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コラム2021年5月28日

【本日のマーケット】5月28日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

5月28日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場でNYダウは続伸。4月の耐久財受注統計で、コア資本財(国防と航空機を除く)の受注が前月比2.3%増と、市場予想の1.0%増を上回った。また、週間の新規失業保険申請件数は40万6千件と、前週の44万4千件から改善し、市場予想の42万5千件を下回った。NYダウは前日比141ドル(0.41%)高の34,464ドル。ナスダックはもみ合い。植物性代替肉のビヨンドミートは「レディネット」のターゲットにされるのではないかという見方から大幅高となった。モデルナやマイクロンテクノロジーは高いが、アップルやエヌビディアは安い。ナスダック総合指数は前日比1ポイント(0.01%)安の13,736ポイント。S&P500指数は前日比4ポイント(0.12%)高の4,200。

本日の東京市場は、NY市場の上昇を受けて大きくギャップアップでのスタート。2万9000円台を回復し、終日確りとした推移。昨日のMSCIの銘柄入れ替えのイベント通過から買い安心感を誘い、全面高の展開。トヨタは3日連続で上場来高値更新となり、9000円乗せ。時価総額も30兆円が視野に入ってきた。緊急事態宣言の延長とワクチン接種の普及が感染者数を減らすと期待された。また、バイデン米大統領が28日に公表する2022年会計年度予算案は、「連邦政府の歳出が6兆ドル(約660兆円)に増加するもよう」と伝わり、大規模歳出案による景気刺激策も追い風となった。大引けの日経平均は600円高の2万9,149円。売買代金は3兆1,088億円。TOPIXは36ポイント高の1,947ポイント。

新興市場は東証1部市場に関心を奪われ、まちまちの展開。JASDAQ指数は小幅続伸。ANAPは中国のZOZOで販売を開始しストップ高。イメージワンもストップ高。対して、カイノスは信用取引規制で売られた。シンバイオ製薬は反落。マザーズはもみ合い。インパクトHDは子会社がワクチン接種会場の設営・運営サービスを行っていることで大幅高。Pアンチエイジは反発。一方で、ベビーカレンダーは反落。

日足チャート上では、9日連続陽線。下値を切り上げて煮詰まってきたチャートは、ギャップアップで一気に上放れて2万9000円台突入。

週足では大陽線となり、26週移動平均線を回復。13週移動平均線も目前となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日本ではワクチン接種が本格的に始まっています。緊急事態宣言は再び延長されましたが、世の中全体としては冷静さが少しずつ戻ってきています。

画期的、破壊的な新技術の開発が社会のあちこちで噴出しています。

電線大手の古河電工(5801)は、日本のスタートアップ企業、アトナーブと共同で、糖尿病の検査に採血をせず、毛細血管に光をあてるだけで血糖値を調べる技術を開発しています。2023年の発売を目指し、古河電工はアトナープへの出資を決めました。

アステラス製薬(4503)は心電図の解析サービスを手がける「エムハート」と組んで、専門医でなくても心電図を用いて不整脈を正しく判定するAIを開発しました。すでに厚生労働省から医療用プログラムとして認証されており、今年中に医療機関向けにサービスを提供する予定です。

温暖化ガスの削減計画ひとつにしても、今は無謀とも思えるような高い目標かもしれませんが、加速する技術革新によってあっという間に実現する世の中が来る可能性があります。

変化はすべて新しい企業によってもたらされます。6月相場はIPOラッシュが再び始まります。既存の大手企業とともにニューフェースにもおおいに期待しています。

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注目記事 Pick up
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【今週の展望 一時645円高 660兆円効果だけじゃない 6月は「日本株高&米国株安」!?
日本証券新聞5月31日(月)紙面1面TOP記事掲載 

19カ月ぶり“月末陽線”も(5/31) 年金の姿勢転換で需給好転

日経平均(日足)

相場が変わる時はこんなもの。これまで上値を抑えてきた日経平均「2万8,000円半ばのカベ」をあっさり破ると、そのまま2万9,000円台乗せとなった(9日連続陽線は1999年8月以来22年ぶり)。一時645.10円高だ。手掛かり材料となったのは、バイデン米大統領が28日に公表する2022年会計年度予算案。「連邦政府の歳出が6兆ドル(約660兆円)に増加するもよう」との米紙報道だが、一方で、需給面からも大きな変化が生じているようだ。

まず、市場で聞かれたのは「MSCI指数イベント通過を受けた需給不安後退」。日本株29銘柄除外に伴う6,000億円の売り需要が事前に試算されていた。実際、27日の東証1部売買代金は5兆5,995億円(前日比3兆1,857億円増)の激増ぶりで、しかも約3兆円分は引け際1分間で執行されていた。となると、よくある“理屈付け”ではなく、現実に需給面で大きなポイントを通過していたことになる。

また、分析筋の間では最近の後場の値動きも注目されていた。27日までの5日間、日経平均の日中高値・安値をいずれも前場中に記録。後場はこの範囲での平穏な推移にとどまり、11~13日急落ショックの記憶も既に薄れていたわけだ。

そして、東証が27日引け後発表したのが、5月第3週(17~21日)の投資主体別需給。外国人と個人が(あと事業法人も)そろって売り越す一方、生損保が3,415億円、信託銀行が2,757億円、投信も1,269億円の買い越し――という珍しい現象が見られた。

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今日の市況概況
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5月28日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均は600円高の2万9,149円。バイデン大統領が予算教書で6兆ドル(約660兆円)規模の歳出要求観測を好感

大引けの日経平均は600円高の2万9,149円、TOPIXは36ポイント高の1,947ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,847、値下がり銘柄数は315。出来高は13億5,662万株、売買代金は3兆1,088億円。
バイデン米大統領が28日に発表する予算教書で、6兆ドル(約660兆円)規模の歳出を要求すると報じられたため、日経平均は大幅高となり、2万9,000円を回復した。

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