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コラム2023年3月17日

【本日のマーケット】3月17日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

3月17日(金)のマーケット                                                                   

3月16日の米国株式市場は上昇。ウォール・ストリート・ジャーナルがJPモルガン・チェースやシティグループなど大手行がファースト・リパブリックへの支援策を協議していると報じ、その後、財務省は、米大手銀11行が合同で中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクに対して合計300億ドル(約4兆円)を預金すると発表した。ファースト・リパブリック・バンクが買われ、金融システム不安の緩和で、JPモルガン・チェースやUSバンコープ、ウェスタン・アライアンス・バンコーポレーションも高い。NYダウは前日比371ドル(1.17%)高の32,246ドル。NASDAQ総合指数は前日比283ポイント(2.48%)高の11,717。S&P500指数は前日比68ポイント(1.76%)高の3,960。

米国金融不安が後退したが前場の上げ幅は限定的だった。だが、米国金融機関の貸出態度厳格化がディスインフレ圧力をもたらすと金利が低下するという見通しからグロース株が買われ、後場は上げ幅を拡大した。レーザーテックや東京エレク、ソニーG、キーエンス、HOYA、ソシオネクストが高い。その他、武田や第一三共といった医薬品が上昇。サンリオは通期業績予想と配当予想を増額しストップ高。一方、鉄鋼や非鉄などのバリュー株は安い。

スタンダード市場では、太陽光パネル製造会社のAbalanceは、ベトナムで一貫生産に伴い、利益が大幅に向上することや来期に東証プライム市場への指定替えの検討が好感された。Eインフィニティとマツモト、アクセスが大幅高。半面、FVCやトミタ電機が売られた。

グロース市場では、プライム市場への変更申請のANYCOLORが2日連続ストップ高。EduLabはAI自動採点エンジンの提供を開始でストップ高。MacbeePは業績上方修正でストップ高。ビジョナルはビズリーチ事業の第2四半期が第1四半期比減収だったことで急落した。

日足チャート上では、先週までとは真逆の展開で大きくギャップダウンの連続となり、一時は2万6000円台まで下落。各移動平均線も下抜け、昨日のボリンジャーバンドのマイナス2シグマ(2万6,847円)で切り返した。流石に売られ過ぎ水準であるため、目先は自律反発局面。週足では、長い下ヒゲを伴う陰線。13週・26週移動平均線の上で踏み止まっており、大きなトレンドの中では保ち合いのレンジ内に位置。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。物事の展開するスピードが速すぎて息をつく間もありません。この1週間で株式市場を取り巻く状況はがらりと変わりました。変化の速度が加速しています。

問題の震源地となった全米第16位の地銀、シリコンバレーバンクは3月8日に増資を発表したことから財務状況に疑念がわきあがり、わずか2日後の3月10日に経営破綻するに至りました。この短時間の間に5兆円を越える預金が引き出さたと言われます。

3月8日と言えば、世界の金融市場はもっぱらパウエル議長の議会証言に注目していた時期です。この時の議長の議会証言は、利上げ幅の再拡大とターミナルレートの引き上げを匂わせる内容でした。皮肉なことにそのすぐ足元でSNS時代の金融不安が芽生えていたのです。

すぐには市場の乱高下は収まらないでしょうが、それでも売られるべきものが売られ、買われるべきものがすべて買い戻されればれば、徐々に落ち着きが戻ってくることになるはずです。

混乱の中でもほとんど影響を受けていない銘柄が多数存在します。半導体、電子部品、ドラッグストアなど、そのほとんどが「中央銀行トレード」の外側にいた銘柄群と見られます。しばらくはそれらの堅調さが続くことになりそうです。

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注目記事 Pick up
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【優待制度、個人投資家のモチベーションに
日本証券新聞3月20日(月)紙面1面TOP記事掲載 

人気上位は東日コンシスと上新電機! マネックス調査

株主優待制度が投資のモチベーションになる個人投資家が8割にも上ることがマネックス証券の調査で分かった。日本独自とも言われる株主優待制度の人気が根付いていることがうかがわれる。

調査はマネックス証券の口座保有者に2月27~3月5日に行われ、5,862人が回答した。株主優待が投資のモチベーションに「なる」と答えた人は78%で、「ならない」の17%を圧倒した。優待がある企業を保有している人は88%と大半に上った。保有している優待銘柄数については2銘柄以上5銘柄未満が44%と約半数。複数の銘柄で優待制度を活用していることになる。1銘柄は13%しかいなかった。30銘柄以上保有している人も5%いた。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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3月17日(金)☆[概況/大引け] 

米銀貸出態度厳格化はディスインフレ圧力となり、金利低下をもたらすため、グロース株を物色

大引けの日経平均は323円高の2万7,333円、TOPIXは22ポイント高の1,959ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,350、下落銘柄数は424。出来高は16億4,105万株、売買代金は3兆6,788億円。
経営不安のファースト・リパブリック・バンクに対し、JPモルガン・チェースなど米大手銀行が合計で300億ドル(日本円でおよそ4兆円)預金することが発表された。
金融システム不安が緩和され、米国株高となったことを受けて、日経平均も反発したが、前場の上げ幅は限定的だった。

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