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コラム2021年8月20日

【本日のマーケット】8月20日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

8月20日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で  NYダウは3日続落。年内のテーパリング(量的緩和の縮小)開始観測が影響し、一時270ドル安となったが、週間の失業保険申請件数が34万8千件と前週から2万9千件改善し、4週連続の改善となったことを受けて、下げ幅を縮めた。NY原油先物が6日続落となったためシェブロンとエクソンモービルが安い。NYダウは前日比66ドル(0.19%)安の34,894ドル。ナスダックは4日ぶりに反発。エヌビディアが好決算で買われ、マイクロソフトやネットフリックスも高い。テスラとモデルナは反落。ナスダック総合指数は前日比15ポイント(0.11%)高の14,541ポイント。S&P500指数は前日比5ポイント(0.13%)高の4,405。

本日の東京市場はもみ合いでのスタート。昨日の「トヨタショック」の余波から、トヨタグループをはじめ自動車関連銘柄に売りが波及。最近のアジア市場の株安も続き、香港ハンセン指数が大幅安となったことも警戒された。瞬間的に2万7,000円の大台を割り込み、今年の最安値を更新。日経平均は2万7000円、TOPIXは200日移動平均線の1880ポイントが攻防のポイントとなった。大引けの日経平均は37円安の2万7,977円。売買代金は2兆3,208億円。TOPIXは2ポイント高の1,956ポイント。

新興市場は下げ渋り展開。JASDAQ平均は続落。プロルート丸光が3日続落、フェローテックとMipoxが安い。出前館は株主優待制度の廃止で大幅安。一方、在宅医療関連のフクダ電子は高く、星医療酸器も上昇。マザーズ指数は小幅上昇。Pアンチエイジが続伸、グローバルウェイは反落。JTOWERは急反発となり、すららネットが高い。対して、EnjinやQDレーザは売られた。フェニックスバイオはPXBマウスの生産工程で一部不具合が発生したため急落。

日足チャート上では、2万7,000円をかろうじて守った形。ザラ場では昨年12月29日以来の2万7,000円割れとなり、ボリンジャーバンドのー2σ(2万7,062円)割れとなり、目先自律反発が入っても良い水準まで到達。週足では、下値抵抗と見られていた52週移動平均線(2万7,247円)を割り込みんだ。対して、TOPIXは、200日移動平均線の1880ポイント上で下げ止まり。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日経平均は週末にかけて瞬間的に27,000円の大台を割り込みました。今年の最安値を更新しています。今週に入って予想もしなかった、あるいは予想を超えるほどの大きな出来事が重なったことが立て続けに起こり、現在の株価下落を招いています。

企業業績は好調さが確認されたばかりです。8月第2週までに発表された第1四半期の決算では製造業の業績が堅調でした。そのような前提をマーケットは確認したばかりですが、トヨタをはじめ製造業の中核である自動車産業から減産強化の動きが出てくると、突如としてそれまでの前提が崩れかねない状況が突きつけられます。

ここまでマーケットは米国の金融政策、テーパリングの前倒しを繰り返し議論してきました。それを含めて不透明要素が急速に膨らんできたようです。27,000円を一時的にも割り込んだ日経平均は、来週以降もまだ神経質な値動きが続くものと見られます。

当面はPBR(株価純資産倍率)で見て、1.15倍の26,500円あたりが下値のメドと予想されますが、そこから一段と下値を叩くような場面があれば、いったんは狙い目かと考えられます。

業績相場の入り口はこのような不安定な値動きに陥りやすいもので、銘柄の選別色がここからはさらに強まってゆくことになるでしょう。相場に振り落とされないように、事態の推移をしっかりと凝視してゆきたいものです。

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注目記事 Pick up
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【「トヨタショック」の余波を探る 日経平均 一時昨年12月28日以来の2万7,000円割れ】
日本証券新聞8月23日(月)紙面1面TOP記事掲載 

会社予想の“正確さ”実証?

“トヨタショック”と呼ぶべきか。20日の日経平均は一時326.36円安となり、1月6日安値(2万7,055.94円)を割り込んだ。「コロナ」「テーパリング」「アフガン」「中国減速」と相変わらずの懸念山積状態ながら、にわかに意識されだしたのが、トヨタ自動車(7203)大幅減産の余波だ。

トヨタ自動車(7203・日足)

「トヨタ、来月生産4割減」――20日付日本経済新聞1面トップの見出しだが、電子版を通じて伝えられたのが19日午後2時半すぎで、日中足チャートで見ると、ここから“垂直落下”の様相を呈した。19日に4.4%安(一時4.6%安)していただけに、20日は小幅安から反発に転じる場面もあったが、これをもって織り込み済みとはいかず、一時4.6%安。そして、デンソー、小糸製、トヨタ紡などグループ各社が下落率上位に並んだ。

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今日の市況概況
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8月20日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均は一時2万7,000円割れ。トヨタの減産で自動車関連が売られ、香港株の大幅続落も響いた

大引けの日経平均は267円安の2万7,013円、TOPIXは16ポイント安の1,880ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は693、値下がり銘柄数は1,412。出来高は12億3,197万株、売買代金は2兆8,305億円。
日経平均は一時2万7,000円割れ。14時44分の2万6,954円(326円安)が本日の安値

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