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コラム2024年1月19日

【本日のマーケット】1月19日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

1月19日(金)のマーケット                                                                   

1月18日の米国株式市場は反発。週間の新規失業保険申請件数が1万6千件減の18万7千件となり、市場予想の20万7千件を下回ったため、長期金利が上昇し、序盤のNYダウは続落だった。だが、台湾の半導体受託製造のTSMCが2024年について、米ドルベースで20%台前半~半ばの成長との見通しを示したことで、ハイテク株が買われ、NYダウも反発した。アップルはBofAが投資判断を引き上げたことで買われた。ボーイングは、インドの新興格安航空会社アカサ・エアから「737MAX」を150機の受注したことで上昇した。NYダウは前日比201ドル(0.54%)高の37,468ドル。NASDAQ総合指数は前日比200ポイント(1.35%)高の15,055。S&P500指数は前日比41ポイント(0.88%)高の4,780。

台湾のTSMCの今期売上見通しが2割超の伸びに加え、米アマゾンが5年間で日本にデータセンター増設などで約2.3兆円投資すると発表したことを受けて半導体関連が買われ、建設株も上昇した。積水ハウスは米住宅会社の買収を好感。泉州電業は岩井コスモが格上げし、フォスター電機はいちよし経済研が新規「A」と発表したことで買われた。TOYO TIREはホンダの「N-BOX」に基準外の部品を納入と報じられ急落した。電力ガス株が安い。

スタンダード市場では、半導体検査受託のテラプローブが大幅高となり、ITインフラ事業のアセンテックは増配を発表しストップ高。アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)関連のアピリッツが大幅高。電子カルテのソフトウェアサービスは12月の売上高が前年同月比2倍で急伸。住石HDは反落。

グロース市場では、モンスターラボがPwCコンサルティングと業務提携を発表し大幅高。福祉・介護事業のAHCは今期の収益改善計画でストップ高。さくらインターネットとの実証実験開始のブレインズテクノロジーは3日続伸となった。データセクションとLAHD、モビルスは反落。

日足チャート上ではギャップアップとなり、上下にヒゲを伴う実体線の短い陽線。3万6000円台にタッチするも、上値は抑えられた。週足でも上下にヒゲを伴う陽線。先週よりも高値・安値を切り上げて、強いトレンドは継続となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。1月第3週の今週は世界最大の半導体ファウンドリー、TSMCの決算が注目されました。

TSMCの10-12月期の決算では、売上高は6255台湾ドル(2.9兆円)で前年比ほぼ横ばい、純利益は2387億台湾ドルで同▲19.3%となりました。3期連続での減収・減益ですが、四半期ベースでは前年の水準をほぼ取り返しています。

今後はさらに、AI搭載PCや同スマホの需要の回復が見込まれます。TSMCの好決算を受けて、今週末は世界中で半導体関連株が一斉に急騰しました。

TSMCは昨年暮れの時点で、最先端の1.4ナノメートルの最先端品の開発に着手していることが報じられました。これが実現すれば、現在の最先端品である3ナノメートルの製品の2世代先の技術となります。量産開始は2027年ごろと見込まれています。

TSMCが手がけるほどですから、サムスン電子などのライバル各社も開発に踏み切っているはずです。ここから雪崩を打って半導体各社の投資計画が明らかになってくると見られます。

半導体セクターがしっかりしている地合いは相当に強いものと判断できます。日本でもここからはエレクロニクス銘柄の幅広い出直りが期待できそうです。

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注目記事 Pick up
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【半導体関連 支援材料続々
日本証券新聞1月22日(月)紙面1面TOP記事掲載 

TSMC好決算、日本製SPE 24年度は4兆円超え アドテスト上場来高値

アドバンテスト(6857・週足)

半導体関連株の上昇が続いている。半導体受託製造で世界最大手のTSMC(台湾積体電路製造)の決算が事前の市場予想を上回る内容だったことから、18日の米国市場で関連株が買われた。また、18日に日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した2024年の見通しが好調だったこともあり、19日の東京市場では半導体製造装置(SPE)や関連材料株などが軒並み高となった。アドバンテスト(6857・P)が8%を超える急騰で23年7月の上場来高値を更新、ディスコ(6146・P)も初の4万円大台乗せとなった。材料関連ではウエハーのSUMCO(3436・P)、フォトレジストの東京応化工業(4186・P)などが昨年来高値を更新した。

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今日の市況概況
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1月19日(金)☆[概況/大引け] 

TSMCの今期予想とアマゾンの日本でのデータセンター増設計画で半導体関連に加えて建設株も高い。TOYO TIREは文春砲で急落

大引けの日経平均は497円高の3万5,963円、TOPIXは17ポイント高の2,510ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は875、下落銘柄数は718。出来高は15億5,180万株、売買代金は4兆5,009億円。
半導体の受託生産で世界最大手の台湾のTSMCが2024年の売上高はドル建てで20%台前半から半ばの増加を見込むとしたことに加えて、米アマゾンが5年間で日本にデータセンター増設などで約2.3兆円投資すると発表したことを受けて半導体関連が買われ、清水建設や大林組(1802)などの建設株も上昇した。

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