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コラム2021年9月10日

【本日のマーケット】9月10日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

9月10日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で  NYダウは4日続落。週間の新規失業保険申請件数は31万件と、市場予想の33万5千件を下回り、昨年3月中旬以来、約1年半ぶりの低水準となった。バイデン政権が薬価引き下げの包括案を発表したことを受けて、イーライ・リリーやメルクなどの製薬会社が売られた。NYダウは前日比151ドル(0.43%)安の34,879ドル。ナスダックは続落。アマゾンやネットフリックスが安い。NASDAQ総合指数は前日比38ポイント(0.25%)安の15,248ポイント。S&P500指数は前日比20ポイント(0.46%)安の4,493。

本日の東京市場は、メジャーSQを迎え反発でのスタート。SQ値は3万85円と3万円大台での着地となった。香港株が反発したことが好感され10時30分以降騰勢を強め、高値圏で推移。新政権による大型景気対策への期待も継続して幅広い銘柄が上昇。全体の9割近い銘柄が上昇となる全面高商状。引けにかけて買われ高値引けとなり、大引けの日経平均は373円高の3万381円。売買代金は3兆9,283億円と連日で3兆円越え。TOPIXは26ポイント高の2,091ポイントとバブル崩壊後の高値を更新。

新興市場も共に反発。JASDAQではフェローテックとウエストHDが買われた。アルファクスは配膳AIロボットをサイゼリヤが実証実験していることでストップ高。一方、酸素濃縮装置のフクダ電子は続落した。マザーズではBASEがみずほ証券による新規「買い」判断で急騰。HENNGEが大幅高となり、グローバルウェイとChatworkが反発。対して、ハウテレビジョンやアディッシュは下落。

日足チャート上では、9本連続の陽線。年初来高値の3万714円も目前。3週間前の2万7000円割れから年初来高値水準までの急騰を見せ、ボリンジャーバンドの+2σ上での動き。過熱感はあるものの、本日のローソク足の形状を見る限り、来週以降も強い相場展開となりそう。週足では、窓を空けて上放れ。完全に景色が変わって来た。TOPIXは2091ポイントまで上昇となり年初来高値を更新。この水準はバブル崩壊後の高値に到達。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式相場は一気に活気づいています。1週間前に菅義偉首相が退陣を表明して以来、株式市場が大きく動き出しました。

日経平均は今週の水曜日まで8日続伸し、一気に3万円の大台を突破しました。テクニカル的な過熱感もあって、木曜日には1日だけ値下がりしましたが、金曜日には早くも上昇に転じ、大台固めに入っています。

TOPIXは3月の直近高値を抜いて、バブル崩壊後の高値に到達しました。むしろこちらの方が重要な転機を示しているように思います。

日経平均の3万円乗せは今年2月、3月、そして4月とありました。しかしいずれも大台乗せはワンタッチとなっただけで定着しませんでした。それが今回とは異なります。

しかも当時は日銀によるETF買いが下値には常に存在しました。3月下旬の金融政策決定で「金融政策の点検」が行われ、それに基づいて4月以降はETFへの買い入れは停止されています。言わば株価指数上では「下駄をはかせる」ような特殊要因が当時は存在したわけで、それが今回はなくなって初の3万円の大台到達です。

本当にマーケットの雰囲気はずいぶんと変わってきたことを実感します。菅政権下ではこのような光景は見られませんでした。とりわけ再生可能エネルギー関連銘柄、および小型成長株を広範囲に物色する動きが強まっています。

世界を見回せばリスク要因が再び押し寄せていますが、日経平均の3万円乗せは本当に通過点でしかない、と思わせるような9月相場最初の1週間となりました。この先の展開に期待が寄せられます。

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注目記事 Pick up
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【新生銀行S高、TOBの背景を追う
日本証券新聞9月13日(月)紙面1面TOP記事掲載 

敵対的M&Aの流れ、「銀行」にも波及へ

新生銀行(8303・週足)

新生銀行(8303)がザラバ値付かずのままストップ高比例配分。大株主・SBIHD(8473)のTOB(株式公開買い付け)を受けたものだ。SBIの公表は9日午後4時。新生銀も4時50分には「事前の連絡を受けておらず(中略)賛同を得て実施されたものではありません」との不快感をにじませたリリースを発行している。

今や日本製鉄が(東京製綱に)敵対的TOBに踏み切る時代とはいえ、それが銀行にまで及んできたことは市場にも大きなインパクトを与えた。

TOB価格は2,000円(9日終値1,440円から38.8%のプレミアム)。8月下旬にはモルガン・スタンレー、SMBC日興各証券が相次いで新生銀の目標株価を引き下げ、ともに1,600円台としていた経緯がある(7月のクレディ・スイス証券も1,600円台)。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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9月10日(金)☆[概況/大引け] 

土日は自民党による電波ジャックへの期待で、日経平均は高値引け。香港株反発も好感。東エレク12連騰。レノバの上昇も継続

大引けの日経平均は373円高の3万381円、TOPIXは26ポイント高の2,091ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,923、値下がり銘柄数は222。出来高は14億8,600万株、売買代金は3兆9,283億円。
土日は自民党による電波ジャックへの期待で、日経平均は高値引け。

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