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コラム2021年6月18日

【本日のマーケット】6月18日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

6月18日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場でNYダウは4日続落。FOMCで2023年に2回の利上げ予想が示されたため、キャタピラーやユナイテッドスチールなどの景気敏感株が売られた。一方、債券市場では、FRBによる利上げ想定時期の前倒しにより、インフレ加速への警戒感が後退したため、債券が買われ、長期金利は0.07%低下の1.51%。金利低下に伴い、JPモルガン・チェースやシティグループなどの金融株は下落したが、IT関連のサービスナウやソーシャル・ネットワーキング・サービス企業のピンタレストといったハイテク株は上昇。NYダウは前日比210ドル(0.62%)安の33,823ドル。ナスダックは3日ぶりに反発。アマゾンやAMDが買われ、エヌビディアはジェフリーズによる目標株価引き上げで上昇。ナスダック総合指数は前日比121ポイント(0.87%)高の14,161ポイント。S&P500指数は前日比1ポイント(0.04%)高の4,221。

本日の東京市場は、米市場でのハイテク株上昇の流れを受けて小反発でのスタート。半導体関連も堅調な推移を見せていたが、全体的には値下がり銘柄の方が多い状況。ここ最近の相場のけん引役となっていたトヨタが1万円の大台を割り込むなど、TOPIX銘柄を中心に下げ幅を拡げ、日経平均もマイナス圏に沈んだ。小幅ながら3日続落となり、大引けの日経平均は54円安の2万8,964円。売買代金は3兆5,356億円。TOPIXは17ポイント安の1,946ポイント。

新興市場も軟調展開。JASDAQ平均は5日ぶりに反落。プリント配線板のメイコーと半導体製造装置部品の内外テックが下落し、出前館は3日続落。セレスポは反落。対して、名古屋地盤のウッドフレンズは切り返し。マザーズは3日続落。Pアンチエイジやステラファーマが下落。一方で、HMTは東京医科歯科大学と新型コロナウイルス感染症の共同研究契約で物色された。法人営業支援のブリッジは契約発表を好感。

本日IPOとなったEnjin(7370)は公開価格1,380円を55%上回る2,150円で初値形成。同社は中小・中堅企業、医療機関を対象としたPR支援サービスの提供およびマッチングプラットフォームの運営を行っている。

日足チャート上では週初から2万9000円台を維持し、一時は2万9500円に迫る場面も見られ、5月10日以来の一目均衡表の雲抜けも達成。しかしながら、昨日と今日で75日移動平均線を再び割り込む格好となり上値の重さを再確認する格好に。週足では引き続き13週移動平均線が上値抵抗線として意識されるところ。26週移動平均線上に位置するもかなり煮詰まった形状。上ヒゲが長く、上値の重さが感じられる。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日本でもワクチン接種が順調に進んでいます。

4月12日から始まったご高齢の方の接種状況は、ちょうど1か月が経過した5月12日に1回目の接種を終えた人が100万人を超えました。それが5月26日には500万人を突破して、6月4日には1000万人を超えるまでになっています。この週末には2000万人を超えると見られます。

病床ひっ迫度や重症患者数も目下のところ穏やかな数値まで下がっており、沖縄県を除く9つの都道府県で緊急事態宣言が解除されました。ダメージの大きかった飲食店を中心にひとまず安ど感が広がっています。

開催まで1か月とちょっという東京オリンピックですが、どうやら観戦客を受け入れる方向に事態が展開しているようです。株式市場でも遅ればせながらの「ワクチン相場」があちこちで継続的に発生するようになっています。

米FOMCの前と後とでは、市場の予想と結果が異なりますが、マーケットの動きはその前後ではさほど変わっていません。はっきりしたことは、今後の方向性について、金融緩和を前提とする相場(金融相場)から、金利の上昇を前提とする相場(業績相場)へと明らかにひとつのステップを超えた点です。

株式市場は明確に「業績相場」に突入したことになります。そこでは個々の企業が持つ本来的な成長力、業績の向上による株価の上昇力に賭けることになります。業績相場での評価基準は、一にも二にも企業業績です。

折しも今週末は「会社四季報・夏号」の発売日です。最新の業績予想が載るページをめくって、長期投資に耐えうる銘柄を今期の売上高の増加、営業利益の増加の度合いから、じっくりと探してみる時間帯にあるように思います。

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注目記事 Pick up
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【ブライダルが「国策銘柄」となる背景は?】
日本証券新聞6月21日(月)紙面1面TOP記事掲載 

アフターコロナ 銘柄選別の焦点 いちよし経済研究所 鮫島誠一郎主席研究員に聞く

コロナ対策の切り札とされるワクチン接種は、菅義偉首相が掲げた「1日100万回接種の達成」が射程に入り、3回目の緊急事態宣言は沖縄を除く9都道府県が20日で解除。経済正常化期待が一段と高まるこの局面でどのような視点で銘柄選別をすればよいか――。外食、サービスセクターの中小型成長株の分析で定評のある、いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主席研究員(写真)に銘柄選別の着眼点などを聞いた。

鮫島氏は、ワクチン接種開始の直前日(2月16日)にテイクアンドギヴ・ニーズ(4331)のレポートを発行。同社株はその後戻り歩調に転じ、足元は年初来高値圏にある。また、3回目の緊急事態宣言の解除が濃厚になった6月14日にくら寿司(2695)の投資判断を「B」から「A」に引き上げた。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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6月18日(金)☆[概況/大引け] 

小幅ながら3日続落。海運とトヨタが利食い売り。メガバンクと商社も安い。エーザイは抗がん剤導出で上昇。日本電産が高い

大引けの日経平均は54円安の2万8,964円、TOPIXは17ポイントの1,946ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は540、値下がり銘柄数は1,570。出来高は15億1,255万株、売買代金は3兆5,356億円。
日経平均は小幅ながら3日続落。今週上昇が目立った海運株は利食い売りに押され、トヨタも1万円を下回った。

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