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コラム2021年4月16日

【本日のマーケット】4月16日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

4月16日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で主要3指数は揃って上昇。NYダウは続伸となり初の3万4,000ドル乗せ。経済指標の改善に加えて、海外投資家が米国債を買い続けているという観測から長期金利が低下したため、ハイテク株が買われたことも寄与した。NYダウは前日比305ドル高(0.90%高)の34,035ドル。ナスダックは反発。半導体のエヌビディアはレイモンド・ジェームズが投資判断を引き上げ、AMDは新規に「Outperform」と発表したことで上昇。一方、暗号資産交換業者のコインベースは下落。ナスダック総合指数は前日比180ポイント高(1.31%高)の14,038ポイント。S&P500指数は前日比45ポイント高(1.11%高)の4,170と、連日で最高値を更新。

本日の東京市場は米国市場の株高を受けたものの小幅な上げでのスタート。NYダウは初の3万4,000ドル乗せとなったが、日経平均の反応は鈍く、来週以降に決算発表シーズンを控えていることから動きにくい様子。中国の1~3月期GDPの大幅回復の影響も限定的となった。週末に日米首脳会談を控えていることで、積極的にポジションを取る向きも限られた。注目の日米首脳会談では、菅首相がワクチンをお土産に持ち帰ってくるのか、期待が集まるところ。ファイザー社の最高経営責任者との電話会談も調整されており、出遅れと言われているワクチン接種の普及に向けて大きく前進となると、「日本株買い」にも弾みがつきそうです。昨年11月からの上昇相場の時と同じように、イベント通過で大きく流れが変わるのか、ターニングポイントとなりそうな週末。大引けの日経平均は40円高の2万9683円。売買代金は2兆555億円。TOPIXは1ポイント高の1960ポイント。

新興市場も共に上昇。JASDAQは4日続伸。原発処理水関連のイメージワンは4日続伸。送電線建設工事のETSが急騰。NITTOKUはクレディ・スイスが「真の電動化恩恵銘柄」とし物色された。対して、クエストは反落。マザーズ指数は反発。BASEが3日続伸。AmidAは業績上方修正と初配当、株式分割を発表しストップ高。エルテスは地方公共団体の「スーパーシティ構想」で主要事業者に選定されたことを材料視された。一方でPアンチエイジは下落。

日足チャート上では、上値は抑えられ5日移動平均線を挟んでのレンジの狭い値動き。25日移動平均線がサポートとなっており、底堅いものの上値が重い展開が続いている。上下幅が狭くなっており、三角保ち合いを形成。上下どちらかに放れることになるが、日米首脳会談がターニングポイントとなるか?

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。4月の新年度相場が始まって2週間、株式市場は次第にこう着感を強めています。2月に日経平均が3万円の大台に乗せた熱気はひとまず姿を引っ込めています。

今週で2月/8月決算の小売企業の決算発表が出そろいました。どの企業にも共通して見られることですが、宣伝広告費や交通費、接待交際費など、「3K」と言われるコストカットを徹底して省く減量経営が徹底されています。

リモートワークを使えるところは使って出張費を抑えており、アパレル各社は長年の課題である在庫の圧縮を急いでいます。どの業界もそうですが、売れ筋商品の予測はむずかしく、とりわけアパレル業界は毎シーズンの商品の発注量が課題となっています。それがデジタル技術の助けも借りて、少しずつ是正されている様子がうかがえます。

経済全体でも消費は回復しておらず、業界全体ではまだ本物のリカバリーにはほど遠い状況ですが、今回発表された決算内容を見る限り、どの企業からも「新しい日常生活」に適応しようという姿勢は切実に感じられます。

それが大きなうねりに束ねられた時に、株式市場は次の上昇波動に突入することになるのではないでしょうか。日本企業には確実に変化が訪れています。続いて予定されている3月決算企業の決算発表では、そのことがさらに実感されることになるのではないかと感じられます。

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注目記事 Pick up
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【東芝に続いて「複数の買い手候補が関心」!?】
日本証券新聞4月19日(月)紙面1面TOP記事掲載 

スク・エニ、買収思惑で15%高

スクウェア・エニックスHD(9684・週足)

様子見気分漂う週末16日の市場で関心を集めたのがスクウェア・エニックスHD(9684)。一時15.2%高に買われ、2月高値7,260円に再び接近してきた。

手掛かりとなったのが16日早朝に配信された米通信社ブルームバーグ報道で、「複数の買い手候補が関心」というもの。実際に複数の買い手候補が名乗りを上げた東芝(6502)急騰劇から間のないタイミングだけに、否応なく連想が働いた格好だ(その東芝は「経営陣が買収提案に反対する方向で調整」との読売新聞報道から16日は一時6.5%安の反落、関連記事)。

東芝の59.9%ほどではないが、スク・エニの外国人保有比率も44.2%と高い。一方で、筆頭株主の創業者・福嶋康博氏と福嶋企画の合計でも24.7%にとどまる。

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今日の市況概況
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4月16日(金)☆[概況/大引け] 

日米首脳会談を控え、小動き。スクエニは複数の買い手候補が関心と報じられ急騰。東芝は買収提案に反対方向と報じられ下落

大引けの日経平均は29,683.37円の40.68円高、TOPIXは1,960.87ポイントの1.74ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,021、値下がり銘柄数は1,051。出来高は9億915万株、売買代金は2兆555億円。
日米首脳会談を控え、日経平均は小動き。

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