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コラム2023年3月3日

【本日のマーケット】3月3日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

3月3日(金)のマーケット                                                                   

3月2日の米国株式市場は上昇。第4四半期の労働コストの伸び率が上昇修正されたことで金利が上昇したが、アトランタ地区連銀のボスティック総裁が3月のFOMCでは0.25%の利上げが望ましいと述べたため、0.5%の利上げ観測が後退し、高水準だった金利がやや上昇幅を縮め、株式は買われた。セールスフォースは今期業績予想と自社株買い計画を拡大したことで急騰した。ボーイングはルフトハンザ航空からの受注で買われた。ビッグデータの保管管理のスノーフレークは第1四半期の売上高予想がアナリスト予想を下回ったため急落。NYダウは前日比341ドル(1.05%)高の33,003ドル。ナスダックは3日ぶりに反発。エヌビディアとAMD、インテルが買われたが、テスラは「マスタープラン(基本計画)」に次世代モデルの具体的な内容が盛り込まれなかったことで売られた。NASDAQ総合指数は前日比83ポイント(0.73%)高の11,462。S&P500指数は前日比29ポイント(0.76%)高の3,981。

アトランタ連銀の総裁が0.5%ではなく0.25%の利上げを支持し、利上げの停止は夏の半ばか後半までの可能性と述べたため、米国で成長株が買われ、東証プライム市場は広範囲に上昇。レーザーテックは来週とみられる日経平均銘柄入れ替えで採用予想も寄与。ファーストリテは2月売上を好感。サイボウズは著名投資家の井村氏が株主となっていることが株主総会招集通知で判明し急騰。三菱商事や三井物産が高く、大塚HDは売られた。

スタンダード市場では、Eインフィニティは信用取引規制が強化されたが続伸。Abalanceは決算説明の動画配信を受け続伸。野崎印刷や日本出版貿易が買われた。シーズメンは中国京東グループのサイフの保有株比率上昇で高寄りしたが、その後は下落。オーウエルが反落。

グロース市場では、ピアズがチャットGPT搭載のAIロールプレイング(疑似接客)システムの実証実験でストップ高。BTMは八十二銀行と地方企業のDX化課題解決に向けた協業で大幅高。ELEMENTSは信用取引規制解除で上昇したが、ヘッドウォータースは規制措置で続落。

日足チャート上では、ギャップアップとなり大陽線。収斂していたボリンジャーバンドは、+2シグマを飛び越え+3シグマ(2万7,977円)目前まで上昇。2月10日以来のパラボリック陽転も示現し、年初来高値更新となった。週足でも大陽線となり、一目均衡表の雲の上限を突破。来週は景色が変わって来るか注目される。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。小売業界から発表される2月の月次売上高は、びっくりするくらいに伸びています。

百貨店では、阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オーリテイリング(8242)の2月の全店売上高は前年比+30.9%も増加しました。宝飾品やブランド品を中心に高額商品が牽引して1月の+10.3%から大幅に伸びています。

首都圏を地盤とする三越伊勢丹HD(3099)も2月の売上高は+35.8%の高い伸びを記録しました。1月の+26.8%の伸びに続いての高水準です。

米国では金融政策が再び引き締めモードに入るとの見方が強まっています。日本でも黒田日銀総裁にとっての最後の決定会合が来週予定されています。サプライズで貫かれた10年間の任期の最後の最後に、またもやサプライズ的な政策変更はあるのか。これも株式市場の見送りムードに拍車をかけています。

それでも日本国内を見れば、実体経済は力強さを取り戻しつつあります。そういう時の株価はそれほど値下がりしないものです。しびれを切らすことなく事態の好転を待ち続けていたいものです。

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注目記事 Pick up
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【「SX」 企業でも対策続々
日本証券新聞3月6日(月)紙面1面TOP記事掲載 

丸紅はコンサル、NTTは地場企業と協定

経済産業省が「SX」(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を重視し、SX銘柄を創設するなど推進姿勢を見せていることは2月17日付本紙2面で報じた通りだが、民間企業でも「SX」を掲げた動きが相次いでいる。

SXは環境問題など社会課題に対応するとともに企業の稼ぐ力を強化し、長期的、持続的な企業価値向上に取り組むもの。丸紅(8002・P)は2月27日、子会社のドルビックスコンサルティングとともに、SX推進支援サービスを開始した。

グーグルクラウドを活用した情報の一元管理や可視化・分析を行うプラットフォーム「SXデータステーション」を設置。サステナビリティ関連情報の収集、一元管理のほか、企業の非財務情報や外部環境変化のリスクなどを分析する。さらに、両社の様々な業界への知見やデジタルへのノウハウをコンサルティングサービスとして提供する。

丸紅は中期経営戦略でグリーン戦略を推進しており、SX支援サービスを活用。培ったノウハウを国内外の企業に提供していく。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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3月3日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均は428円高の2万7,927円。アトランタ連銀総裁のハト派発言を好感

大引けの日経平均は428円高の2万7,927円、TOPIXは24ポイント高の2,019ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,479、下落銘柄数は279。出来高は12億6,864万株、売買代金は3兆2,500億円。
2日の米国でアトランタ連銀の総裁が0.5%ではなく0.25%の利上げを支持し、利上げの停止は夏の半ばか後半までに可能性と述べたため、米国で成長株が買われた。
これを受け、3日の東証プライム市場は広範囲に上昇し、日経平均は400円を超える上げ幅となった。

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