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コラム2023年3月31日

【本日のマーケット】3月31日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

3月31日(金)のマーケット                                                                   

3月30日の米国株式市場は続伸。金融システム不安の後退により、主要3指数は続伸で始まったが、翌日にFRBが重視すると物価統計である、個人消費支出(PCE)価格指数の2月分の発表を控えいるため伸び悩み、NYダウは小幅安となった場面もあった。だが、ハイテク株に買いが入ったため、後半は再び上向きとなった。メディケア(高齢者・障害者向け医療保険)給付対象者向けプライマリーケアセンターを運営するオーク・ストリート・ヘルスが大幅高。ドラッグストアのCVSヘルスが買収手続きの完了を年末までという従来見通しから、上期中に早めた。NYダウは前日比141ドル(0.43%)高の32,859ドル。ナスダックではラムリサーチやアナログ・デバイセズなどが買われた。NASDAQ総合指数は前日比87ポイント(0.73%)高の12,013。S&P500指数は前日比23ポイント(0.57%)高の4,050。

米国株続伸を受けて日経平均は寄り付きから2万8000円回復。東証がPBR1倍割れ企業に改善策開示を求めると報じられ、鉄鋼株が物色された。4月は外国人買いで株高傾向が意識され、ソフトバンクGや三菱UFJ、トヨタなどの主力株が買われ、三井物産は総還元性向の引き上げ検討で注目された。東京都競馬はオアシス・マネジメントの保有判明で急騰。一方、海運株は下落。政府が先端半導体製造装置の対中輸出規制で東京エレクは一時下落。

スタンダード市場では、ライフドリンクカンパニーが中期経営計画で来期の計画数字の開示がポジティブサプライズとなりストップ高。ゼネテックは物流倉庫向け3Dシミュレーションソフトを手掛け、物流24年問題対策関連として4日連続ストップ高。桜ゴムは3日連続ストップ高。

グロース市場では、マイクロ波化学が大幅続伸。調整していたCANBASが大幅高。直近新規公開株のノバシステムやArent、アイビスが買われた。第1四半期の業績が低調で3月中旬に急落したtriplaが大幅高となった。一方、AI関連のシルバーエッグは大幅反落。

日足チャート上では、週初から5日移動平均線をサポートとして下値を切り上げる展開。5日移動平均線と25日移動平均線のミニGCが示現し、パラボリックも3月13日以来の陽転。週足では陽線となり、上昇する13週と26週移動平均線にサポートされた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。みずほフィナンシャルグループ(8411)がLINEと共同で設立を目指していた「LINEバンク」の構想を断念しました。

4年間を費やしてスマホ内で完結する銀行の設立を目指していましたが、システム開発がむずかしくスタートにこぎつけるには至りませんでした。

フィンテックの挫折として後々まで尾を引くことになる可能性ももちろんあります。それでもここで注目したいのは、その引き際の早さです。これまでの大手金融機関の習性であれば、事業として採算が取れないとわかっていても、ズルズルと事業を継続していた可能性があります。

それでもLINE銀行からの撤退のニュースが報じられた日、みずほフィナンシャルグループの株価は特段に下落することもありませんでした。これだけでプラスの評価が下されることはないと思いますが、マーケットがさほど気にしていない状況は前向きにとらえたいものです。

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注目記事 Pick up
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【東証 高らかに“PBR革命”宣言
日本証券新聞4月3日(月)紙面1面TOP記事掲載 

1倍割れ解消で時価総額150兆円アップへ

東証は2022年4月の市場再編で「旧1部の市場コンセプトがあいまい」という課題を解消。現在は次なる課題である「上場企業全体の企業価値向上」に向け、アクセルを踏み込む。

その象徴的な取り組みが、PBR1倍割れ企業に対する改善策の要請だ。JPX(8697・P)の清田瞭CEO(写真)は3月30日開催の定例会見で、「プライム企業の半数がPBR1倍を割る。1倍割れは米SP500で5%、欧州15%で、日本は世界的に見ても非常に高い。東証全体の時価総額は現在700兆円だが、1倍割れ銘柄が1倍になるだけで850兆円になる。『PBR改革』『PBR革命』に取り組み、企業が正当に評価されるようになれば、2030年までの日経平均最高値(1989年12月29日の3万8,957円)更新も十分期待できる」と力強く述べた。

同日、東証が公表した新指数「JPXプライム150指数」(構成銘柄は5月末発表予定、算出開始は7月3日予定)も、PBR革命を呼び起こすパッケージの一つ。PBRも選定基準にした理由について清田CEOは、「投資家から資本を預かり、そのリターンを株主にお返しするという考え方からすれば、長期にわたり1倍割れが継続していることを(経営者が)問題と感じないのは直していただく必要がある」などと述べ、経営者の意識改革を求めた。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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3月31日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均のリバランス警戒で上値は伸びなかった。東証がPBR1倍割れ企業に改善策開示を求めることで鉄鋼株が人気

大引けの日経平均は258円高の2万8,041円、TOPIXは20ポイント高の2,003ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,280、下落銘柄数は477。出来高は14億2,527万株、売買代金は3兆7,422億円。
米国株続伸を受けて日経平均は寄り付きから2万8,000円を回復した。
ただ、本日は3月3日に発表された日経平均の銘柄入れ替えのリバランスが大引けで実施されるため、新規採用のオリエンタルランドやルネサスエレクトロニクス、日本航空の買付資金を捻出するための換金売りが約2,200億円生じるという試算から上値は伸びなかった。

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