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コラム2022年9月16日

【本日のマーケット】9月16日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

9月16日(金)のマーケット                                                                   

9月15日の米国株式市場は反落。経済指標は強弱入り混じる結果となった。8月の小売売上高は前月比0.3%と予想の前月比変わらずに対して増加したが、鉱工業生産は前月比0.2%減と予想の0.1%増よりも低下した。セールスフォースなどのハイテク株が売られ、長期金利の上昇を受けてバンク・オブ・アメリカなどの銀行株は買われた。NYダウは前日比173ドル(0.56%)安の30,961。ナスダックではアドビは、ソフトウエア設計分野のスタートアップ企業、米フィグマを買収するが、買収規模が約200億ドル(約2兆8,700億円)で財務負担が警戒され、急落した。NASDAQ総合指数は前日比167ポイント(1.43%)安の11,552。S&P500指数は前日比44ポイント(1.13%)安の3,901。

米国株反落に加え、日本の3連休や来週の米FOMCを控え、様子見姿勢から日経平均は下落した。プライム市場では、Wスコープは韓国子会社のKOSDAQ上場の公募価格が想定を下回る見通しと報じられ急落。東京エレクは来期の減益観測報道で売られた。海運株が下落し、三菱重工やIHIなど防衛関連も安い。アスクルは第1四半期が営業減益で追加コストの可能性もあるため大幅安。一方、米国の銀行株高を受け邦銀も上昇。M&Aキャピタルは通期大幅上方修正で急騰した。

スタンダード市場では、フェローテックと田中化研、ハーモニックが売られ、リサイクル関連のアサカ理研は利食い売りに押された。一方、幸和製作所とトレードワークスは自社株買いの発表で急騰し、日タングステンは増配で上昇。アマテイは「木割れ最強釘」が建築業界で注目と報道。

グロース市場では、ビジョナルが反落し、アライドアーキテクツは大幅安。ANYCOLORは2日連続ストップ高。サイバー・バズはWithLIVEを子会社化でストップ高。HOUSEIは顔パスでセキュリティ解除を発表し急騰。交換できるくんはSBIが新規「買い」判断。

日足チャート上では、週の前半では戻りを試し2万8659円まで回復を見せるも、CPIショックを受けて大きく下落。再びサポートラインとなるのは200日移動平均線となるか、注目される。週足では大陰線を引き、前週の上昇を打ち消す格好となった。13週移動平均線近辺で下げ止まった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。マーケットでは今週も大きな出来事が相次ぎました。

米国では注目された8月・CPIが発表され、物価の上昇率は予想を下回ったにもかかわらずマーケットは厳しい反応を示しました。何よりもショックだった点は、エネルギー価格の騰勢が収まりつつあったのに物価の上昇が一向に止まらない点です。

これを受けて米国の株式市場は急落しました。9月13日(火)のNYダウ工業株は▲1276ドルの下落となり、今年最大の下げ幅を記録しました。6月に世界中のマーケットを揺さぶった「5月・CPIショック」の再来に身構えています。

ただしその一方では、秋の旅行シーズンに合わせて、10月からは「GoToトラベル」の後継となる「全国旅行支援」が始まります。現在は各都道府県で実施している「県民割」などの地域振興策と置き換えて、全国どこへ行くにも最大で1万円強のクーポン券配布が適用されます。

もともと動きの少なかった日本の株式市場です。下値リスクは少なく、むしろここからは上値余地の方が十分に残されていると見ることができそうです。押し目買いに好機がありそうな局面となってきたようです。

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注目記事 Pick up
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どうなる!?決戦の“中銀ウィーク”
日本証券新聞9月20日(火)紙面1面TOP記事掲載 

6月の経緯を振り返ると… 波乱・底入れ・急反転も

前夜の米国株安を受けた16日の東京市場は日経平均308.26円安の急反落となった。16日付「イベント読み筋」で触れた通り、翌週は日・米・英・スイスをはじめスウェーデン、ブラジル、トルコ、ノルウェー、南アフリカでも中央銀行政策会合の相次ぐ“中銀ウィーク”。国内は3連休控えとあって見送りムードが広がっている。

先の“CPI(消費者物価指数)ショック”の余韻を残したまま迎える20~21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)が最大の焦点となる。

席上で決まる利上げ幅に関心が集まるが、FF金利先物価格から逆算して市場の織り込み度合いを読む「Fedウォッチ」によれば、1%利上げの確率は24%で、0.75%利上げが76%。「1%」の織り込み度合いは低い。初期反応で「0.75%ならひとまずの安心感で買い、1%なら再度のショック安」といった展開が想定されるが、続く11、12月FOMCでも追加利上げは必至の情勢にあり、むしろ、その辺を占うパウエル議長会見が重視されてきそうだ。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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9月16日(金)☆[概況/大引け] 

3連休と米FOMCを控え下落。Wスコープはストップ安。米物流大手フェデックスの通期見通し撤廃で邦船も下落

大引けの日経平均は308円安の2万7,567円、TOPIXは11ポイント安の1,938ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は551、下落銘柄数は1,234。出来高は14億1,756万株、売買代金は3兆4,047億円。
米国株反落に加えて、日本の3連休と米国で20日から21日に開催されるFOMCでは大幅利上げの継続が警戒されているため、日経平均は売られた。

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