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コラム2021年7月16日

【本日のマーケット】7月16日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月16日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で  NYダウは続伸。ナスダック上場銘柄でNYダウに採用されているハネウェル・インターナショナルは、「ナスダック100」指数へ組み入れが発表されたことで買われた。ユナイテッドヘルスは業績上方修正で高い。一方、セールスフォースやオラクルは下落。NYダウは前日比53ドル(0.15%)高の34,987ドル。ナスダックは3日続落。台湾のTSMCの4~6月期決算で純利益がアナリスト予想を下回ったため、エヌビディアやAMDなどの半導体関連が売られた。ナスダック総合指数は前日比101ポイント(0.70%)安の14,543ポイント。S&P500指数は前日比14ポイント(0.33%)安の4,360。

本日の東京市場は大きく下落からのスタート。米国で半導体関連が売られたことで東京エレクトロンやアドバンテストなどが売られた。また、昨日引け後に通期業績予想を下方修正したファースリテイリングが売られ、指数を大きく押し下げた。ファースリテイリングに関しては「プライム市場」適合の発表がなかったことも警戒された。日経平均は寄り後に431円安まで下落するも、後場中ごろから下げ幅を縮小し77円安まで戻す時間帯も見られた。この日は、日経平均は1%近い下落となったのに対し、TOPIXは0.38%の下落。東証2部指数、日経ジャスダック平均はプラスと中小型株も確りで、指数の歪みが顕著となった。大引けの日経平均は276円安の2万8,003円。売買代金は2兆1,550億円。TOPIXは7ポイント安の1,932ポイント。

新興市場は確りの展開。JASDAQ平均は反発。シキノハイテックが続伸、テーオーHDは子会社がDCMと業務資本提携でストップ高。一方、ウエストHDは3日続落。マザーズはもみ合い。直近新規公開株で通信インフラ構築のベイシスが大幅高となり、ビジネス知見のアドバイザーと顧客をマッチングさせるビザスクは第1四半期が84%増収となり急伸。対して、Enjinは反落し、AI活用の自動翻訳のロゼッタは先行投資負担による大幅減益決算で急落。

日足チャート上ではギャップダウンで下放れた格好。上下に長いヒゲを伴い十字に近い足。ボリンジャーバンドの-2σ(2万7,916円)にタッチして戻り、なんとか2万8,000円で踏み止まった形。再び200日移動平均線が視野に入ってきた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。世界中でコロナウイルスの感染が再び広がっています。

インドで見つかったデルタ株が猛威を振るっており、日本でも東京オリンピックの開幕まであと1週間というこの時点で、東京都の新規の感染者数が1300人を超えました。第4波のピークを上回っています。

環境問題ではカナダや米国での50℃に迫る猛烈な高温。日本の熱海、熊本、島根、鳥取に続いて、ドイツ西部、ベルギーでも集中豪雨の被害が発生しています。もはや天候の急激な変化に対しては、地球上で安全な場所はどこにもない状況となっています。

今週はEUの欧州委員会が地球環境対策に向けた強力な政策パッケージを公表しました。欧州は域内での温暖化ガスの排出量を、2030年までに1990年比で▲55%減らす目標を打ち出していますが、そのためにガソリン車、ディーゼルエンジン車の新車での販売を、2035年にはゼロにするという内容です。

EUの規制強化の方針は日本時間の木曜日に伝わりました。このニュースを受けて日本の株式市場では、株価がすぐに反応して上昇するような銘柄はさほど多くありませんでした。地球規模のテーマである環境問題、ESG投資に関連して名乗りを上げる企業を見い出すことはそうたやすい作業ではないことがわかります。それが現在のマーケットの実情です。

難問が山積み状態ですが、それでも燃料電池車、高性能バッテリー、モーターシステム、自動運転、充電インフラ、車体軽量化につながる新素材など、関連する要素技術の研究開発は見えない部分で研究開発が進められていることのは疑いの余地はありません。

目に見えないものを探すことはたいへんですが、ここからそのような企業からのアクションはさらに加速するものと考えられます。

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注目記事 Pick up
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【ユニクロ急落の余波を探る 日経平均押し下げ効果と構成比10%割れ…】
日本証券新聞7月19日(月)紙面1面TOP記事掲載 

日米そろって指数に“歪み”

16日の日経平均は一時431.74円安(1.52%安)。前夜の米国ハイテク株安が背景となった。ニューヨークダウこそ53.79ドル高ながら、ハネウェルとユナイテッドヘルスの上昇寄与分が合計70ドル近くに達したため、実質的にマイナスとも言える。

“指数の歪み”は米国だけではない。「2銘柄の上昇だけでプラスとなったニューヨークダウ」と同様、日経平均が急落する一方で、TOPIXの下落率は安値時点でも0.71%と日経平均の半分以下にとどまり、前後場ともプラス浮上する場面もあった。その結果、NT倍率は再び年初来最低水準を更新している。

弱さの目立つ日経平均と、底堅いTOPIX。どちらがより実勢を反映しているのか。カギを握る存在は、もちろんファーストリテイリング(ユニクロ、9983)だ。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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7月16日(金)☆[概況/大引け] 

3日続落。ファストリやエーザイ、半導体関連が下落。東証1部全体では騰落銘柄数は拮抗し、海運や鉄鋼、非鉄、自動車は上昇

大引けの日経平均は276円安の2万8,003円、TOPIXは7ポイント安の1,932ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,008、値下がり銘柄数は1,058。出来高は9億3,558万株、売買代金は2兆1,550億円。
日経平均は朝方431円安(2万7,847円)となった。その後、下げ幅を縮め、2時過ぎに77円安(2万8,201円)まで戻した場面もあったが、大引けにかけて再度軟化した。

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