9月6日（月）のマーケット                                                                   

前週末の米国株式市場でNYダウは 反落。8月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比23万5千人増と、7月の105万3千人増から大きく縮小し、市場予想の72万増も下回った。ボーイングや投資会社のバークシャー・ハサウェイが売られ、豪華客船のカーニバルが安い。一方、IT関連のセールスフォースやサービスナウは上昇。NYダウは74ドル（0.21%）高の35,369ドル。ナスダックは3日続伸。エヌビディアやモデルナ、電子署名のドキュサインが買われた。NASDAQ総合指数は前日比32ポイント(0.21％)高の15,363ポイント。S＆P500指数は前日比1ポイント(0.03％)安の4,535。

本日の東京市場は、大きくギャップアップで6日続伸でのスタート。先週末の菅首相退陣を受け、新政権誕生への期待が継続。新首相による自民党の支持率上昇期待から買いが膨らんだ。この日は、高値を大引け前の14時46分につける等、終始高値圏での推移となった。また、TOPIXは連日の高値更新となり、1990年8月以来、31年ぶりの水準まで上昇。大引けの日経平均は531円高の2万9,659円。売買代金は3兆419億円。TOPIXは25ポイント高の2,041ポイント。

新興市場も共に上昇。JASDAQ平均は続伸。フェローテックやウエストＨＤが大幅高。東映アニメは東海東京調査センターによる格上げで大幅高。一方、アイビー化粧品、プロルート丸光、出前館は下落した。マザーズ指数は反発。弁護士ドットコムやＨＥＮＮＧＥが買われ、サイバーダインは英国で「ＨＡＬ腰タイプ」を大型受注したことが好感された。松屋Ｒ＆Ｄは株式分割発表でストップ高。対して、直近新規公開株のモビルスやメディア総研は安い。

チャート上では大きくギャップアップとなり、ボリンジャーバンドの+3σ（2万9,545円）に到達。いよいよ大台の3万円台回復が視野に入ってきた。

※ナイトセッションの日経平均先物は3万円台の推移となっている。

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【「日本が変わる」総裁選相場号砲】
日本証券新聞9月7日（火）紙面1面TOP記事掲載

TOPIX連日の高値、日経平均3万6,000円説も

政局の“変動”を受けて相場つき一変となるケースは少なくない。

典型例が2012年11月を起点とするアベノミクス相場であり、米国絡みなら、16、20年の各大統領選挙を機に大きく上放れた経緯が思い浮かぶ。そして今回も、菅義偉首相が唐突な辞意を表明した3日にTOPIXが3月19日高値を更新。半年に及んだ膠着展開がまるで嘘のような軽やかな値運びだ。8月17日付本紙で、クレディ・スイス証券の白川チーフ・エコノミストが外国人投資家について「彼らは買いたがっており、相場は上に行きたがっている。政権(首相)交代で“足カセ”が外れれば、急激に変化する可能性も十分」と語ったが、ちょうどそうした展開に進みつつあるようだ。

大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは6日付レポートで「11月3万2,000円から年度末3万6,000円へ」などとしした(新総裁がコロナ対策で日本医師会の協力を得られるかが焦点とされる)。

6日にかけては「『菅首相不出馬』と3つの注目点」(野村)、「菅首相自民党総裁選出馬断念後の見通し」(大和)、「構図が変わった総裁選と衆院選、経済対策を考えるポイント」(SMBC日興)――など各証券ストラテジスト、エコノミストのレポート発行が相次ぎ、市場には“にわか政治評論家”続出。前週までの「菅VS岸田」一騎打ちモードから乱戦模様に転じるなか、一躍本命格に浮上してきたのが河野太郎規制改革相だ。