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コラム2021年4月30日

【本日のマーケット】4月30日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

4月30日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で主要3指数は揃って上昇。1~3月期の実質GDPは前期比年率6.4%増となり、市場予想の6.1%増を上回った。個人消費が10.7%増となり、前四半期の2.3%増から大幅に伸びた。景気回復期待と国債増発観測から長期金利が上昇したため、JPモルガン・チェースなどの金融株が買われ、消費拡大を受けてビザやウォルマートも物色された。NYダウは前日比239ドル高(0.71%高)の34,060ドル。ナスダックも反発。フェイスブックは第1四半期の決算がアナリスト予想を上回り買われた。ナスダック総合指数は前日比31ポイント高(0.22%高)の14,082ポイント。S&P500指数は前日比28ポイント高(0.68%高)の4,211。

本日の東京市場は、ゴールデンウィーク期間中のリスク回避姿勢から反落のスタート。昨日のNY市場は上昇となったが、東京市場は対照的に手控えムードの中、弱含みでの推移。大型連休を控え、じり安の展開となり本日の安値圏で週末・月末を迎えた。大引けの日経平均は241円安の2万8,812円。売買代金は3兆1,104億円。TOPIXは10ポイント安の1,898ポイント。

新興市場も続落。JASDAQは小幅ながら3日続落。CAICAやニッポン高度紙、ウエストHDが下落。対して、極東産機は業績上方修正を受けてストップ高。テクノホライゾンも業績上方修正で上伸。マザーズ指数は続落。直近IPO銘柄のステラファーマやスパイダープラスの下げが目立った。AIinsideはストップ安。一方で、Pアンチエイジとアンジェスは急伸。

日足チャート上では、先週割り込んだ75日移動平均線を上回ることが出来ず、上値の重い展開が継続。一目均衡表の雲の下限も割り込み、下方向へのバイアスが掛かりやすいところ。週足では 4週連続の下落。13週移動平均線を下放れて、調整色を感じさせる形状。月足では前月末比で366円の下落と、5ヵ月ぶりのマイナスとなりました。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。世界的な巣ごもり消費の拡大で、輸送のためのコンテナ不足が続いています。3月末に起きたスエズ運河の「エバーギブン号」座礁事故は、コンテナを満載して重くなり過ぎたことが一因です。

コンテナ船ばかりでなくばら積み船にも運賃高騰の影響が広がっており、主な積荷である石炭は2年ぶり、鉄鉱石は10年ぶりの高値にまで値上がりしました。

物資の搬送は船便から航空貨物の運賃相場にも広がりを見せ、日本から欧米に向かう航空貨物運賃はコロナ以前の3倍近くに達しました。

しかしマクロ経済的には物価は決して上昇していません。日銀は今週開催された金融政策決定会合において2023年度の物価上昇率の見通しを従来の2%から1%に引き下げました。

経済全体としては物価は下がり、産業の狭い分野では物価は上昇しやすくなっています。これは短期的には金利差を通じて円安となりやすいですが、長期的には円高圧力となりかねません。

それでも企業業績は順調な回復軌道に乗っています。先週から3月決算企業の決算発表が始まっており、史上最高益を更新する企業が相次いでいます。不安定な相場状況が続きますが、決算内容を好感して上昇した銘柄の下値買いを丹念に狙ってみたいものです。

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注目記事 Pick up
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【またまた“TOPIX500ペア” 親子上場解消へ】
日本証券新聞5月6日(木)紙面1面TOP記事掲載 

日立金、TOBで急騰 次の狙いは!?

日立製作所(6501)日立金属(5486)が親子で人気化。売買代金で7位と8位に入る盛況のもと、それぞれ7.1%高、11.2%高まで買い進まれた。日立は4月28日の好決算発表を受けたもので、「デジタル活用の成長戦略が一段と明確化」(野村証券)、「ポジティブ:次期中計への期待が高まる進捗説明」(SMBC日興証券)などアナリスト評価は総じて良好だ。

そして日立金は日米ファンド連合によるTOB(株式公開買い付け)発表(実施は11月下旬)で、TOB価格2,181円にサヤ寄せした。バブル期には「日立」を冠した上場企業が20を超えていたが、これで上場子会社としては、日立建機を残すのみとなった。

日立金の外部売却自体は既定路線。ファンドとの交渉過程なども再三伝えられてきた。ただ、日立建に対して「一定の割引をした上で売却する可能性」が報じられるなど、価格面には不透明感も漂っていた。結局フタを開けてみれば、日立金のTOB価格は4月28日終値の15.1%高水準となり、2014年最高値2,130円をも上回った。

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今日の市況概況
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4月30日(金)☆[概況/大引け] 

大型連休前で反落。ソニーGやトヨタが安い。サイバーエージェントは上方修正で急騰。富士通と双日、三井物産は自社株買いを好感

大引けの日経平均は241円安の2万8,812円、TOPIXは10ポイント安の1,898ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は928、値下がり銘柄数は1,146。出来高は13億5,010万株、売買代金は3兆1,104億円。
大型連休を控え、リスク回避姿勢から日経平均は反落した。

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