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コラム2021年11月12日

【本日のマーケット】11月12日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

11月12日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で NYダウは3日続落。手掛かり材料が乏しかったことや、ディズニーが7~9月期の動画配信サービス加入者数でアナリスト予想を下回り売られたことが作用した。一方、ファイザーはインディペンデントリサーチが投資判断を引き上げたことで買われた。電気自動車用バッテリーメーカーのクオンタムスケープが高い。 NYダウは前日比158ドル(0.44%)安の35,921ドル。ナスダックは反発し、半導体関連のエヌビディアとAMD、フィンテック企業のアファームに押し目買いが入った。NASDAQ総合指数は前日比81ポイント(0.52%)高の15,704ポイント。S&P500指数は前日比2ポイント(0.06%)高の4,649。

本日の東京市場は、続伸でのスタート。NYダウは3日続落となったものの、ナスダックは反発し、フィラデルフィア半導体指数が上昇したことが追い風となった。寄付き後の11月限のオプションSQ値は2万9,388円となったが、ここを下回ることなく推移。一時383円高の2万9,661円まで上昇を見せた。政府の行動制限緩和策による消費者心理の改善が期待され、また、グローバル株式市場との連動が指摘されてきた米シティグループ算出のエコノミックサプライズ指数が米中で改善傾向にあることも好感された。大引けの日経平均は332円高の2万9,609円。売買代金は2兆9,426億円。TOPIXは26ポイント高の2,040ポイント。

新興市場は共に上昇。JASDAQ平均は続伸。シンバイオ製薬は第3四半期累計決算が営業黒字となりストップ高。アンビスは営業利益が倍増し、1対2の株式分割も発表したため急騰。シライ電子は通期予想を上方修正しストップ高。一方で、SEMITECは通期予想据え置きで売られた。マザーズは2%超の大幅反発。アスタリスクが大幅続伸となり、GMO-FGとNexToneは好決算で急伸。対して、FRONTEOは続落となり、JTOWERは反落。

日足チャート上では、5本連続の陰線のあとの2本連続での陽線。本日は寄付きが安値の強い足となり、5日移動平均線も上抜き、週末を迎えました。週足では、長い下ヒゲを伴い13週移動平均線をサポートとして切り返し。来週に期待を持たせる形状となりました。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。3月決算企業の決算発表も大詰めを迎え、今週もたくさんのニュースがマーケットには飛び交いました。

日経平均は不安定ながらも週末は上昇し、29,000円台を保ちました。純資産から見た解散価値(PBR)ではちょうど1.30倍をキープしています。

コロナウイルスによる経済活動の制約は徐々に解かれ、米国ではファイザー製の経口治療薬が認可されました。それに合わせるかのように米国政府は観光客に対して20か月ぶりに国境を開きました。日本では留学生、技能実習生にほんのわずかながら門戸を開放された段階です。

イギリス・グラスゴーでのCOP26は会期末が目前に迫り、各国の主張が激しくぶつかりあうようになっています。何よりも先進国と途上国の思惑の違いが歴然としており、参加国すべての合意を取りつけるのが難しいようです。2030年における温暖化ガスの削減目標の設定はどうやら先送りされることとなりそうです。

予断は許されませんが、世の中の大きな流れはコロナ危機からの脱出、経済活動の再開を志向しています。世界中で国際航空便が再開されれば、時間はかかるものの人の流れがもとに戻り、需要と供給とのミスマッチは解消に向かいます。半導体不足や資源価格の高騰も徐々に解決する方向に向かいます。

世界の需要と供給は非常に微妙なバランスの上に成り立っています。そのために時として政治的な問題となり、供給不安が常につきまといます。コロナ危機があろうとなかろうと、私たちの行く手を阻む問題がすっかり消えてなくなる時はありません。その状況の下で成長が期待できる銘柄を選び出してゆくことが肝心です。

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注目記事 Pick up
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MSCI入れ替えで読む東京市場
日本証券新聞11月15日(月)紙面1面TOP記事掲載 

「5増21減」→「0増29減」→「2増15減」 日本株減少続くが…

12日の日経平均は一時383.36円高。前夜のニューヨークダウ下落に抗しての大幅上昇は2日連続だ(ただし、11日のS&P500指数は小幅高)。11月第1週(1~5日)の外国人売買が3週ぶりの買い越しに転じたこともあり(現物・先物合算では2週ぶり)、日本株見直しの流れを指摘する声も聞かれた。

日本時間12日早朝には、“グローバル投資家ご用達”のMSCI指数半期見直しが発表された。日本株については2銘柄新規採用・15銘柄除外の「差し引き13銘柄減」。昨年11月の「5増/21減」、今年5月の「除外のみ29銘柄」ほどではないが、表①の構成国別銘柄増減の示す通り、やはり日本株は1人負けの様相だ。もっとも、前回発表当日の5月12日が(米国株安を受けたとはいえ)461.08円安だったのに対し、今回は大幅続伸の反応。「5月の29銘柄除外に比べ、厳しさが和らいだこともポジティブ要因か」(12日付大和証券レポート)との見方も生じていた。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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11月12日(金)☆[概況/大引け] 

政府の行動制限緩和策による経済正常化期待で、不動産やリクルートが高い

大引けの日経平均は332円高の2万9,609円、TOPIXは26ポイント高の2,040ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,698、値下がり銘柄数は421。出来高は13億2,145万株、売買代金は2兆9,426億円。
日経平均は続伸。政府の行動制限緩和策による消費者心理の改善が期待され、経済正常化で恩恵を受ける不動産株や人材関連のリクルートが買われ、景気敏感セクターの鉄鋼株も高い。

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