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コラム2021年9月3日

【本日のマーケット】9月3日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

9月3日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で  NYダウは4日ぶりに反発。週間の新規失業保険申請件数は34万件と、前週から1万4千件改善したことが好感された。市場予想は34万5千件。ウェルズ・ファーゴやAT&T、エクソン・モービルなどが買われた。NYダウは前日比131ドル(0.37%)高の35,443ドル。ナスダックは続伸となり、最高値を更新。ネットフリックスやモデルナが高い。NASDAQ総合指数は前日比21ポイント(0.14%)高の15,331ポイント。S&P500指数は前日比12ポイント(0.28%)高の4,536。

本日の東京市場は、NASDAQ最高値更新を受けて5日続伸でのスタート。週末で、今晩には米国雇用統計の発表を控えていることから、様子見姿勢が強まると思われたが、前引け後にビッグサプライズのニュースが飛び込んできた。菅首相が辞任の意向と報じられ、先物に買戻しが入り急騰。(※関連記事参照)後場からは2万9000円を回復し、高値圏で推移。全面高の展開となり、鉄鋼、電気機器、証券、機械をはじめ東証31業種すべてが上昇。6月28日以来の2万9,000円台回復となった。大引けの日経平均は584円高の2万9,128円で5日続伸。売買代金は3兆2,808億円と膨らんだ。TOPIXは31ポイント高の2,015ポイントと年初来高値を更新。

新興市場も共に反落。JASDAQ平均は反発。Mipoxは新しい職場づくりが加速しているとの報道で上昇。東洋合成や東映アニメが買われ、アイビー化粧品はストップ高。一方で、出前館やフジプレアム、トミタ電機はもみ合い。マザーズ指数はもみ合いで小幅続落。直近新規公開株のモビルスとメディア総研は大幅高となり、FRONTEOとグローバルウェイも買われた。対して、Enjinやアンジェス、すららネットは下落。キャンバスは新株予約権の発行で急落。

日足チャート上では、200日移動平均線の奪還、一目均衡表の雲抜けから、一気に2万9000円台を回復。各移動平均線も全て上向きに転じて来た。週足では、2月26日の週以来のパラボリック陽転。先週の52週移動平均線に続き、13週・26週移動平均線を上抜け。TOPIXは2015ポイントまで上昇となり、年初来高値を更新。この水準は1991年4月以来、30年ぶりの水準。テクニカル的には日経平均、TOPIX共に上昇トレンドへの転換点を示唆。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。9月3日(金)、菅首相は自民党総裁選には出馬せず、退陣を表明しました。

このニュースが伝わった金曜日の昼前から株価は大きく上昇し、日経平均は5日続伸して29,000円の大台をあっさりと回復しました。

まだ告示前の総裁選に対してこれほどの動きが出ています。今後どのような展開になるか、現時点ではまるで予想できません。

今のところ正式に立候補の意向を示しているのは岸田文雄・前政調会長です。9月2日に記者会見を開き、政権の座に就いた時点で取り組むコロナ対策の「4本柱」をはっきりと掲げました。

そこでの4本の柱とは、(1)医療難民ゼロ、(2)ステイホーム可能な経済対策、(3)ワクチン接種証明の活用、(4)感染症を巡る有事対応の強化、です。その上で「健康危機管理庁(仮)」を新設して担当閣僚を置くことを明言しています。これが金曜日の株式市場の上昇になによりも寄与したものと見られます。

一方で株式市場では、業績相場が明らかにスタートしています。決算内容のよい銘柄がピンポイントで的確に物色されており、機関投資家の資金も少しずつ流入しているように感じられます。

そこに政策面での変化が加わって、今後さらに底堅さを増してゆくことでしょう。ここからでも十分に間に合います。マーケットの動きにしっかりと貼りついてゆきましょう。

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注目記事 Pick up
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菅首相退陣表明 日経平均584円高
日本証券新聞9月6日(月)紙面1面TOP記事掲載 

岸田関連はレオクラン?

また金曜日の午後…。ほぼ1年前の8月28日、当時の安倍晋三首相が突然退陣表明し、市場に衝撃が走ったが、今年の9月3日には菅義偉首相(写真)の退陣報道が話題を集めた。

昨年のケースでは、アベノミクス政策継続への懸念から日経平均が後場一時614.07円安まであって大引け326.21円安。その後の3日間で下げ分を埋めた経緯がある。今回は、前引け243.84円高に対し、昼休み中に「菅首相、総裁選出馬見送り」が報じられると、後場606.14円高まで買い進まれ、菅首相にとっては少々厳しい市場の反応となった。低支持率の不人気首相退陣は、間近に迫った衆院選での自民党惨敗リスクの低減につながるとの読みか。報道からさほど時間を置かずに発行されたみずほ証券レポート(ここは時事ネタには本当に強い、事前に用意していたか…)の題は「石破政権でなければ株式市場への影響は軽微」だった。次期首相候補者としては、既に総裁選立候補表明済みの岸田文雄前自民党政調会長と、出馬に意欲を示す高市早苗前総務相。下村博文政調会長は出馬断念となったが、ほかに石破茂元幹事長や(“文春砲”で炎上気味の)河野太郎行革担当相などの名が挙がる。とはいえ、自民党岸田派のほかに細田派や麻生派の支援を受けるとみられる岸田氏優位の構図。昨年同様、土・日で一気に流れが決まる構図となろうか。

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今日の市況概況
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9月3日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均は584円高の2万9,128円。菅首相の辞任意向で全面高。鉄鋼や電機、機械などの景気敏感株が買われ、通信も高い。岸田関連銘柄でシスメックスも上昇

大引けの日経平均は584円高の2万9,128円、TOPIXは31ポイント高の2,015ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,768、値下がり銘柄数は343。出来高は12億4,310万株、売買代金は3兆2,808億円。
菅首相の辞任意向が昼に伝わり、日経平均は6月28日以来の2万9,000円回復となった。
低迷している自民党の支持率が上昇するという見方から全面高となり、鉄鋼や電機、機械といった景気敏感セクターが物色され、証券も買われた。

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