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IPO2023年9月14日

新規上場紹介 キャスター 10月4日 グロース リモートワークで中小企業を支援

キャスター(9331)が10月4日、グロースに新規上場する。

「リモートワークを当たり前にする」との企業理念のもと、2014年に創業。全国に所在するリモートワーカーが、より活躍できる就業環境の構築を手がけている。

20年からのコロナ禍を契機に、在宅勤務のリモートワークは加速度的に社会に受容されてきたが、労働人口の減少により中小企業の人材不足は継続して発生している。一方で、労働時間や居住地などを理由に活躍できる機会を制約されている人材もいることから、同社は顧客企業とワーカーの間に立ち、人材や労働機会を提供する事業を展開している。

主力のWaaS事業はWorkforce as a Serviceの略称で「CASTER BIZシリーズ」と「My Assistant」を展開する。人的資源の不足に悩む中小企業と各地のリモートワーカーをつなぐプラットフォームの役割を果たすもの。顧客企業の希望に応じ、適切なスキルを持つリソース(Workforce)を独自システムを用い、効率的に自動マッチングし、必要な時間だけ提供している。

CASTER BIZシリーズは経理、労務、採用、カスタマーサポート、マーケティングなど、バックオフィス業務代行を中心としたサービス。顧客企業と同社が1カ月につき利用30時間で12カ月契約などの固定プランで契約し、全国に所在する同社のリモートアシスタントが代行して役務にあたる。顧客企業は仕事の依頼を行うだけで、個別のマネジメントや契約管理は同社が担う。創業時から提供し、日常雑務から専門分野まで幅広い業務をサポートする「CASTER BIZアシスタント」の利用料は、月30時間の6カ月契約プランだと、月額約13万円になる。

My Assistantは月20時間などと提供時間を短く、個人でも利用できるように利用料金は月4万円からと安価にしたサービスで、軽微なルーティーン業務や文字起こし、情報調査などが主な依頼業務となっている。

このほか、企業のニーズに合ったスキルや経験を持つリモートワークの人材を紹介する「在宅派遣」や、在宅で副業、時短など職種を問わず新しい働き方ができる求人のみを掲載する、リモートワーク専用媒体の「Reworker」の事業に取り組んでいる。

WaaS事業は各サービスにおける取引先数が堅調に推移し、売上高、売上総利益とも順調に成長。今23年8月期の顧客企業稼働社数は前年同期比15.5%増の1,133社、解約率は4.0%(前年同期比0.3ポイント増)の見込み。23年8月期全体の売上高は前年同期比25.1%増の41億7,696万円、経常利益は1,900万円(前期は1億6,100万円の赤字)と、大幅増収と黒字転換を計画している。(YY)

概要

●事業内容=リモートアシスタントをはじめとした人材事業運営
●本社=宮崎県西都市鹿野田11365-1
●代表者=中川祥太代表取締役
●設立=2014年9月
●上場前資本金=4,990万円
●発行済み株式数=190万7,960株(上場時)
●筆頭株主=インキュベイトファンド2号投資事業有限責任組合(上場前21.92%)
●公募株式数=35万株
●売出株式数=オーバーアロットメントで5万2,500株
●仮条件=9月14日に決定
●ブックビル期間=9月19日から9月25日まで
●引受証券=大和(主幹事)、みずほ、SBI、岩井コスモ、極東、松井、マネックス

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益     配当
2021.8 2,235        ▼354       –
2022.8 3,338        ▼161       –
2023.8 (予) 4,176 19 2.1
単位100万円、1株利益は円、▼は赤字

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