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コラム2024年1月12日

【本日のマーケット】1月12日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

1月12日(金)のマーケット                                                                   

1月11日の米国株式市場は、12月の消費者物価の上昇を受け、序盤に売られたが、終盤もみ合い水準に戻した。12月の消費者物価指数は前年同月比で3.4%上昇と11月の3.1%上昇と市場予想の3.2%上昇を上回ったため、早期利下げ観測が後退した。ただ、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁がインフレ率が2%の目標に向かっていると確信すれば、利下げを開始するとの認識を示したことや、米国で30年債入札が好調だったため、金利が低下したため、米国株も持ち直した。セールスフォースはアナリストによる投資判断引き上げが好感された。NYダウは前日比15ドル(0.04%)高の37,711ドル。ナスダックではエムビディアは小幅だが6日続伸となったが、テスラは売られた。NASDAQ総合指数は前日比0.5ポイント(0.00%)高の14,970。S&P500指数は前日比3ポイント(0.07%)安の4,780。

日経平均は連日の高騰。ファーストリテの好決算やマイナス金利を敬遠した家計資金がインフレ資産シフトを本格化し始めているという期待も寄与した。2日に最高値を更新したNYダウに比べて日経平均はまだ出遅れという観点から任天堂や富士フイルム、リクルート、TDKといったクオリティストックが高い。半面、東証プライム市場全体では下落銘柄の方が多かった。証券や紙パルプ、ゴム、ノンバンクは下落。ディップは業績下方修正でストップ安。

スタンダード市場では、100株を1株に併合のピクセラがマネーゲームで7日連続ストップ高。住石HDが大幅続伸。ジェーソンは株主優待制度を新設しストップ高となった。太陽光発電関連のウエストHDは第1四半期決算で大幅高。コスモスイニシアは大和ハウスが保有株譲渡で急落。

グロース市場では、ティムスは中国のバイオ企業と資本業務提携を発表しストップ高。データセクションとベビーカレンダーは反発。チームスピリットは上期の営業赤字が従来予想に対して縮小する見通しで買われた。DX化支援のABEJAは第1四半期の利益水準が低く売られた。

日足チャート上では上下にヒゲを伴う十字足。連日で大きくギャップアップとなり、一気に3万5800円台まで上値を伸ばした。今週は連日でボリンジャーバンドのプラス3シグマのバンドウォークとなっており、流石に一服となっても良い水準。週足でも大陽線を示現。3万6000円が目前となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日経平均が35,000円の大台を軽々と突破しました。

前日に34,000円の大台を上抜けたばかりですが、それがわずか2日間で日経平均が2度も大台を変えることになりました。

それでもマーケットメディア的には、いつまでたっても「33年ぶりの高値」と言い続けることになります。それでは今回の常識外れの値動きのよさを強調することができません。

今回の力強い動きは、上場来高値を更新する銘柄が相次いでいることからもうかがえます。半導体関連の東京エレクトロン(8035)、ディスコ(6146)、ゲームの任天堂(7974)、キャッシュフロー潤沢のKDDI(9433)、積水ハウス(1928)、住友林業(1911)などなど。

あらゆるセクター、あらゆる相場テーマにまたがる銘柄の物色が広がっています。今年は業界を越えた企業の業務提携、新たなビジネスチャンス、合従連衡が始まるものと期待は大きく膨らみます。十分に強い動きがもうしばらく続きそうな気配です。

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【ユニクロ急伸、日経平均231円押し上げ
日本証券新聞1月15日(月)紙面1面TOP記事掲載 

止まらない日本株上昇の背景を読む

ファーストリテ(9983・週足)

とにかく強い日経平均。いずれも34年ぶりの高値水準で、10日の「678.54円高」、11日の「608.14円高」に続いて12日も結局「527.25円高」で引けており、「毎日500円高なら23日にバブル期の最高値超え」といった軽口も飛び出すほど。買い一巡後は伸び悩む場面もあったが、2005年の郵政解散時や、12年のアベノミクス相場始動期を想起させる展開となっている。とはいえ、一方で東証グロース市場250指数(旧マザーズ指数)が前場中は昨年末水準を下回って推移するなど、保有銘柄によってまるで違った光景に見えるのが足元の相場展開だ。

日経平均のフシ抜けを受けたCTAなど海外投機筋による先物買い加速や売り方の買い戻し。これに新NISA(少額投資非課税制度)絡みの個人買いを加えた資金フローが語られるが、いずれにせよ対象は日経平均構成銘柄などの主力級銘柄に絞られているようだ。

その象徴と言えるのがファーストリテイリング(9983・P)。11日の今8月期第1四半期(9~11月期)決算発表を受け、一時6.9%高と昨年12月1日の実質最高値を一気に更新してきた。欧米など海外好調の一方で、国内冬物商戦の苦戦も想定されてきたが、フタを開けてみれば事業利益は22.7%増益と市場予想を上回り、アナリストからは「暖冬でも見事なコントロール力を発揮」(SMBC日興証券)、「事業運営全般に安心感」(野村証券)との声が相次いだ。

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今日の市況概況
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1月12日(金)☆[概況/大引け] 

連日の高騰。ファーストリテの好決算やインフレ資産シフトが期待された。反面、東証プライム市場全体では下落銘柄の方が多い

大引けの日経平均は527円高の3万5,577円、TOPIXは11ポイント高の2,494ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は551、下落銘柄数は1,058。出来高は18億3,821万株、売買代金は5兆496億円。
日経平均は連日の高騰。
指数寄与度の高いファーストリテイリングの好決算やマイナス金利を敬遠した家計資金がインフレ資産シフトを本格化し始めているという期待も寄与した。

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