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コラム2021年7月2日

【本日のマーケット】7月2日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月2日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で主要3指数は上昇し、S&P500は最高値を更新。NYダウは3日続伸。週間の新規失業保険申請件数は36万4千件と、前週の41万5千件から改善し、市場予想の39万件以上に改善をみせた。しかしながら、6月のISM製造業景況指数が60.6と5月の61.2から低下し、市場予想の61.0を下回ったため、テーパリングに向けた警戒感にはつながらなかった。米国株式市場では第3四半期の新規資金流入が期待された模様。NYダウは前日比131ドル(0.38%)高の34,633ドル。ナスダックは反発。フェイスブックやマリン・ソフトウェアが高い。ナスダック総合指数は前日比18ポイント(0.13%)高の14,522ポイント。S&P500指数は前日比22ポイント(0.52%)高の4,319。

本日の東京市場は小反発でのスタート。米国市場の上昇や111円台となっている円安推移を好感。本日は、寄付き後も崩れることなく、じり高となり、10時前に142円高の2万8,849円まで上昇する場面も見られた。前日までの4日続落を受けて、押し目買いも入ったが、買い一巡後は米国雇用統計の発表を控え様子見姿勢が強まり、大引けの日経平均は76円高の2万8,783円。売買代金は2兆733億円。TOPIXは17ポイント高の1,956ポイント。

新興市場も共に反発。JASDAQ平均は小反発。アイビー化粧品は2日連続ストップ高、カルナバイオはストップ高。対して、ワークマンは既存店の減収で売られた。応用技術と3Dマトリックスは利食い売りに押された。マザーズはもみ合い。オキサイドとDELTA―Pが続落となり、オンコリスバイオは7日続落。一方、直近新規公開株のベイシスはストップ高。セレンディップは企業の事業継承支援で大垣共立銀行や愛知銀行と業務提携し大幅高。

日足チャート上では5日連続の陰線で上値切り下げとなっておりましたが、本日 小幅ながら陽線を引き前日水準よりも上に。ただ、5日移動平均線(2万8,826円)に届かず、上値の重さを感じる。週足では13週線と26週線がデッドクロスを示現。昨年の3月以来のこと。調整も考えられる局面。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。年後半の相場が始まりました。7月になったことで次なる変化がふたつ生じました。ひとつは中国、もうひとつは日本です。

中国に関しては、中国共産党が結党100周年の記念式典を大々的に開催しました。

3月半ばに開催された、アラスカ・アンカレッジにおけるブリンケン国務長官と楊政治局員との激しい言葉の応酬以来、日本の株式市場はピークを打って調整局面に入りました。

水面下で火花を散らす米中対立が次の局面に向かっていることは間違いありません。今年後半戦に向けて新たな展開を待つことになります。

ふたつめの日本に関しては、日銀短観が発表されました。大企業・製造業の業況判断DIは、前回3月調査の「+5」から今回は「+14」に+9ポイント改善されました。製造業が主導する経済の回復が続いています。

注目すべきは大企業・非製造業の業況判断DIで、3月調査の「▲1」から「+1」へと+2ポイントの改善を示しました。改善幅は小さなものにとどまっていますが、プラスに浮上するのは2020年3月以来、5四半期ぶりのことです。

不安な点があるとすれば、価格判断と雇用人員判断の2点です。仕入価格の上昇や人手不足は、日本の製造業にとってコスト上昇につながります。その点にコロナ危機の先に待ち構える試練が見えてきます。こうなれば焦ることなく、業績相場への移行期に当たって、次の決算発表をじっくり吟味してからでも遅くはありません。

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注目記事 Pick up
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【ETF11銘柄で分配金捻出の換金売り需要発生へ】
日本証券新聞7月5日(月)紙面1面TOP記事掲載 

8、9日に「8,000億円の売り」 対応策を探る

6月最終週は(配当金支払いラッシュの)“上昇特異週”のはずが、結局、週明けから日経平均4日続落。2日こそ反発に転じたものの、米国ではS&P500が1日まで6日連続最高値更新となるなかでは、いかにも弱さが目立つ。そして迎える7月5日からの週だが、こちらは前週とは逆に、週末にかけて“気掛かりな需給要因”が指摘されている。先の株高シナリオが不発に終わったように、この株安シナリオも外れてくれればいいのだが…。

需給懸念のもとは、決算期末を迎えるETFによる分配金支払いのための換金売り。実はこの話題、6月17日付本紙でも「ETF巡る“2つの説”」の1つとして報じた。大和証券レポートを紹介したものだ。ここにきては25日付でSMBC日興、30日付で野村と、他社からもレポート発行が相次ぎ、市場参加者の間で浸透しつつある。地合い次第では、売り仕掛けが生じたり、手控えムードが広がるなど、実際の需給効果以上の反応となる可能性もあるので、一応、注意は必要になりそうだ。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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7月2日(金)☆[概況/大引け] 

5日ぶりに反発したが、米雇用統計発表を控え小幅高にとどまった。ソニーや自動車関連は高いが、レーザーテックは下落

大引けの日経平均は76円高の2万8,783円、TOPIXは17ポイント高の1,956ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,773、値下がり銘柄数は346。出来高は9億455万株、売買代金は2兆733億円。
日経平均は前日まで4日続落となっていたため、押し目買いが入ったが、今晩の米国で6月雇用統計が発表されるため、小幅な上げにとどまった。

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