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コラム2023年5月26日

【本日のマーケット】5月26日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

5月26日(金)のマーケット                                                                   

5月25日の米国株式市場でNYダウは5日続落。格付け機関のフィッチ・レーティングスは、米国債の格付けは「AAA」を維持しているが、格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。これを受け、NYダウは一時213ドル安となったが、バイデン大統領が債務上限の交渉は妥結するだろうとの認識を示したことで、後半は一時プラスとなる場面もあった。クラウド技術を活用したビッグデータの保管・分析サービスを提供するスノーフレイクは、5~7月期の売上高見通しがアナリスト予想に届かず急落した。NYダウは前日比35ドル(0.11%)安の32,764ドル。ナスダックは3日ぶりに反発。エヌビディアが大幅高となり、AMDやブロードコムも買われた。NASDAQ総合指数は前日比213ポイント(1.71%)高の12,698。S&P500指数は前日比36ポイント(0.88%)高の4,151。

米国債務上限交渉進展期待で一時1ドル=140円台となり、日経平均も3万1000円乗せ。日米両政府が半導体などで協力の共同声明方針で半導体関連株が引き続き人気。円安で訪日観光客も増えるという見方からOLCや空運とJRも高い。丸紅など商社も堅調。川崎重工はJPモルガンが経営陣の改革と戦略の結実を評価し、投資判断を引き上げた。一方、ロシアが原油減産を否定し原油安となったため、石油関連株は安い。楽天Gは安値更新。

スタンダード市場は小幅ながら4日続落。タカトリが続落となり、名村造船と鉄人化計画は大幅反落。自動車部品メーカーのGMBは大幅続伸。アルメディオは三菱重工などとの複合材料構造体の特許を公開しストップ高。精密蒸留・精製の大阪油化は再生航空燃料関連と期待。

グロース市場も4日続落で下ブレ。マイクロアドとウェルプレイドが大幅反落。転職サービス「ビズリーチ」のビジョナルも安い。ispaceは続伸となり、monoAIはメターバース空間制作サービス開始でストップ高。エネチェンジは3日続伸となった。

日足チャート上では、週初は拡散するボリンジャーバンドのプラス3シグマに沿った動き。3万1000円台まで駆け上がりましたが、過熱感も警戒され伸び悩み。初押しで2日間の調整をこなし、割り込んだ5日移動平均線を回復しました。週足でも7週連続の上昇となりましたが、高値圏での陰線。先週の大陽線から、さすがに伸び悩みとなっており、調整色をうかがわせます。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。G7広島サミットが終わって1週間が経ちました。前後して日本の株式市場の環境が大きく変化しています。

日経平均の連騰記録は8日間でいったん途切れましたが、3万円の大台にとどまったまま依然として堅調な値動きとなっています。押し目らしい押し目を作りません。

産業界のあらゆる領域で変化が始まっているように見えます。コロナ禍の3年間で企業は自社の未来を真剣に検討し、練りに練った経営戦略を次々に明らかにしています。それが現在の株価上昇の原動力となっています。

電力業界を例にとれば、中国電力は経済産業省が電力規制料金の引上げを承認したことから、これまで未定としていた今期の業績見通しを明らかにしました。営業利益は前期の▲688億円の赤字から今期は920億円の黒字に大きく変化します。

雌伏の時間が長かっただけに、この変化は大きなうねりとなって当分の間は揺るがないものと考えられます。ここは出遅れ気味のセクターをじっくりと狙ってゆくべきです。

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注目記事 Pick up
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【半年ぶり1ドル=140円 円安の行方は!?
日本証券新聞5月29日(月)紙面1面TOP記事掲載 

ニッセイ基礎研究所 上野剛志氏に聞く

26日の日経平均は再び3万1,000円に突っかけ、22日のバブル後高値を上回る場面もあった。5月に入っての日経平均はこれで13勝4敗。25日の5日続落で4勝15敗となったニューヨークダウとの勢いの差は歴然だ。そうした背景の1つには、25日のニューヨーク市場で約半年ぶりの1ドル=140円台を付けてきた足元の円安・ドル高傾向も挙げられよう。24日付で「日本株上昇の持続性」と題するストラテジーレポートを発行したSMBC日興証券は「株高の持続にはEPS(1株利益)予想の一段の切り上がりが必要とみられ、円安進行がドライバーとみている」などとしていた。例えば外需系企業で、ニデックの為替前提は1ドル=120円、トヨタ自動車、ホンダ、コマツは同125円、ソニーと日立も130円。円安は、時価総額上位のこうした主要企業に大きな恩恵となりそうで、むろんインバウンド関連にも追い風に作用するはず。それでは、足元の円安の背景は何か。そして、その持続性は。ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミスト(写真)に話を聞いた。

――円安の背景は。

「ここ1カ月ほどで日米の金融政策の方向性の違いが強まってきた。米国では、堅調な雇用統計や家計のインフレ期待の高止まりなどから物価上昇長期化への懸念が再燃する一方、ファースト・リパブリック・バンク後の地銀破綻が生じず、金融危機への警戒感が一服。片や日本では、日銀・植田和男総裁が課題意識を持ちつつも『ねばり強い緩和継続』を繰り返しており、それが市場でも浸透してきた」

――6月13~14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)はどうなる?

「利上げ観測がにわかに高まってきた。市場で織り込まれた6月利上げ確率は現在4割強程度ながら、『6月見送り・7月再開』も含めて、次々回7月会合までに(0.25%の)利上げ1回の確率は49.5%、2回も約2割に達している」

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今日の市況概況
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5月26日(金)☆[概況/大引け] 

一時1ドル=140円台。半導体関連の人気が継続し、訪日関連も高い

大引けの日経平均は115円高の3万916円、TOPIXは0.3ポイント安の2,145ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は420、下落銘柄数は1,371。出来高は12億1,944万株、売買代金は3兆4,058億円。
米国政府債務上限引き上げ交渉について、共和党の交渉担当者であるハーン下院議員が「26日午後までに合意が得られる可能性が高い」と述べたため、一時1ドル=140円台に乗せた。日経平均は前引けに300円高の3万1,101円まで上昇したが、週末の手仕舞いで、後場は上げ幅を縮めた。

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