エキサイトホールディングス(5571)が4月19日、スタンダードに上場する。
かつて旧JASDAQ市場に上場していた再上場案件。前身のエキサイトはインターネット広告事業を主としていたが、ポータルサイト数の減少やSNS(交流サイト)、YouTubeの台頭により収益が悪化。さらにISP(インターネットサービスプロバイダー)サービスにおける光回線サービスの初期投資や大型プロモーション投資なども重なり、業績の低迷が続いた。
2018年7月にXTech社からTOB(株式公開買い付け)の提案を受け、同年11月に上場廃止。その後、グループ経営の効率化を図ることを目的として20年10月に純粋持ち株会社に移行した上で、エキサイトホールディングスに商号変更し、現在に至る。
主な事業内容は以下の通り。プラットフォーム事業では「エキサイト電話占い」、「エキサイトお悩み相談室」などのカウンセリングサービスや「ウーマンエキサイト」などのメディアサービスに加え、長年のサービス運営で培った女性ユーザー基盤を活かした「セノバス+」などのD2C(オンライン直販)サービスを展開。ブロードバンド事業は個人向けISPサービス「BBエキサイト」や格安MVNO(仮想移動体通信)サービス「エキサイトモバイル」などで安定した成長を遂げている。
SaaS・DX(デジタルトランスフォーメーション)事業はTOB後に参入した新規事業であり、SaaSでは21年6月にクラウド経営管理ソフト「KUROTEN.」をリリース。会計データとの一元管理により、過去実績に基づく未来予測シミュレーションの精度を高めることが可能なサービスであり、上場を目指すベンチャー企業から中堅企業を主な顧客層としている。昨年7月には、ウェビナー施策にかかわるタスクを一元管理できる「FanGrowth」もリリースした。また、iXIT社の子会社化により参入したDXは、システム開発・運用を通じて企業の事業戦略から運用改善までを手掛けている。
カウンセリングサービスはリピート率が高く、広告宣伝費を利益ベースで約4カ月で回収できる。引き続き経験豊富な質の高い占い師・カウンセラーの獲得や監視機能の強化により、新規ユーザーと相談件数の拡大を図る。メディアサービスはオリジナルコンテンツ・記事を自社制作し、メディア価値を高めることで広告収入の拡大に取り組む。
DXはiXIT社が有する大企業を中心とした顧客基盤を活用し、受注件数・受注単価の拡大を図ることで、プラットフォーム事業、ブロードバンド事業に続く新たな収益の柱とするべく注力する。(SS)
概要
●事業内容=プラットフォーム事業、ブロードバンド事業、SaaS・DX事業などを営むグループ会社の経営管理およびそれに附帯または関連する業務
●本社=東京都港区南麻布3-20-1
●代表者=西條晋一代表取締役社長CEO
●設立=2018年7月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=479万6,540株(上場時)
●筆頭株主=CASK(上場前49.15%)
●公募株式数=90万株
●売出株式数=オーバーアロットメントで13万5,000株
●仮条件=3月30日に決定
●ブックビル期間=4月3日から7日まで
●引受証券=みずほ、大和(共同主幹事)、SBI、楽天、SMBC日興、松井
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2021.3 | 6,828 | 424 | 125.14 | ― |
2022.3 | 7,131 | 407 | 89.04 | ― |
2023.3(予) | 7,510 | 591 | 114.72 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |