています。ワクチンの普及とともにバイデン政権が策定した1.9兆ドルの経済対策、および2.4兆ドルの追加のインフラ投資が明らかに好影響をもたらしています。

3月の雇用統計でも非農業部門雇用者数は+91.6万人の増加を記録しました。FRBのパウエル議長は3月末のFOMCで「2023年までゼロ金利を続ける」と明言しました。

それを受けてJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは今週、「現在の米国経済のブームは2023年まで続く」との非常に楽観的な見通しを述べています。

スマホとSNSの浸透でグローバル経済はますます同一方向に、シンクロして動くようになっています。株価が空前の高みに達している分、まさに「羽音におびえる」ような相場展開となっています。

しかし金利上昇に対して、最初は警戒したマーケットは徐々に耐性をつけてきました。確固たる要素がほとんどないような現在の世界であっても、業界の再編と企業のデジタルトランスフォーメーションの大きな流れは後戻りすることはないと見られます。

徐々に成長株に投資家の資金も戻りつつあるようです。マーケットの流れを追いかけながら、小さな変化を逃さないように気をつけていきたいと思います。

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注目記事 Pick up
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【今週の展望 米国インフラ投資「第2弾」を注視】
日本証券新聞4月12日(月)紙面1面TOP記事掲載 

ラマダン入りは懸念材料にあらず

日経平均(週足)

注目を集めた8日のファーストリテイリング(9983)上期(9~2月)決算。今8月期見通しを増額したとはいえ、市場予想には届かず、急反落となった。それでもアナリストからは「第一印象・ポジティブ、体質強化が継続」(野村)、「今決算でも経営の質の高さを実感」(SMBC日興)の声が上がり、朝方1.8%高となる場面もあった。もっとも、「会社四季報」ベースの昨年8月末の特定株比率81.6%で、大和証券推定の3月末日銀実質保有比率20.7%という“品薄株”だけに、株価形成には実態面よりも需給面がより反映されていると言えそうだ。そのファーストリテが約111円分のマイナス寄与となるなかでも日経平均は反発。3万円手前の水準を固める展開となっている。

全般相場は年度替わり恒例の国内機関投資家売りも一巡し、こちらも恒例の「4月の外国人買い」に期待をかけたい時期にある。4月12~16日の日付別日経平均騰落は戦後の合計で148勝125敗(勝率54.2%)と悪くない。週明け12日ごろからイスラム圏のラマダン(断食月)入り。かつては野村証券試算の「2000~17年のラマダン期間中のTOPIXは平均約3%安」などを気にする向きもあったが、オイルマネーが主役を務めた時代も既に遠く、近年はあまり話題になっていないようだ。

むしろ焦点は、3月31日の第1弾に続いて、「4月半ば」とされる米国インフラ投資計画第2弾の公表接近か。

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今日の市況概況
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4月9日(金)☆[概況/大引け] 

週末の手控えで伸び悩み。半導体関連の一角と日立、NTTが買われ、海運も高い。ファーストリテは高寄り後、下落

大引けの日経平均は29,768.06円の59.08円高、TOPIXは1,959.47ポイントの7.61ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,293、値下がり銘柄数は792。出来高は11億2,338万株、売買代金は2兆7,555億円。
米国株高を好感し、日経平均は反発したが、週末の手控えで伸び悩んだ。

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