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コラム2021年6月11日

【本日のマーケット】6月11日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

6月11日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場でNYダウは4日ぶりに反発。取引開始前に発表された5月の消費者物価は前年同月比5.0%上昇と2008年8月以来、12年9カ月ぶりの高い伸びとなったが、消費者物価上昇の主因は中古車や航空運賃など、コロナ禍で低迷した旅行関連だったため一時的な可能性が高く、FRBは量的緩和の縮小を急がないとの見方が広まった 。NYダウは序盤に290ドル高となったが、長期金利が低下したため、金融株が下落し、指数も伸び悩んだ。10年債利回りは0.06%低下の1.43%。NYダウは前日比19ドル(0.06%)高の34,466ドル。ナスダックは反発。アマゾンやAMDが買われ、バイオジェンが上昇。ナスダック総合指数は前日比108ポイント(0.78%)高の14,020ポイントと、4月29日以来の1万4,000ポイント台回復。S&P500指数は前日比19ポイント(0.47%)高の4,239。

本日の東京市場は、メジャーSQを迎えもみあいでのスタート。米CPIを通過し米主要3指数は全て上昇となり、寄付きのSQ通過でアク抜けも期待されたが、様子見ムードが継続。2万9,000円台で推移する時間帯も見られたが、上値は重く前日終値近辺での値動きに終始。ここ数日同様に後場の上下値幅は50円~60円と極端に狭いレンジとなった。大引けの日経平均は9円安の2万8,948円。売買代金は2兆9,082億円。TOPIXは2ポイント安の1,954ポイント。

新興市場はもみあいの展開。JASDAQ指数は小幅に反落。シンバイオ製薬やファブリカが買われた。夢みつけ隊は信用取引の臨時措置解除で買われたが伸び悩み。対して、アクセスGやテセックは下落。マザーズは小幅に5日続伸。JIG-SAWがグーグルクラウドとの統合ツールを発表し急騰。ヤプリは大学向けソリューションシステムを発表し買われた。一方で、ALBERTは反落し、NPCは一服となった。BASEやウェルスナビ、HENNGEが下落。

日足チャート上では、上値は75日移動平均線に頭を抑えられ、5日移動平均線に沿った値動き。先週同様2万9000円の壁が近くて遠い。週足では26週移動平均線上は維持するも、陰線を引き、13週移動平均線が上値抵抗線として意識されるところ。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。目下のところ市場の関心は、ワクチン接種の進み具合と物価の動向に集まっています。

ワクチン接種は、日本でもいよいよ軌道に乗ってきたようです。何ごともスタートが遅いのは日本人の悪いところですが、それでもひとたび流れができあがるとスムーズに進みます。

心配された打ち手の確保も、自治体ごとの力を発揮して開業医のお医者さまを中心に順調な推移を見せています。先行した医療従事者の方と合わせて1回目の接種を終えた人の数が累計で1000万人を超えました。

菅首相は今週行われた党首討論で、10月から11月には希望する日本国民全員に接種を終える見通しを明らかにしました。経済再開、ワクチン相場への期待ががぜん高まっています。弾みがついて衆院解散の時期も「9月中」と固まりつつあるようです。

今週末は対面形式ではコロナ危機後で初めて、英国でG7首脳会合が開催されます。各国の首脳はコロナ禍を克服する道筋、経済再開の手順を整えての参集となります。そこで議論されることが、今年後半のマーケットの方向性を決定することにもなってゆくと見られます。

G7首脳会合によって各国共通の指針が確認され、それによってマーケットでも新しい動きが始まるように予想されます。環境政策や学び直し、DXなど財政支出の拡大が見込まれる方向に投資マネーを傾けるべきでしょう。

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注目記事 Pick up
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【天馬で何が起こっているのか!?
日本証券新聞6月14日(月)紙面1面TOP記事掲載 

6月の最注目総会 “お家騒動”第2ラウンド 渦中の監査等委員取締役 北野治郎氏を直撃

今年の6月株主総会で市場関係者が最も注目を寄せる総会の1つが29日の天馬(7958)だ。昨年に続く“お家騒動”に、著名アクティビストファンドも加わっての乱戦模様だが、問題の本質はどこにあるのか。水曜日付本紙最終面「特報」欄でもお馴染みの金融ジャーナリスト、伊藤歩氏が特別寄稿。キーマンである北野治郎監査等委員取締役に話を聞いた。(過去の経緯は表参照)

昨年6月の総会で、2019年秋のベトナム子会社贈賄事件に伴う不適切な会計処理に関与した金田宏前常務取締役らが、取締役候補者として不適格とし、金田氏らの取締役選任に反対する意見表明を行い、ガバナンスの専門家の注目を集めた天馬の監査等委員。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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6月11日(金)☆[概況/大引け] 

保ち合い。エーザイ反発、海運好調。東邦チタニウムはENEOSが親子上場解消検討と報じられ急騰。レーザーテック反落し、銀行と不動産安い

大引けの日経平均は9円安の2万8,948円、TOPIXは2ポイント安の1,954ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は709、値下がり銘柄数は1,363。出来高は12億2,115万株、売買代金は2兆9,082億円。
日経平均は2万9,000円を超えた水準では上値が重たく、保ち合いとなった。
SQ値は市場推計で2万9,046円。。

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