8月17日（火）のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場でNYダウは5日続伸となり最高値を更新。8月のNY連銀製造業景況指数は18.3と7月に付けた過去最高の43.0から低下し、市場予想の29.0も下回ったことも影響し、NYダウは序盤に283ドル安となった。その後、ユナイテッドヘルスやメルク、ジョンソン＆ジョンソンといったヘルスケアセクターに買いが入り、上昇に転じた。地政学リスクの高まりを受けて、軍需メーカーのノースロップ・グラマンやL3ハリス・テクノロジーズが上昇。NYダウは110ドル（0.31%）高の35,625ドル。ナスダックは反落。テスラの衝突事故を受け、運輸省が自動運転支援システムの調査を始めたことが警戒されテスラ株は売られた。ナスダック総合指数は前日比29ポイント(0.20％)安の14,793ポイント。S＆P500指数は前日比11ポイント(0.26％)高の4,479で最高値更新となった。

本日の東京市場は、NYダウが5日続伸となったことを好感し4日ぶりに反発でのスタート。寄り後には227円高の2万7,750円まで上昇を見せるも買いが続かず伸び悩み。マザーズ指数が4日続落となり、年初来安値を更新したことも嫌気された。後場からは上げ幅を縮め、マイナス圏に沈み、引けにかけて下げ幅を拡げ安値引け。 大引けの日経平均は98円安の2万7,424円。売買代金は2兆684億円。TOPIXは9ポイント安の1,915ポイント。

新興市場は共に続落。JASDAQ平均は続落。フェローテックと星医療酸器が反落。ランシステムは２日連続ストップ安。一方、ＦＲＯＮＴＥＯは業績上方修正でストップ高。ＳＥＭＩＴＥＣは７日続伸。シンバイオ製薬は注射剤の第２相臨床試験の投与開始で買われた。マザーズ指数は4日続落となり連日で年初来安値を更新。弁護士ドットコムが５日続落となり、グローバルウェイとメルカリは３日続落。ＩＴｂｏｏｋは第１四半期営業赤字で売られた。対して、ジモティーは好決算で買われた。

チャート上では昨日に続き陰線。昨日の安値を下回って安値引けとなっており、弱いチャート形状が継続。

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【警戒すべきは 円高より「円安リスク」　東海東京調査センター　柴田秀樹氏に聞く】
日本証券新聞8月18日（水）紙面1面TOP記事掲載

ワクチン接種に遅れ、取り残される日本

ニューヨークダウと日経平均の実数の差は16日時点で、ついに「8,102.11」まで開き、17日も朝高後失速して98円安。ワクチン接種が遅れる日本は経済成長もテーパリング(量的緩和縮小)も後手後手に――。東海東京調査センターの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジスト(写真)はこのほど開かれたメディア向け勉強会で、欧米ではワクチン相場から金融政策相場への移行が想定されるなか、日本が取り残されている現状を指摘した。インフレ率も低迷しており、円高リスクより円安リスクに注意を呼び掛けている。

ワクチン接種完了率(8日時点)はG7でも先行しているカナダ、英国は6割、ほかの欧米諸国も5割になるのに、日本は3割と出遅れている。IMF(国際通貨基金)は今年の経済成長率見通しをG7で日本だけ下方修正し、2.8%と先進国最低とした。