TOP  NSJアップデート  コラム  【本日のマーケット】2月24日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿
コラム2023年2月24日

【本日のマーケット】2月24日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

2月24日(金)のマーケット                                                                   

2月23日の米国株式市場でNYダウは3日ぶりに反発し、ナスダックは続伸となった。画像処理半導体のエヌビディアは2~4月期の売上高見通しがアナリスト予想を上回ったことで買われ、他のハイテク株も上昇したことを受けて、主要3指数は上昇して始まった。だが、米国株の取引開始前に発表された第4四半期のコア個人消費支出(PCE)価格指数(デフレータ)の改定値が前期比年率4.3%上昇と、速報値の3.9%から上方修正されたことで、FRBによる利上げ停止期間が遠のくという見方も意識され、買い一巡後は下落に転じた。そして、終盤は再び切り返した。NY証券取引所では暗号資産関連のブロックやオラクルが買われ、ドミノピザやGMは売られた。NYダウは前日比108ドル(0.33%)高の33,153ドル。ナスダックではエヌビディアが大幅高となり、AMDやアプライドマテリアルも高い。NASDAQ総合指数は前日比83ポイント(0.72%)高の11,590。S&P500指数は前日比21ポイント(0.53%)高の4,012。

米画像処理半導体のエヌビディアの売上高見通しがアナリスト予想を上回ったことや、台湾のTSMCが日本に建設する2番目の工場への総投資額は1兆円超と報じられ、半導体関連株が物色された。高配当利回りの海運も高い。植田日銀総裁候補が国会の所信聴取で「金融緩和を継続する」と述べたため、不動産株が買われ、銀行株は売られた。旭ダイヤは株式会社MI2が5%超保有していることが判明し大幅高。武田薬品はシティグループが格下げ。

スタンダード市場では、Eインフィニティがストップ高で13連騰。GCジョイコが大幅高。ウッドワンは低PBR銘柄物色で大幅続伸となった。近畿車両は昨年来高値を更新した。今月株価調整が続いていた東洋合成は押し目買いが入り切り返した。一方、オーミケンシは反落。

グロース市場では、東京通信が持ち株会社への移行を発表し経営資源最適化への期待で上場来高値を更新。サスメドは不眠障害治療アプリが欧州でも特許査定を受けたことで買われた。イメージマジックとアミタがストップ高となった。INTLOOPやヘッドウォータースは売られた。

日足チャート上では、一昨日に下抜けた各移動平均線を一気に回復。25日移動平均線(2万7,418円)の攻防となった。週足では長い下ヒゲを伴う陰線。下値抵抗を見せた1週間となった。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  

鈴木一之です。2月も後半戦ですが、事態は好転の兆しが見えません。

ウクライナ戦争では、ロシア軍が劣勢に立たされていることは報道ベースでも明らかです。しかしそれがかえってプーチン大統領の姿勢を一段と戦争継続へと向かわせています。日本が議長国を務めるG7は財務相・中央銀行総裁会議を開き、5兆円を上回る追加の支援策を決定しました。

大国が武力によって国境線の変更を企てる行為が、現実のものとして起こる世の中に世界は変貌してしまいました。目下の最大の懸念は、台湾に対する中国の武力による併合です。ウクライナ紛争もそうでしたが、台湾問題に関しても米国がしきりと事前に警鐘をならしています。

産業界および庶民の暮らしにとって問題となるのは、やはり有事の際の原油価格をはじめとするエネルギー、および一次産品価格の高騰です。現在のインフレ傾向がさらに弾みがつくことになり、エネルギーの調達先の確保、代替エネルギーの確立が急がれます。

企業はそれぞれに見えないところで大きな時代の変化に対処しようとしています。外部からは見えにくいところに日本企業のバリューがひそんでおり、株価が下振れする場面ではそのようなバリューが底値を支えてくれることになるはずです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【注目テーマを先取り! 熱を帯びる「6G」覇権争い
日本証券新聞2月27日(月)紙面1面TOP記事掲載 

IOWN構想始動

通信大手ノキア(フィンランド)、NTTドコモ、NTT(9432・P)が15日、次世代通信技術「6G」への道のりにおいて2つの重要な技術開発に成功したと発表。3社は昨年6月から6Gパートナーシップを開始している。

1つ目はAIと機械学習を無線インターフェースに実装し、実質的に6G無線に学習機能を搭載、2つ目は新しいサブテラヘルツの周波数帯域を利用して、ネットワークの通信容量を劇的に向上させる。ノキアは「これらの技術によって、新しい没入型メタバースとクロスリアリティ(XR)体験、新世代のモバイルアプリケーションへの道が切り開かれることになるだろう」としている。

日本政府は2030年ごろの6G実用化に向け、研究開発を支援する基金を新設する方針。25年までに要素技術を確立し、その成果を大阪・関西万博でお披露目するとの案も聞かれる。また、現行の5Gの必須特許はファーウェイを筆頭に海外4社が5割強を占めている状況だが、日本は6Gの必須特許シェア10%以上を目指し、巻き返しを図ろうとしている。

早くも世界中で特許競争が過熱しており、中でも日本勢はテラヘルツ波や全光通信などの領域で健闘が期待される。

・・・続きは紙面・Digital版で!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2月24日(金)☆[概況/大引け] 

半導体関連と海運株が買われ、植田日銀総裁候補の所信で不動産株も上昇し銀行株は下落

大引けの日経平均は349円高の2万7,453円、TOPIXは13ポイント高の1,988ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,333、下落銘柄数は441。出来高は12億3,456万株、売買代金は3兆339億円。
米国で画像処理半導体のエヌビディアが2~4月期の売上高見通しでアナリスト予想を上回り急騰したことや、台湾のTSMCが日本で2番目の半導体工場の総投資額は1兆円以上との観測報道も支援材料となり、東京エレクトロンやアドバンテスト、ディスコなどが買われた。

詳しくはコチラ

関連記事