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コラム2022年8月5日

【本日のマーケット】8月5日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

月5日(金)のマーケット                                                                   

8月4日の米国株式市場は高安まちまち。5日に発表される雇用統計を控え、様子見姿勢となり、NYダウは反落。英イングランド銀行が0.5%の利上げを決定した。各国の金融引き締めで世界景気が減速するという見方から相対的に安全資産とされる米国債が買われ、米国長期金利は低下した。ウォルマートは先週、利益見通しを下方修正したが、オフィス従業員を対象に約200人の人員削減を行っていると報じられ、売られた。サービスナウとビザは上昇。NYダウは前日比85ドル(0.26%)安の32,726ドル。ナスダックは金利低下でハイテク株が買われたため続伸。AMDとアマゾン、コインベースが買われた。NASDAQ総合指数は前日比52ポイント(0.41%)高の12,720ポイント。S&P500指数は前日比3ポイント(0.08%)安の4,151。

日経平均は3日続伸となり、2万8000円台乗せ。中国が7日に軍事演習を終了すればリスク・オンになるという期待から台湾株が買われ、日経平均もリスク・オンへ。プライム市場では、任天堂が買われ、日本製鉄は通期の一過性要因を除いた実力事業利益見通しを据え置いたことが好感された。大阪チタニウムは通期黒字見通しと復配を発表し急反発となり、UACJは好決算で急伸した。一方、シスメックスは大幅減益となり売られた。IIJは第1四半期決算の通期予想に対する進捗率が低く売られた。

スタンダード市場では住石HDが上昇し、ガーラと光・彩が反発。高田工業所は化学プラントの定修工事の完成が増えたことで大幅増益となり買われた。ぷらっとホームが大幅高。一方、直近新規公開株の日本ビジネスシステムズは利食い売りで反落。青山財産は上期が営業減益で下落。

グロース市場では、直近新規公開株のHOUSEIが連日の上昇を演じ、本日新規公開したクラシコムも買われた。ケアネットはみずほ証券が新規に「買い」と発表したことで注目された。ユーザベースは大幅減益で売られ、BASEは上期営業赤字で下落。エネチェンジは5日続落。

日足チャート上では、節値の2万8000円を終値でクリア。6月9日以来の高値水準となった。週足では3週連続の陽線となり、戻りを試す展開。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式市場は先週から保ち合い感が強まりましたが、いよいよ新しい動きを始めたようです。日経平均は週末に、抜けそうで抜けなかった28,000円の大台を超えてきました。

注目された米国のFOMCは先週の段階でひとまずクリアしました。今年4回目の利上げが0.75%と決定された直後から、これまで物価を押し上げていた米国の「強すぎる景況感」が少しずつ後退している模様です。

それを象徴するのが原油価格の動きです。WTI先物で90ドルの大台を下回ってきました。インフレに対する世の中の見方は徐々に低下しており、政策金利の引き上げペースはスローダウンするとの見方から、為替市場では今週初に130円までドル安・円高に振れています。

決算発表も佳境を迎えており、製造業、非製造業を問わず業績好調の企業が現われています。それが日経平均がいよいよ大台を突破する原動力となっています。決してマクロ経済環境の好転ばかりではありません。業績好調が確認された銘柄の押し目を待って、根気よく投資してゆくのが得策でしょう。

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注目記事 Pick up
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【中堅建設株に“再編の季節”
日本証券新聞8月8日(月)紙面1面TOP記事掲載 

元首相ファミリー企業が台風の目か!?

前日に「旧村上ファンドの保有比率10%超に」と報じられたコスモエネルギーHD(5021・P)は5日も大幅続落。さしもの剛腕ファンドも地合いには勝てず。前夜の原油先物がウクライナ危機前の2月上旬以来の安値を付け、資源株全般総崩れとなっているためだ。とはいえ、アクティビストの動き自体は依然として活発だ。「旧村上ファンド」ことシティインデックスイレブンスで言えは、7月26日付で買い増し報告を行ったセントラル硝子(4044・P)が2日に最高値を形成。また7月22日には大豊建設(1822・P)の保有減(43.36%→3.55%)も発表している。TOB(株式公開買い付け)応募による利食い成功を示すものだ。

ちなみに、大豊建設はTOBで自社株を買い付ける一方で、第三者割当増資を実施して、麻生の傘下入りとなった。セメント製造の麻生は、麻生太郎元首相のファミリー企業で、現在は甥の麻生巌氏が社長を務める。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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8月5日(金)☆[概況/大引け] 

中国の軍事演習終了後のリスクオンに期待。東京エレクと任天堂、日本製鉄が高い

大引けの日経平均は243円高の2万8,175円、TOPIXは16ポイント高の1,947ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,359、下落銘柄数は419。出来高は12億1,246万株、売買代金は2兆8,716億円。
中国の台湾周辺での軍事演習が7日(日)で終了すれば、リスクオンになるという期待で、台湾株が買われ、日経平均も2万8,000円に乗せた。

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