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コラム2024年2月16日

【本日のマーケット】2月16日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

2月16日(金)のマーケット                                                                   

2月15日の米国株式市場は続伸。1月の小売売上高が前月比0.8%減となり、市場予想の0.1%減よりも悪化したが、冬の悪天候が影響した可能性がある。金利低下を受けて株式が買われた。ウェルズ・ファーゴは2016年に顧客に無断で架空口座を開設したことで通貨監督庁が同意命令を出したが、命令を解除したため、上昇した。TSMCは小幅安となった。NYダウは前日比348ドル(0.91%)高の38,773ドル。ナスダックではスーパー・マイクロ・コンピュータが9日続伸。「ChatGPT(チャットGPT)」を開発したオープンAIがウェブ検索サービスを開発していると報じられ、ライバル登場への懸念からグーグルを運営しているアルファベットは売られた。NASDAQ総合指数は前日比47ポイント(0.30%)高の15,906。S&P500指数は前日比29ポイント(0.58%)高の5,029。

米アプライド・マテリアルズの見通しを受けて半導体製造装置が買われ、日経平均は一時3万8865円(707円高)となり、最高値まで50円に迫った。その後、レーザーテックなどの半導体関連が利益確保の売りで反落したため、日経平均は上げ幅を縮めた。メガバンクと石油、商社が買われ、楽天が続伸し、冷凍冷蔵倉庫やホテルの開発運営会社の霞ヶ関キャピタルが急騰した。一方、トレンドマイクロは今期大幅増益見通しだが材料出尽くし感から急落した。

スタンダード市場では、名村造船とPKSHA、ペッパーフードが大幅続伸。ETSは50万ボルト送電線新設鉄塔工事を追加受注したことでストップ高。組み込みソフト開発のイーソルは今期の改善予想でストップ高。不動産再開発のアルデプロは改善計画書の策定・公表の断念でストップ安。

グロース市場では、ウェルスナビが再び大幅高となり、GNIが大幅続伸。ヘッドウォータースはAzure Open AI向けにAIラボサービス提供でストップ高。旅工房が反発しストップ高。実演販売のコパコーポは5日連続ストップ高。ACSLは大幅続落。カヤックが大幅安。

日足チャート上ではギャップアップで上ヒゲの長い十字足。過去最高値に肉薄するなど、今週は上値追いの展開が続いたが、そろそろ調整が入っても良い水準か。週足では、3週連続の陽線で上値・下値共に切り上げる強い形状となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式市場の強さ、上昇力には驚いてばかりいます。

あのバブル時の高値がすぐそこに迫っています。それに対して今の世の中は、浮かれている部分は少しもありません。バブルでつけた高値に向かって、実にクールに接近しています。

節分から立春を越えて2月相場は後半戦に突入しました。日経平均に代表される株価指数は想像をはるかに超えて上昇しました。押し目を待っていてもなかなか訪れません。

来たる3月相場、例年は年度末に向けて株式需給が乱れやすくなります。ここまでの株価の上昇が甚だしいだけに、年金運用ではリバランスが強く意識されます。そこに今年は、事業会社による政策保有株の売却が増える傾向にあります。

市場に流通する株式は増える一方で、これは株価上昇が一服した時の上値圧迫要因として意識されるはずです。

次のステップに進む上でもここは値固めが必要です。あっという間に通り過ぎた36,000円台までの押し目を待って、そこで買い参戦したいものです。

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【日経平均 最高値にあと50円まで肉薄
日本証券新聞2月19日(月)紙面1面TOP記事掲載 

4万円乗せシナリオ前倒し

16日の東京株式市場では日経平均株価が史上最高値に肉薄する場面があった。米国株の大幅続伸もあり、この日は朝方に前日比707.12円高の3万8,865.06円まで買われ、1989年の大納会に付けた3万8,915.87円まで50.81円の水準まで上昇した。

2023年大納会(終値3万3,464.17円)から16日の高値まで、日経平均の上昇幅は約5,400円、上昇率は16.1%に達した。ここまで急ピッチの上昇が続いただけに、日柄、幅ともにいったん調整が必要との見方が浮上している。ただ、15日付のストラテジーレポートで野村証券、SMBC日興証券が日経平均、TOPIXの見通しを引き上げるなど、日本株の先行きについて、市場の見方は一段と強気の方向に向いている。

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今日の市況概況
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2月16日(金)☆[概況/大引け] 

米AMATの予想で半導体関連が買われ、日経平均は一時最高値に肉薄。半導体関連の反落で上げ幅を縮めたが、メガバンクと商社、不動産、石油は高い

大引けの日経平均は329円高の3万8,487円、TOPIXは32ポイント高の2,624ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,391、下落銘柄数は238。出来高は22億417万株、売買代金は6兆7,212億円。
世界最大手の半導体製造装置メーカーの米アプライドマテリアルズ(AMAT)の第2四半期(2~4月)の売上高見通しがアナリスト予想を上回ったため、時間外取引で12%高と急伸した。
HBM(広帯域幅メモリ)の生産には標準的なDRAMの2倍以上の生産能力が必になることや、DRAMシリコンダイの積層に必要なパッケージング工程により、市場規模は拡大するため、2024年10月期のHBMパッケージング向け売上高は前期比約4倍の5億ドル近くに拡大するという見通しを示した。
これを受け、東証ではレーザーテックや東京エレクトロン、ソシオネクスト、アドバンテストが買われ、日経平均は一時3万8,865円(707円高)となり、最高値の3万8,915円まであと50円と迫った。
その後、レーザーテックなどの半導体関連が利益確保の売りで反落したため、日経平均は上げ幅を縮めた。

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