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コラム2021年7月9日

【本日のマーケット】7月9日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月9日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で主要3指数は下落。疾病対策センターの解析結果で、新型コロナウイルスでより感染力の強いインド由来のデルタ株が、米国でも既に主流になったことが報じられ警戒された。東京五輪が無観客で開催されることも投資家心理を悪化させ、NYダウは一時536ドル安となった。NYダウは前日比259ドル(0.75%)安の34,421ドル。ナスダックも下落。エヌビディアやコインベースが売られた。ナスダック総合指数は前日比105ポイント(0.72%)安の14,559ポイント。S&P500指数は前日比37ポイント(0.86%)安の4,320。

本日の東京市場は大きくギャップダウンでのスタート。米国市場の下落や、ETF分配金捻出のための換金売り、緊急事態宣言再発出に伴う経済正常化への遅れも不安視された。本日はオプションのSQ算出日でもあり、思惑的な動きも重なった。日経平均は一時698円安まで売られ、2万7,419円と200日移動平均線レベルの2万7,500円を割り込んだ。後場からは売り方の買戻しや、2万7,500円水準はPER12倍台と割安感があることから、年金資金の買いが入った模様。14時前から指数先物に断続的に買いが入り、急速に値を戻す展開となった。前引け時点で1.95%安となっていたTOPIXだが、期待された日銀のETF買いは入らず。大引けの日経平均は177円安の2万7,940円。売買代金は3兆3,239億円。TOPIXは7ポイント安の1,912ポイント。

新興市場も共に反発。JASDAQ平均は小幅高。ウエストHDは三菱UFJモルガンが新規に「Buy」で上伸。対して、メディアリンクスやドーンが売られた。マザーズは5日ぶりに反発。メタップスは出資している送金アプリのpringをグーグルが買収するとの観測報道でストップ高。JTOWERはNTT西日本から通信鉄塔71基を買い取ることで急騰。ツクルバはマネーフォワードと業務提携が好感された。一方、日本電解やステムセル研は安い。

日足チャート上では、ボリンジャーバンドの-3σを割り込み、200日移動平均線にタッチして切り返し。長い下ヒゲを伴った陽線を引き、来週以降のリバウンド期待につながった。目先は、急落前の窓埋めをして、5日移動平均線回復が待たれる。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。政府は東京都に4度目の緊急事態宣言を発出することを決定しました。期間は8月22日まで、五輪開催からお盆休みまですっぽり入ります。観戦者を競技場に受け入れない無観客での開催も決定されました。

ただしこれで物事がすべて終わってしまったわけではありません。もちろん、本当のスタートはここからです。カナダをはじめ北米では、広い範囲で気温が40度を超える猛烈な猛暑に見舞われています。地球温暖化との戦いは始まったばかりです。

今週も気候変動やそれに対処する新技術に関して、実にさまざまなニュースが飛び交いました。中でも興味深いのはダイキン工業(6367)のエアコン用の新冷媒に関する話題です。

ダイキン工業は省エネ性能の高いエアコン用冷媒を開発しました。この冷媒を使ったエアコンは消費電力を大幅に減らすことができ、EVに搭載すればカーエアコンに回していた電力を駆動用モーターに供給できるため、EVの航続距離を従来よりも50%も引き上げることができます。

ダイキン工業に限らずおそらく日本の技術メーカーには、このような伝統的と見られる技術の中にもブレイクスルーの余地が無数に眠っていると見られます。次なる発明・改良の余地がどこから出てくるか、世の中を切り拓いてゆくのはこのような技術であるはずです。株価の押し目があるとすれば、そこをじっくりと狙ってゆきたいものです。

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注目記事 Pick up
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【大当たり! 「6月に売れ」のその後は…】
日本証券新聞7月12日(月)紙面1面TOP記事掲載 

大和証券 木野内栄治チーフテクニカルアナリストに聞く

日経平均は一時698.63円安。6月末からは、これで1,372.13円安ということになる。なお、かねて「セル・イン・ジューン(6月に売れ)」を指摘してきたのが、大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト(写真)だ。ご丁寧にも、大きく下放れる直前の7日付レポートでは「セル イン ジューン・シナリオの確認サイン点灯」としていた。かねてより、強気で外してもさして文句は出ないが、弱気節には何かと風当たりが強いのが証券界。“万年弱気派”ならともかく、木野内氏といえば、先のトヨタ快走やワクチン相場などフシ目フシ目で強気の的中も続けてきた。この“今年一番の当たり屋”に当面の難局について話を聞いた。

――大当たり連発だ。

「下げで当たっても、あまりうれしくはないのだが…(笑)」

――東京市場は米国株が高値を取ってもさして反応せず、下げた時だけ過剰反応となりがちだ。

「ワクチン接種遅れなどが背景とされてきたが、これからはむしろ低迷する米国株に対し、日本株がアウトパフォームする展開を想定している」

――その要因は何か。

「まず中国の預金準備率下げが挙げられる」

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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7月9日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均は177円安の2万7,940円。11時過ぎに698円安となったが、ダブルボトム形成で下げ幅縮小

大引けの日経平均は177円安の2万7,940円、TOPIXは7ポイント安の1,912ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は907、値下がり銘柄数は1,175。出来高は14億2,564万株、売買代金は3兆3,239億円。
日経平均は11時過ぎに一時698円安の2万7,419円まで売られた。ETF分配金捻出売りや五輪無観客、世界的な感染再拡大が警戒された

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