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コラム2024年3月8日

【本日のマーケット】3月8日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

3月8日(金)のマーケット                                                                   

3月7日の米国株式市場は続伸。エヌビディアが6日続伸となり、S&P500が最高値を更新した。なお、ブロードコムは取引終了後に発表した11~1月期決算で、半導体の売上高が予想を下回ったため、時間外取引で売られた。デンマークの製薬大手ノボノルディスクの米国預託証券(ADR)が買われた。ノボノルディスクの肥満症治療薬「ウゴービ」は人気となっているが、開発中の「アミクレチン」は第1相臨床試験で、「ウゴービ」よりも高い減量データを示した。ノボノルディスクの新薬期待で、肥満症治療薬を開発中のバイキング・セラピューティクスは水をあけられるという見方から、バイキング・セラピューティクスは大幅安となった。NYダウは前日比130ドル(0.34%)高の38,791ドル。NASDAQ総合指数は前日比241ポイント(1.51%)高の16,273。S&P500指数は前日比52ポイント(1.03%)高の5,157。

日経平均は一時4万円に接近したが、米雇用統計の発表を控えていることや米大統領が大企業と富裕層への課税強化を訴えたことを受けて上げ幅を縮めた。日銀のマイナス金利政策解除観測で銀行株が続伸となり、株主還元期待で建設株が高い。ソースネクストは子会社ポケトークが25年に株式上場と報じられストップ高。サイボウズは著名投資家の井村俊哉氏の保有比率上昇で急伸。ホスピス運営のアンビスはみずほ証券が格上げ。京成とOLCは下落。

スタンダード市場では、半導体関連のテラプローブが買われ、造船関連のサノヤスとジャパンエンジンが高い。経済産業省がペロブスカイト型太陽光発電装置を優遇すると報じられたため、ペロブスカイト層の一部原料となるヨウ素を手掛ける伊勢化学が急騰。日本ラッドと住石HDは大幅反落。

グロース市場では、直近新規公開株のQPS研やVRAINが安い。ファンペップが反落し、ステムセル研は安値更新となった。SBIリーシングは業績予想と配当予想を上方修正しストップ高。坪田ラボはロート製薬へのライセンス供与でストップ高。ペロブスカイト関連のNPCが高い。

日足チャート上では、上下にヒゲを伴う陰線。4日ぶりの反発となったが、終値で5日移動平均線(3万9917円)を上抜けることができず、パラボリックも陰転となった。陰転となるのは2月7日以来、約1ヵ月ぶりのこと。週足では、6週ぶりの陰線を引いた。短期間で急騰をしてきただけにスピード調整の場面か。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日経平均は3月7日(木)に今年最大の下げ幅となる▲492円の下げを記録しました。

2週間前、日経平均は34年ぶりに最高値を更新したばかりです。その勢いに乗って今週は早々と史上初の4万円の大台突破を果たしました。

株式市場にとって吉報ばかりが届く、良いことづくめとなった年明けからの相場づきですが、年度末を控えてさすがに警戒心が浮上してきたようです。

冷静に世の中を見回すと、とても楽観してはいられない現実が広がっています。関係各方面の努力にもかかわらず、能登半島震災の復旧作業は遅がちです。自民党派閥の裏金問題は政倫審でも核心に迫ることはむずかしいようです。

3月は年度末最終の決算月でもあり、値上がりした銘柄は利益確定で売られやすく、その分の買い余力は、下値不安の少ない見送り銘柄に流れやすくなります。当面はリターン・リバーサルのような動きが強まることも起こりうる時間帯に差しかかっています。

そうなると日経平均などのインデックスは、値幅の広いレンジ形成に向かうと見られます。当面の下値メドとしては、PBRが1.45倍とすると37,500円、同じく1.40倍とすると36,000円というところでしょうか。押し目買い意欲は頑強なのでそこまでの調整もない可能性が十分にあります。

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史上最高値で個人も順張り!?
日本証券新聞3月11日(月)紙面1面TOP記事掲載 

日本株インデックス投信、2月に人気急増 三菱UFJアセット

2月22日に日経平均株価が史上最高値を付けるなど好調な日本市場を受けて、1月に始まった新NISA(少額投資非課税制度)で人気の低コストインデックス投信でも日本株投信が急上昇していることが、三菱UFJアセットマネジメントのまとめで分かった。「逆張り」といわれた個人投資家が「順張り」になりつつあることが浮き彫りになっている。

新NISAを含め、今年に入って最も資金流入が多いのは同社のeMAXIS Slim全世界株式(オルカン)、2位が同米国株式(S&P500)。1月には両方合わせて5,500億円も流入し、全投信の4割を占める人気ぶりだった。

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今日の市況概況
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3月8日(金)☆[概況/大引け] 

米雇用統計の発表前と米大統領による課税強化の公約を受け伸び悩んだ

大引けの日経平均は90円高の3万9,688円、TOPIXは8ポイント高の2,726ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,118、下落銘柄数は490。出来高は22億2,578万株、売買代金は6兆3,949億円。
日経平均は一時4万円に接近したが、米国雇用統計の発表を控えていることやバイデン大統領が一般教書演説で大企業と富裕層への課税強化を訴えたことを受けて上げ幅を縮めた。
日銀のマイナス金利政策解除観測で銀行株が続伸となり、株主還元期待で建設株が高い。

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